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佐伯泰英 |
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照降町四季 |
(2021.9.11)文春文庫2021年7月 750円 |
照降町四季 |
照降町の再建を進める手伝いを周五郎は任されていた。鼻緒屋の親店である宮田屋が新しい店の再建を真っ先に優先させてくれた。佳乃の鼻緒が多くの客をつかみ、宮田屋としては大事な職人として扱ってくれた。吉原の梅花花魁から佳乃は花魁道中の三枚葉下駄の制作を頼まれ渾身の作品を仕上げた。50両もの対価を受け取り、半分を宮田屋へ、残りを今後の生活に生かすことにした。藩を抜けて下駄の紙緒挿げを修行していた周五郎は次々と藩の内紛への加担を求められ困惑していた。佳乃が作った下駄を履いた梅花が花魁道中を照降町で行うことが実現し、ふたりはこれまで以上に結びつきを確かめた。そんな時、周五郎に兄の訃報が届く (2021.7.1)文春文庫 2021年6月 750円 |
照降町四季 |
神田佐久間町の材木問屋から出火した。折からの強風と乾いた土は炎を江戸の町に広げた。照降町の鼻緒屋にも火が近づく。周五郎と佳乃は両親を深川の菩提寺まで運び避難させた。その後、照降町に戻り、一晩中御神木の梅の大樹に水をかけ続けて火から守った。その行いに照降町の人々が共鳴し、多くの者が交代で水をかけ続けた。3年間も江戸を離れ、罪悪感を抱えたままだった佳乃は一気に照降町の人々に受け入れられた。寺に避難した弥兵衛は次第に力尽き、ついに息を引き取った (2021.6.5)文春文庫 2021年5月 750円 |
照降町四季 |
江戸の照降町で鼻緒屋を営む弥兵衛。長く喘息で寝込んでいた。三年前に悪の三郎次と駆け落ちした佳乃が一人戻ってきた。惚れた時は気づかなかった三郎次の本性。酒と博打に生活費の全てを奪われ、やっと間違いに気づき一人で照降町に逃げてきたのだ。店では弥兵衛も母の八重も佳乃を温かく迎えて、病に伏す弥兵衛の代わりに鼻緒を挿す仕事を頼んだ。佳乃が不在の間に武家を致仕した八頭司周五郎という侍が挿す職人の弟子として働いていた (2021.4.21)文春文庫 2021年4月 750円 |