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ほぼ毎日更新の雑感「ウエイ」
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上田秀人
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本懐

武士の覚悟

愚かな主君によって多くの家臣の暮らしを犠牲にせざるを得なかった大石内蔵助。息子まで罪人にしてしまったことを悔やむ切腹。本能寺で家臣の明智光秀に襲われ、自らに油をかけさせ死体が見つからないようにして果てた織田信長。幕府のお抱え絵師として渾身の作品を描きながら、執政のさじ加減で作品を貶され抗議の切腹をした狩野涌川。徳川幕府の大政奉還で外様ながら若年寄りの地位を捨てねばならず、かと言って倒幕軍への交戦を説得できなかった無念の切腹。堀直虎は江戸城内で腹を切って一家を守った。敵も味方もないまま武士の矜持だけを捨てられなかった者たちと鹿児島に散った西郷隆盛。武将として切腹もままならぬ最期を遂げた今川義元。権威ある者たちの責任の取り方を小説に落とし込んだ

2021.5.29)光文社 20214680

高家表裏譚

3結盟

朝廷から幕府へ官位の叙任が届けられた。その中にまだ家督を継いでいない吉良家の嫡男三郎に従四位を与えるものが含まれていた。父の義冬と同じ従四位が与えられることのなった三郎は上野介と呼ばれるようになり、戸惑いを隠せない。父の命により密かに京に上り、叙任を推挙しただろう近衛基熙を訪ねることになった

2021.5.7)角川文庫 20213680

高家表裏譚

2密使

天皇の体調が優れず、医師は余命が短いことを告げた。公家の最高位である五摂家たちは幼い跡継ぎを幕府に打診するべく摂家を継ぐ前の近衛家の7歳の嫡男を江戸に密使として送り出した。近衛が向かったのは高家の吉良家だった。そこで嫡男の三郎と意気投合し、京に来た時にはいつでも立ち寄ってかまわないという一門の証を受け取った。毛利長門守は家老や小姓から見放され、酒に溺れ徳川幕府を倒すことを口走っていた

2021.3.112)角川文庫 20209680

高家表裏譚

1跡継

幕府と朝廷の礼法を司る高家に生まれた三郎は13歳になり将軍、徳川家綱から吉良家の跡継ぎとして認められた。父の義冬から高家のしきたりを学ぶ生活が始まった。官位を斡旋してもらうために他家から多くの音物を受け取る意味も教えられた。その中に将軍の命に従わない毛利家からのわずかな音物があったが、義冬は毛利家当主の反幕府的な振る舞いを理由に官位を推薦しないことを三郎に伝えた。それを知った毛利家から刺客が三郎に差し向けられた

2021.3.9)角川文庫 20203680

勘定侍柳生真剣勝負

1召喚

大坂の商人、淡海屋の一夜は祖父から店の後継ぎとしての教えを受けながら育ってきた。ある日、柳生家の家臣が訪れ、いきなり江戸へ行くことになった。一夜は柳生宗矩が大坂で淡海屋の娘に産ませた庶子だった。長らく何の連絡もなかったにもかかわらず、いきなり庶子である一夜を武士に引き立てるという。将軍家光の覚えがある宗矩は総目付から剣術指南役のまま大名へと出世することになった(2021.3.18)小学館時代小説文庫 20202650

勘定侍柳生真剣勝負

2始動

柳生の里で十兵衛から厳しい剣術指導を受けて逃げ回っていた一夜。江戸の宗矩の指示で柳生を離れることができた。道中、京都に寄って商人たちと顔つなぎをした。江戸に着いてからは屋敷の伊賀者たちの監視を受けながら、日常生活を始めようとしていた。場内では惣目付の秋山が柳生の出世を潰そうと甲賀者を使って一夜の探りを始めた。荒物屋での買い物をきっかけに主人と繋がった一夜は、その縁で幕府御用達の駿河屋を紹介された

2021.3.23)小学館時代小説文庫 20208650


幻影の天守閣

江戸城には天守閣がない。なのに天守台だけは残されている。それを警護する役目もある。天守番になった工藤小賢太は天守台の見回りで曲者に襲われた。なぜ天守閣がないのに、曲者が忍び込んだのか。工藤の探索が始まった。 (2019.10.30) 光文社文庫 200412 629

勘定吟味役異聞
6
暁光の断

幼少の7代将軍家継。側用人の間部は後見として大奥に自由に出入りし、生母の月光院とつながっていた。まったく将軍から声がかからなくなった新井白石は、再び政の中心へ自分が返り咲くことを願い、聡四郎に絵島事件の背景を探るように命令した。月光院の中臈として権勢をふるった絵島は芝居見物の後、門限を破り、処罰を受けていた。絵島を支える役目の伊賀者が何者かによって殺されていたからだ。聡四郎の剣術の師匠、入江無手斎はかつてのライバル浅山鬼伝斎を破ったが右腕を怪我して筆も持てない状態だった。聡四郎は相模屋の娘、紅に結婚を申し込んだ

(2021.6.17) 光文社文庫 202010 720

勘定吟味役異聞
5
地の業火

尾張徳川家の当代が暗殺された。その犯人と目された守崎頼母とお蓮の方の行方を探るよう新井白石から命じられた水城聡四郎は京に向かった。そこで古い所司代の記録から豊臣家を支えた莫大な資金の存在を知る。江戸に幕府を開いた家康が京の金座と同じものを江戸にも作るために京の後藤家から人を受け入れた。その男は後藤家の血筋ではなかった。江戸で金座を作った家康の本当の狙いは豊臣家に匹敵する偽の金貨作りだったのではないかと聡四郎は気づいた

(2021.6.14) 光文社文庫 20209 740

勘定吟味役異聞
4
相剋の渦

3人の長崎奉行を2人に減らすことを危惧した在府の長崎奉行が新井白石に助けを求めてき

た。探索を命じられた聡四郎は紀伊國屋文左衛門と柳沢吉保がバックにいて御三家を争わせ威力を削ぎ、幕府を乗っ取る計画を立てていることを知る。しかし、白石は大老の間部に無視され聡四郎の探索を無駄にする

(2021.5.19) 光文社文庫 20208 740

勘定吟味役異聞
3
秋霜の撃

六代将軍家宣が死んだ。寵愛を受けて執政を担っていた儒学者の新井白石は後ろ盾を失った。大名ではない白石は老中にはなれない。家宣亡き後、残った老中たちから自分が弾き出されることを恐れた。同じように家宣の寵臣だった間部越前守は早々と幼少の鍋松を次の将軍に推して生き残りを図った。家宣の遺言に次の将軍には鍋松を頼むと書いてあったと間部は宣言した。家宣最期の瞬間に立ち会った間部の言葉は大きく、老中たちも間部の指示に従う。七代将軍家継へと代替わりがあまりにも迅速に進んだことを白石は見逃さなかった。聡四郎に間部が世継ぎに関して残したはずの書き付けを探し出すように命じた

(2021.5.15) 光文社文庫 20206 740


勘定吟味役異聞
2
熾火

経済のことは全くの素人ながら新井白石によって勘定吟味役に任じられた水城聡四郎。吉原から幕府へ毎年多額の運上金が払われていることに気づく。しかし幕府側にはその運上金を何に使ったかという記録がなかった。遊女の存在を認めたくない白石の命令で真相探索を始めた水城は、吉原の大籬である三浦屋から命を狙われることになった。 (2020.3.26) 光文社文庫 20064 648


勘定吟味役異聞
1
破斬

水城聡四郎。旗本の四男坊に生まれ、家督を気にせず剣術に生きがいを見つけていた。しかし、上の三人の兄が次々と早逝しいきなり家督を継ぐことになった。父は隠居し聡四郎は、勘定吟味役を拝命した。これは綱吉亡き後も強く幕閣に睨みを利かせる柳沢吉保に対抗する新井白石の引きだった。癇癪持ちで周囲からの理解を得難い白石は、それでも明瞭な頭脳で綱吉時代の権力と富に紛れた暗躍者たちを追い払いに必死だった。長く勘定奉行を独占する萩原の不正を探し出し、これを追い落とすことが聡四郎に課せられた白石からの命令だった。聡四郎は、金座の後藤家、大商人の紀伊國屋文左衛門を相手に孤高の闘いに奔走する。人入れの相模屋の助けを得ながら、悪を追及しついに決戦の時を迎えた。 (2019.1.26) 光文社文庫 20058 629


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