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上田秀人 |
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百万石の留守居役 要訣17 |
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百万石の留守居役 乱麻16 |
(2024.11.11)光文社2020年12月680円 |
百万石の留守居役 布石15 |
(2024.11.7)光文社2020年6月680円 |
百万石の留守居役 愚劣14 |
5代将軍綱吉に呼び出された本田政長は対面を果たした。そこで陪臣から直参への誘いを受けたが断った。徳川の裏を担ってきた本多家の生き残りが幕閣に入れば、綱吉が代替わりしたときに自分も用なしになることを知っているからだ。本多家を滅ぼし、小田原城主へと返り咲きたい老中の大久保加賀守は旗本の横山を使って加賀藩前田家や本田家の内情を探らせた。本多家を無頼たちに襲わせた横山たちを快く思っていない本多家の家臣たちは憤慨した。しかし、政長はここで目立つことをしたら、それを理由にして幕府が難癖をつけてくるので軽率な行動は取らないように釘を刺す。瀬能数馬を江戸の町歩きにつき合わせ政長は前田家と幕府との付き合い方について細かく指南していた。至難の総仕上げとして吉原へ数馬を伴い、総名主の西田屋に面会した (2024.11.6)光文社2019年12月660円 |
百万石の留守居役 舌戦13 |
評定所は江戸城辰ノ口を出たところ、道三堀にあった。「加賀藩筆頭宿老、本多政長でござる。御上のお召しにより参上いたしましてございまする」。訪いを告げた。門番を務める小人目付が怪訝な顔をした。「横山大膳が参上すると聞いているが」。「御上からのお召しでは加賀藩江戸屋敷におる者で最も高位な役職をとのことでございましたので、筆頭宿老を承っております私が参上いたしました」。評定所では審議の場を統括する老中大久保加賀守忠朝、大目付坂本右衛門佐重治、寺社奉行酒井大和守忠国、町奉行北条安房守氏平、勘定奉行大岡備前守清重が正面に並び立ち合いを務める目付がその左右に控えていた。大久保が旗本の横山内記長次を呼び出した。本多政長が廊下へ座した。「な、なぜ、お前がここに」。横山長次が場も忘れて立ち上がった。加賀藩の筆頭老中、横山玄位を呼び出して、加賀藩の汚点を曝け出し大久保と横山で加賀藩を乗っ取るつもりだった。そこに国本にいるはずの筆頭宿老が顔を出したのだ(2024.11.3)光文社2019年6月660円 |
百万石の留守居役 分断12 |
(2024.11.1)光文社2018年12月680円 |
百万石の留守居役 騒動11 |
加賀藩本多家は江戸に屋敷を拝領していた。蝶番に油を差すときぐらいしか開かれない大門が叩かれた。「へい、どちらさまで」門番が問うた。「上様である」使者の言葉に門番が唖然とした。すぐに大門が開かれ本多家の者が正座して迎えた。幕府の御使者番清水織部丞と名乗った。用人の弓削次郎右衛門が迎えた。「主に代わりまして承りまする」。主は国元で執政をしている。江戸屋敷にいたことはない。清水織部丞が将軍綱吉の用を伝えた。「本多政長に出府を命じる」。弓削は清水を送った後に軒猿の黒部を呼んだ。密かに清水の話を聞いていた黒部に余計な説明はいらない。「通常の使いならば十日かかるところをそなたなら二日で行ける。ただちに殿へお知らせせよ」と命じた。弓削は屋敷を出て加賀藩前田家上屋敷へと立ち寄った。武田二十四将を名乗る江戸の無頼に襲撃された上屋敷はまだ血の臭いが消えていなかった。数馬の屋敷を訪ね佐奈と面会した。事情を告げ、綱吉の本音を探るように頼んだ。合わせて国元へ伝言があれば預かると伝えた。「お長屋には異変はなしとだけ」頼んだ(2024.10.31)光文社2018年6月660円 |
百万石の留守居役 忖度10 |
(2024.10.24)光文社2017年12月660円 |
百万石の留守居役 因果9 |
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百万石の留守居役 参勤8 |
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百万石の留守居役 貸借7 |
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百万石の留守居役 使者6 |
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百万石の留守居役 密約5 |
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百万石の留守居役 遺臣4 |
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百万石の留守居役 新参3 |
(2024.9.26)光文社2014年6月660円 |
百万石の留守居役 思惑2 |
(2024.9.19)光文社2013年12月660円 |
百万石の留守居役 波乱1 |
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武商繚乱記 3流言 |
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武商繚乱記 2悪貨 |
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武商繚乱記 1戦端 |
(2024.11.6)講談社680円2022年7月 |
旗本出世双六 1振り出し |
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高家表裏譚 5京乱 |
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高家表裏譚 4謁見 |
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惣目付臨検仕る 6意趣 |
(2024.5.15)光文社700円2024年4月 |
表御番医師診療禄 5摘出 |
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表御番医師診療禄 4悪血 |
矢切良衛は医師だ。江戸城内で診療に当たる。そのほかの日は町医者として近隣の者たちの病や怪我を手当てする。江戸時代の医師は僧侶と同じで仁として医を施す。そのため医術でお金は得なかった。代わりに薬を処方して薬代を手にした。これが生活のあてになった。良衛は医師であると同時に御家人だったので幕府から禄を得ていた。その禄だけでもぜいたくをしなければ十分に生きてゆけた。しかし彼を取り巻く者たちがそれを許さなかった。そんな良衛のもとに小普請組吉沢幾野丞の三男の竹之介が訪ねてきた。自分は阿蘭陀流外科医の良衛のもとで医師になりたいと弟子入りを願った。まだ自分が師匠と呼ばれる立場ではないことを自覚している良衛、弟子は持たないと断ったが、竹之介の熱意に打たれ、ともに医術を追求する兄弟として傍に置くことにした。城内に詰めているとけが人が出たので処置を頼むという知らせが入った。骨折とのことで外科医の良衛が臨場した。患者は御広敷伊賀者の男だった。忍びの者なのに足のすねを骨折していた。どこでなぜけがをしたのかを良衛に教えようとしなかった。けがをした場所やどうしてけがをしたのかを知らないと適切な処置ができないと主張したが、男は決して口を割らなかった (2024.2.7)角川文庫600円2014年8月 |
隠密鑑定秘禄 3下達 |
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隠密鑑定秘禄 2恩讐 |
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隠密鑑定秘禄 1退き口 |
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表御番医師診療禄 3解毒 |
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表御番医師診療禄 2縫合 |
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表御番医師診療禄 1切開 |
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惣目付臨検仕る 5霹靂 |
(2023.10.21)光文社660円2023年5月 |
惣目付臨検仕る 4内憂 |
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惣目付臨検仕る 3開戦 |
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惣目付臨検仕る 2術策 |
吉宗から新しく惣目付に任じられた聡四郎。城内ではその話が広がり、既存の目付たちが大慌てになっていた。自分たちの権限が奪われるのではないかと心配し、聡四郎の仕事を邪魔しようと動き出した。目付の支持を受けて実務を行う徒目付たちは聡四郎の指示に従うなという命を目付から受けていた。この事を知った吉宗は、聡四郎に徒目付全員を総入れ替えするように命じた。最初は対抗していた奥右筆たちは、吉宗の本気度を知り、改革に協力していく。聡四郎は奥右筆と協力して新しい徒目付にふさわしい人材の発掘を急いだ。名古屋に逃げ延びた藤川。途中、忍を抜けた者たちから突き上げをくい、最後に残った鞘像と二人で吉宗への復讐を画策していた。無住の寺を賭場にしていた無頼を乗っ取り、そこを足場に名古屋での闇の支配を始めようとしていた。尾張の草の者たちは、無住の寺に伊賀の忍が入ったことに気づき、幕府の手先と勘違い。これを襲撃する手はずを整えた(2023.10.11)光文社640円2021年7月 |
惣目付臨検仕る 1抵抗 |
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聡四郎巡検譚 6総力 |
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聡四郎巡検譚 5急報 |
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聡四郎巡検譚 4抗争 |
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聡四郎巡検譚 3動揺 |
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聡四郎巡検譚 2検断 |
(2023.9.13)光文社620円2018年7月 |
聡四郎巡検譚 1旅発 |
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御広敷用人大奥記録 12覚悟の紅 |
竹姫を襲って吉宗の継質にできないように仕向けた天英院を吉宗はいよいよ排除することにした。追い詰めらた天英院は都の実家である近衛家に文を送った。婚姻を認める勅命を防ぐ手だてを頼んだ。近衛家では二条家と計って竹姫と吉宗の形式的なつながりを盾にして勅命を出せない策を強行した。嫡男の長福丸に毒を盛られ、愛しい姫との間を割かれた吉宗は天英院の手先となって妨害を繰り返した館林藩家老の山城を聡四郎に訪ねさせた。そこで聡四郎は館林藩主の将軍襲名はあり得ないこと、これ以上天英院の手先を務めるならば館林松平家の存亡に関わることを告げる。山城は最後には聡四郎の意図に従うことを誓う。吉宗は天英院と上臈が局から外出することを禁止。竹姫とたった一夜の最初で最後の夜を過ごした。これにより聡四郎は御広敷用人の任が解かれ屋敷に戻ることができた。竹姫につけられていた袖は宿下がりが認められた。数日後、紅に女の子が誕生した。竹姫から送られてきた祝いの品のなかに女の子の名前が含まれていた。聡四郎と紅の子どもは紬と名付けられた(2023.9.8)光文社620円2017年7月 |
御広敷用人大奥記録 11呪詛の文 |
(2023.9.5)光文社620円2017年1月 |
御広敷用人大奥記録 10情愛の奸 |
(2023.9.2)光文社620円2016年7月 |
御広敷用人大奥記録 9典雅の闇 |
吉宗の命令で京都へ上った聡四郎、玄馬、伊織。京都所司代の仲介で五摂家との面会を許された。天英院の実家にあたる近衛家を避けて、竹姫の実家にあたる清閑寺家とゆかりのある一条家に吉宗と竹姫の婚姻を相談した。金次第で要求が叶えられる公家との交渉を聡四郎は短期間になし終えた。江戸の伊賀者頭から放逐された藤川義右衛門は聡四郎を追跡して道中で襲ったが、逆に片目を失い敗北した。京都木屋町で闇の世界を仕切る利助と出会い、盗みで得た金で聡四郎たちを襲わせた。玄蕃は主を守るために肩を怪我した。吉宗は尾張徳川家で短期間に主人や要人、家臣らが亡くなった経緯を調査する新たな命令を聡四郎たちに出した(2023.8.30)光文社620円2016年1月 |
御広敷用人大奥記録 8柳眉の角 |
聡四郎を襲い破れた御広敷伊賀者の頭、藤川はそのまま逃亡し館林藩家老の山城に身を寄せた。山城は天英院とつながりを作り、吉宗を廃して館林藩主を次の将軍にする計略を立てていた。山城と藤川は利害が一致した。竹姫を城内で孤立させるために茶会を企画した天英院は月光院とともに、吉宗の怒りを買って反撃の機会を狙う。聡四郎は竹姫を襲ってきた郷から来た女忍の袖の手当てをした。妻の紅との関わりの中で袖は新しい考え方に目覚め、聡四郎の命を受けて竹姫を守るためにお末として大奥へ入った。山城は厩番の太郎を秘かに菜太郎として大奥へ忍び込ませた。竹姫を襲って汚す命令を出した。家族を人質に取られた太郎は仕方なく命令に従うが、総てを察知していた竹姫の局て逆に生け捕りにされた。天英院は竹姫を襲う企てが自分と無関係であるように逃げまくる(2023.8.30)光文社620円2015年7月 |
御広敷用人大奥記録 7操の護り |
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御広敷用人大奥記録 6茶会の乱 |
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御広敷用人大奥記録 5血の扇 |
(2023.8.19)光文社620円2014年1月 |
御広敷用人大奥記録 4鏡の欠片 |
(2023.8.17)光文社619円2013年7月 |
御広敷用人大奥記録 3小袖の陰 |
(2023.8.15)光文社619円2013年1月 |
御広敷用人大奥記録 2化粧の裏 |
吉宗の命を受けて京に入った聡四郎。竹姫の出自を探るべく公家の周辺をあたる。竹姫の実家、清閑寺を訪ねた聡四郎と玄馬、伊之介。名家が並ぶ京の町だったが、どこの屋敷も朽ち果てていた。位ばかりが高くても金がないので日々の暮らしは質素なものだった。しかし清閑寺の屋敷はとても立派だった。六郷の渡し、箱根山中の二か所で聡四郎たちを襲いながらも撃退された伊賀者も京に入って後をつけた。任を実行する役目とは別に忍びには見届け役がいた。見届け役は仲間が倒されても応援に加わらず、任の結果を依頼主に告げる役を負っていた。伊賀者も京に入った聡四郎たちの狙いに気づいていた。将軍が新しい側室を求め、その出自を聡四郎へ探るように命じたと考えた。仲間が減った伊賀者は伊賀の郷へ応援を頼むために入り込んだ。清閑寺の屋敷が立派だったことを不審に感じた聡四郎たちは金の動きを探ることにした (2023.8.12)光文社620円2012年7月 |
御広敷用人大奥記録 1女の陥穽 |
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本懐 武士の覚悟 |
愚かな主君によって多くの家臣の暮らしを犠牲にせざるを得なかった大石内蔵助。息子まで罪人にしてしまったことを悔やむ切腹。本能寺で家臣の明智光秀に襲われ、自らに油をかけさせ死体が見つからないようにして果てた織田信長。幕府のお抱え絵師として渾身の作品を描きながら、執政のさじ加減で作品を貶され抗議の切腹をした狩野涌川。徳川幕府の大政奉還で外様ながら若年寄りの地位を捨てねばならず、かと言って倒幕軍への交戦を説得できなかった無念の切腹。堀直虎は江戸城内で腹を切って一家を守った。敵も味方もないまま武士の矜持だけを捨てられなかった者たちと鹿児島に散った西郷隆盛。武将として切腹もままならぬ最期を遂げた今川義元。権威ある者たちの責任の取り方を小説に落とし込んだ (2021.5.29)光文社 2021年4月680円 |
高家表裏譚 3結盟 |
朝廷から幕府へ官位の叙任が届けられた。その中にまだ家督を継いでいない吉良家の嫡男三郎に従四位を与えるものが含まれていた。父の義冬と同じ従四位が与えられることのなった三郎は上野介と呼ばれるようになり、戸惑いを隠せない。父の命により密かに京に上り、叙任を推挙しただろう近衛基熙を訪ねることになった (2021.5.7)角川文庫 2021年3月680円 |
高家表裏譚 2密使 |
天皇の体調が優れず、医師は余命が短いことを告げた。公家の最高位である五摂家たちは幼い跡継ぎを幕府に打診するべく摂家を継ぐ前の近衛家の7歳の嫡男を江戸に密使として送り出した。近衛が向かったのは高家の吉良家だった。そこで嫡男の三郎と意気投合し、京に来た時にはいつでも立ち寄ってかまわないという一門の証を受け取った。毛利長門守は家老や小姓から見放され、酒に溺れ徳川幕府を倒すことを口走っていた (2021.3.112)角川文庫 2020年9月680円 |
高家表裏譚 1跡継 |
幕府と朝廷の礼法を司る高家に生まれた三郎は13歳になり将軍、徳川家綱から吉良家の跡継ぎとして認められた。父の義冬から高家のしきたりを学ぶ生活が始まった。官位を斡旋してもらうために他家から多くの音物を受け取る意味も教えられた。その中に将軍の命に従わない毛利家からのわずかな音物があったが、義冬は毛利家当主の反幕府的な振る舞いを理由に官位を推薦しないことを三郎に伝えた。それを知った毛利家から刺客が三郎に差し向けられた (2021.3.9)角川文庫 2020年3月680円 |
勘定侍柳生真剣勝負 1召喚 |
大坂の商人、淡海屋の一夜は祖父から店の後継ぎとしての教えを受けながら育ってきた。ある日、柳生家の家臣が訪れ、いきなり江戸へ行くことになった。一夜は柳生宗矩が大坂で淡海屋の娘に産ませた庶子だった。長らく何の連絡もなかったにもかかわらず、いきなり庶子である一夜を武士に引き立てるという。将軍家光の覚えがある宗矩は総目付から剣術指南役のまま大名へと出世することになった(2021.3.18)小学館時代小説文庫 2020年2月650円 |
勘定侍柳生真剣勝負 2始動 |
柳生の里で十兵衛から厳しい剣術指導を受けて逃げ回っていた一夜。江戸の宗矩の指示で柳生を離れることができた。道中、京都に寄って商人たちと顔つなぎをした。江戸に着いてからは屋敷の伊賀者たちの監視を受けながら、日常生活を始めようとしていた。場内では惣目付の秋山が柳生の出世を潰そうと甲賀者を使って一夜の探りを始めた。荒物屋での買い物をきっかけに主人と繋がった一夜は、その縁で幕府御用達の駿河屋を紹介された (2021.3.23)小学館時代小説文庫 2020年8月650円 |
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江戸城には天守閣がない。なのに天守台だけは残されている。それを警護する役目もある。天守番になった工藤小賢太は天守台の見回りで曲者に襲われた。なぜ天守閣がないのに、曲者が忍び込んだのか。工藤の探索が始まった。 (2019.10.30) 光文社文庫 2004年12月 629円 |
勘定吟味役異聞 |
(2023.7.20)光文社文庫740円2020年12月 |
勘定吟味役異聞 |
(2023.7.18)光文社文庫720円2020年11月 |
勘定吟味役異聞 |
幼少の7代将軍家継。側用人の間部は後見として大奥に自由に出入りし、生母の月光院とつながっていた。まったく将軍から声がかからなくなった新井白石は、再び政の中心へ自分が返り咲くことを願い、聡四郎に絵島事件の背景を探るように命令した。月光院の中臈として権勢をふるった絵島は芝居見物の後、門限を破り、処罰を受けていた。絵島を支える役目の伊賀者が何者かによって殺されていたからだ。聡四郎の剣術の師匠、入江無手斎はかつてのライバル浅山鬼伝斎を破ったが右腕を怪我して筆も持てない状態だった。聡四郎は相模屋の娘、紅に結婚を申し込んだ (2021.6.17) 光文社文庫 2020年10月 720円 |
勘定吟味役異聞 |
尾張徳川家の当代が暗殺された。その犯人と目された守崎頼母とお蓮の方の行方を探るよう新井白石から命じられた水城聡四郎は京に向かった。そこで古い所司代の記録から豊臣家を支えた莫大な資金の存在を知る。江戸に幕府を開いた家康が京の金座と同じものを江戸にも作るために京の後藤家から人を受け入れた。その男は後藤家の血筋ではなかった。江戸で金座を作った家康の本当の狙いは豊臣家に匹敵する偽の金貨作りだったのではないかと聡四郎は気づいた (2021.6.14) 光文社文庫 2020年9月 740円 |
勘定吟味役異聞 |
3人の長崎奉行を2人に減らすことを危惧した在府の長崎奉行が新井白石に助けを求めてき た。探索を命じられた聡四郎は紀伊國屋文左衛門と柳沢吉保がバックにいて御三家を争わせ威力を削ぎ、幕府を乗っ取る計画を立てていることを知る。しかし、白石は大老の間部に無視され聡四郎の探索を無駄にする (2021.5.19) 光文社文庫 2020年8月 740円 |
勘定吟味役異聞 |
六代将軍家宣が死んだ。寵愛を受けて執政を担っていた儒学者の新井白石は後ろ盾を失った。大名ではない白石は老中にはなれない。家宣亡き後、残った老中たちから自分が弾き出されることを恐れた。同じように家宣の寵臣だった間部越前守は早々と幼少の鍋松を次の将軍に推して生き残りを図った。家宣の遺言に次の将軍には鍋松を頼むと書いてあったと間部は宣言した。家宣最期の瞬間に立ち会った間部の言葉は大きく、老中たちも間部の指示に従う。七代将軍家継へと代替わりがあまりにも迅速に進んだことを白石は見逃さなかった。聡四郎に間部が世継ぎに関して残したはずの書き付けを探し出すように命じた (2021.5.15) 光文社文庫 2020年6月 740円 |
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経済のことは全くの素人ながら新井白石によって勘定吟味役に任じられた水城聡四郎。吉原から幕府へ毎年多額の運上金が払われていることに気づく。しかし幕府側にはその運上金を何に使ったかという記録がなかった。遊女の存在を認めたくない白石の命令で真相探索を始めた水城は、吉原の大籬である三浦屋から命を狙われることになった。 (2020.3.26) 光文社文庫 2006年4月 648円 |
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水城聡四郎。旗本の四男坊に生まれ、家督を気にせず剣術に生きがいを見つけていた。しかし、上の三人の兄が次々と早逝しいきなり家督を継ぐことになった。父は隠居し聡四郎は、勘定吟味役を拝命した。これは綱吉亡き後も強く幕閣に睨みを利かせる柳沢吉保に対抗する新井白石の引きだった。癇癪持ちで周囲からの理解を得難い白石は、それでも明瞭な頭脳で綱吉時代の権力と富に紛れた暗躍者たちを追い払いに必死だった。長く勘定奉行を独占する萩原の不正を探し出し、これを追い落とすことが聡四郎に課せられた白石からの命令だった。聡四郎は、金座の後藤家、大商人の紀伊國屋文左衛門を相手に孤高の闘いに奔走する。人入れの相模屋の助けを得ながら、悪を追及しついに決戦の時を迎えた。 (2019.1.26) 光文社文庫 2005年8月 629円 |