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辻村深月
mizuki tsujimura

ツナグ
死者と生きている者を仲介する使者。ツナグ。高校生の歩実は、祖母から代々継承されてきた使者の仕事を受け継ぐように依頼された。もともと占い師の家系だった歩実の家は古くから、権力者や文化人から頼られてきた。特別な力を使って、多くのひとたちの相談を解決していた。死者との再会を整えるツナグの仕事もその一つだった。歩実は、祖母から渡されたツナグの仕事が書かれた大学ノートをもとに研修を始める。以外にも多くのひとがツナグの存在を知っていて、依頼をしてくることに驚いた。「もしもお前がツナグになったら、お前はその仕事をほかのだれかに引き継がない限り、自分は死者に会うことはできない」と祖母は言う。決断の前にだれかに会いたいならばあっておけばいいという。歩実の両親は歩実がこどものときに死んだ。母は首を絞められ、父は舌を噛み切っていた。警察の調べでは、父が母を殺した後に自殺したとのことだった。歩実は、やさしかった記憶しかない両親がそんなことをするはずがないと信じていた。しかし、もしも会うことができるのならば、真相がわかるかもしれない。悩みながら、歩実は死者とツナグをつなぐ青銅でできた特別な鏡を祖母から紹介された。 (2013.8.14) 新潮文庫 2010年9月 630円