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佐藤多佳子
takako sato

一瞬の風になれ
神奈川県の県立高校である春野台高校。陸上部に入った神谷は中学までサッカーをやっていた。私立高校でサッカーの名門校に入ろうとしたが入試で失敗。ジュビロ磐田のユースチームに入った兄を追ってサッカーをやりたかったのに、幼馴染の一ノ瀬とともに陸上部に入ってしまった。一ノ瀬は中学時代に日本記録まで作りながら、途中で陸上部をやめていた。陸上を志すメンバーには有名な存在だった。かたやまったく無名の神谷。ふたりが高校3年間をかけて、短距離走でインターハイを目指していく。生徒の目線になりながら、ときに厳しく、ふだんはだらしなく接する顧問の「みっちゃん」がいい。とくに桜宮高校の体罰教師が取りざたされているので、みっちゃんの指導が輝いて見えてくる。けがや恋愛などを通じて、ふたりが成長し、やがて100メートルのトラックで肩を並べてゴールを目指すまでを神谷の視点で描き出していく。 (2013.1.15) 佐藤多佳子 講談社 2006年8月 1400円(1,2)1500円(3)

しゃべれどもしゃべれども
ひょんなことから、一般人を相手に落語教室を始めることになった若手落語家が、自分の技術の向上に悩み、社会の落ちこぼればかりの生徒たちに苦しみながらも、ひととひととの関係性を築いていく。江戸情緒残る美しい日本語の言い回しが随所に見られ、清涼感が漂う小説だった。 (2008.11.16) 佐藤多佳子 新潮社 2000年6月 620円