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大沢在昌
arimasa osawa

雨の狩人(下)
警視庁新宿署の佐江刑事は暴力団関係の捜査で一目を置かれていた。単独行動が多く、上司の指示も無視する。とても扱いにくい刑事だが、これまで大きな事件では必ず成果を挙げてきた。だから上司も一目を置く。新宿のオレンヂタウンと呼ばれる地価の安いエリアで殺人事件が発生した。本庁の捜査一課の谷神刑事とコンビを組んで捜査に当たる。すると、暴対法によって、地下に潜り、カタギを操る新しいタイプの暴力団、高河連合の姿が浮かび上がって来た。 (2018.9.16) 幻冬社文庫 2017年8月 690円

雨の狩人(上)
警視庁新宿署の佐江刑事は暴力団関係の捜査で一目を置かれていた。単独行動が多く、上司の指示も無視する。とても扱いにくい刑事だが、これまで大きな事件では必ず成果を挙げてきた。だから上司も一目を置く。新宿のオレンヂタウンと呼ばれる地価の安いエリアで殺人事件が発生した。本庁の捜査一課の谷神刑事とコンビを組んで捜査に当たる。すると、暴対法によって、地下に潜り、カタギを操る新しいタイプの暴力団、高河連合の姿が浮かび上がって来た。 (2018.9.16) 幻冬社文庫 2017年8月 690円

パンドラ・アイランド
小笠原諸島のさらに南に浮かぶ青國島。戦後の米軍占領を経て、小川原諸島より送れて日本に返還された。わずかなひとたちが住む島なので、警視庁は常駐の警察官を派遣していない。そこで村は保安官という立場の治安担当者を募集した。警視庁で刑事をしていた高州は、ある事件で負傷し、その後退職していた。南の島でのんびり余生を過ごすために、募集に応じて任官した。前任者の柴田が病死したために、柴田の任期の残りである半年の臨時勤務だった。高州が着任した早々、草引という酔っ払いの老人が海に転落して死んだ。高州は草引が死ぬ前に会っていた。そして彼に「島の人間はみな拳銃をもっている。お前も島の秘密を探りに来たのか」と謎めいた言葉をかけられていた。そのとき乗っていた自転車が、転落場所近くで発見されなかった。そのことを疑問に感じた高州は、独自に自転車探しを始めた。すると海がめの産卵場所として有名な海岸「亀浜」が立ち入り禁止になっていることに気づいた。観光客が砂浜を荒らすことが理由だと言う。観光ぐらいしか資源のない島で、観光客を追い返すような対策をしていることに疑問を抱いた高州は、想像以上に島が裕福だと言うことに気づいていく。資源も産業も乏しい島が、なぜそこそこ裕福でいられるのか。その疑問を解いていくうちに、放火事件が発生した。さらに連続殺人事件も。米軍占領下の不正が、日本への返還後に噴出したかたちで、高州は渦の中に巻き込まれていく。高州を慕う娼婦のチナミ、離婚したが電話を通じて的確なアドバイスをする警視庁キャリアの元妻など多彩な登場人物が物語を引き立てていく。 (2013.12.21) 集英社文庫 2012年4月 762円(上下とも)

北の狩人
秋田県警捜査一課の梶雪人は休暇を使って東京にいた。新宿で、ヤクザを相手に、田代組についての情報を集めていた。しかし田代組は12年前に組長が死んで、解散していた。肩を落とす梶に新宿署の佐江刑事が力を貸す。さらに佐江が日頃から目をかけていた本藤組の宮本も梶に興味を抱いた。梶の父は秋田県警の刑事だった。苅部という田代組の構成員を東京に護送したまま、殺されていた。事件の真相を知るために、雪人は休暇を使って東京に出てきたのだ。元田代組にいて、いまもヤクザを続けているメンバーを梶は追っていく。なんとかメンバーに近い人間に接触できるが、だれもが、秋田に帰れと口をふさぐ。(2013.11.23) 幻冬社文庫 1999年8月 571円(上下とも)

黒の狩人
新宿署の警部補である佐江は暴力団取り締まりの専門刑事だ。その佐江が、法務省と公安警察から連続殺人事件の捜査を依頼される。自分は刑事警察なので、公安がらみの事件は扱えないと断る。しかし、中国人や暴力団がからみあう事件の捜査で、佐江のほかに適任者がいないと推挙され、仕方なしに引き受けた。しかも、ペアには中国人をつけるという。警察の捜査協力者という試験的な実験だった。中国人への聞き込みをするときに、通訳がいた方がいいという判断だった。佐江は、新宿署で自分がお荷物になっていることを知っていた。かつて西野と組んだ事件で多くの犠牲者を出していた。上層部はやっかいな事案を自分に押しつけ、失敗すればただちに責任をかぶせて遠方に追いやろうとしていたのだ。佐江は指定されたアパートに協力者を迎えに行く。毛と名乗った男は、文無しの宿無しだった。しかし、佐江は行動を共にするうちに毛が戦闘経験があり、多くの厳しい訓練を積んだ男だと言うことを知った。本来、自分とペアを組むはずだった中国公安部の栄は、その直前に殺されていた。毛は栄の身代わりとして働いていた。同じタイミングで佐江が毛を栄だと勘違いして迎えに行ったのだ。道教の聖なる山の名前をからだに彫り込んだ男たちが日本国内で4人殺された。その犯人を捜すことが佐江の任務だった。しかし同じように事件を追う公安は、犯人よりも殺された男たちが日本国内で何をしていたかに興味を抱いていた。外務省の野瀬由紀というノンキャリアは、公安の水森と不倫の関係を続けながら、公安からの情報を得ていた。その水森が自分の指示で栄を探しに行った後に、殺されたという情報を得た。自分のせいで水森が殺されたと思った野瀬は、佐江に接近し、同じ事件を追うことになった。(2013.7.21) 幻冬社文庫 2011年8月 762円(上下とも)

砂の狩人
警察庁刑事局の時岡が、千葉で浪々の漁民生活を送る西野を訪ねた。西野は、連続殺人事件の犯人を逮捕せずに射殺し、警視庁の刑事を辞めていた。警察内部では西野の行動を批判的に受け止める者が多かったが、現場の刑事のなかには、彼の行動を理解しようとする者もいた。時岡は、西野に都内で発生している連続殺人事件の捜査協力を依頼した。刑事を辞めた自分になぜ仕事の依頼をするのかがわからない。だから仕事は断るという西野に対して、時岡は事件の異常性を説明した。それは、被害者がすべて暴力団の組長を父親にもつこどもたちだったということだ。やがて暴力団が犯人探しに乗り出せば、警察は抗争事件を覚悟しなければならない。あるいは、犯人が中国人ならば、無実の中国人が暴力団によってさらわれ殺されるかもしれない。それを防ぐためには、従来の刑事警察の捜査では時間がかかりすぎると時岡は言った。場合によっては、犯人を見つけたときに殺すことも認めた。西野はかつて刑事だったとき、世話をした芳正会組長工藤の娘、幸子の安否を確かめるために新宿に出た。幸子は親父からの庇護を拒否し、裏社会でホテトルをしながら金を稼いでいた。いつか貯めた金で外国に行き、そこで暮らすことを夢見ていた。幸子の無事を確認した数日後、西野は幸子が犠牲になったことを知る。時岡に依頼され、一度は断った犯人探しを、復讐と動機解明のために引き受けることにした。 (2013.7.6) 幻冬社文庫 2005年8月 686円(上下とも)

絆回廊(新宿鮫10)
ただいま読書準備中(2013.8.1) 大沢在昌 光文社文庫 2011年6月 1600円

狼花(新宿鮫9)
ロベルト村上こと、仙田の招待が明らかになる。かつて警視庁公安部に極秘に存在したサクラ部隊。学生運動が盛んだった時期に潜入捜査を命じられたひとたち。なかには、スパイだったことが発覚し、リンチにあった者たちもいた。仙田の本名、間野。警察を信じ、警察に捨てられ、政府も権力も信じない生き方に身を投じた。新宿を中心とした、窃盗した品物を扱う闇市場。その存在に気づいた鮫島は、品物の鑑定に、中国人女性、明蘭がいて、間野がその女性を大切にしていることをつかむ。闇の市場は、全国を凌駕する暴力組織、稜知会にとってもおいしいマーケットだった。そんな矢先、警視庁に組織犯罪に対する専門部署が設立された。鮫島と同期の香田理事官が着任する。香田は、外国人による犯罪を阻止するために、あえて暴力団と手を組み、外国人犯罪撲滅へと舵を切る。香田と稜知会幹部との面会の場面に、間野と鮫島が乗り込む。(2010.11.29) 大沢在昌 光文社文庫 2010年1月 914円

風化水脈(新宿鮫8)
作者が新宿という街を掘り下げた。40年くらい前の殺人事件。死体は井戸に没して、鮫島がたまたま別件の捜査で発見した。死体は屍蝋と呼ばれる永久保存状態だった。射殺。弾丸は40年前に警察官から奪われた拳銃から発射されたものだった。中国人による高級車窃盗事件を内偵していた鮫島は、藤野組が窃盗団と手を組んでいることを突き止めた。かつて、藤野組で、中国人たちに殺傷事件を起こし、服役していた真壁が出所した。真壁が服役している間に藤野組は、真壁が殺傷した中国人たちと手を組んでいたのだ。真壁の恋人の雪絵は、中国人たちに真壁が殺されないかを心配し、鮫島に面会を求めた。(2010.11.20) 大沢在昌 光文社 2002年3月 895円

灰夜(新宿鮫7)
鮫島は警視庁公安部時代に手紙を託し自殺した同僚・宮本警視の法事に出席した。法事が終わり、かつての同僚の友人・古山と会食し、ホテルで就寝した。気がつくと、鮫島はクロロホルムをかがされ、見知らぬ牧場で檻に入れられていた。どうして自分が拉致されたのか、記憶がなく、理由もわからない。やがて、ライフル銃を掲げた男に解放された。そこから始まる事件の渦。鮫島は、意図することなく、大きな事件のなかに巻き込まれていく。北朝鮮製の覚せい剤を扱うやくざが、ほかのやくざと連携して商売を拡大しようとしていた。仲介したのは現職の地方警察の刑事だった。その覚せい剤の出所を探るために麻薬取締局の取締官が鮫島と接触した後に何者かに拉致された。地方警察の公安部がなぞの外国人をマークし、覚せい剤と外国人との接点を探る。職権のない鮫島は独自捜査の過程で、自分を拉致から解放してくれた古山を救うために解雇覚悟で窮地に赴く。(2010.11.12) 大沢在昌 光文社文庫 2004年6月 648円

氷舞(新宿鮫6)
警視庁公安部の公安総務課は、警察官の動向を監視していた。そのため、警視庁のなかでも公安総務課のメンバーに対する不信感は大きかった。アメリカやソビエトのスパイたちと情報戦を展開し、ときには協力的な態度で国家の機密情報を得ようと躍起になっていた。そんななか退役した元CIAのメンバーが射殺された。殺人事件とは別に、そのアメリカ人にコカインの密売疑惑があり、それを捜査していた鮫島は、事件現場で、警視庁公安総務課のメンバーから強制的に排除される。公安部が何かを隠そうとしていると気づいた鮫島は、単独の極秘捜査を開始した。恋人の晶は、歌手の世界でメジャーデビューを果たし、全国規模で有名になっていく。鮫島といっしょに過ごす時間が減っていく。それは、お互いに覚悟していたことだ。鑑識の藪に誘われて一人舞台を見た鮫島は、その女優が偶然にも紛失クレジットカードの被害者だったことを知り、接点をもつ。鮫島のこころに、晶ではなく、エリカというその女性が大きくなっていく。(2010.11.3) 大沢在昌 光文社文庫 2002年6月 724円

炎蛹(新宿鮫5)
南米から持ち込まれた魔除けに、フラメウス・プーパという害虫の蛹が大量に付着していた。春になり、これらが羽化すると、日本の米は壊滅する危険があった。その魔除けを回収し、フラメウス・プーパの蛹を処分するために、横浜植物防疫所の甲屋技官と鮫島は、ペアを組む。同じとき、ポケットベルを使った遠隔操作の放火が連続していた。ラブホテルばかりを狙う放火に東京消防庁の吾妻調査官が捜査に乗り出す。盗品を安く売りさばくグループを追っていた鮫島は、甲屋と吾妻と協力しながら、別々に思える事件の捜査にあたった。これまでのシリーズでは、単独捜査が多かった鮫島が異種業種のプロたちと協力しながら犯人を追い詰める。新しい切り口だ。新宿に集まる外国人。そのなかには、犯罪を生業にするグループが存在する。同国人どうしの結束は強く、容疑者の特定を困難にしていた。娼婦に性病をうつされ、怒りから復讐を企てる男。マネキンを愛し、女装しながら別人格になりたがる男。脇を固めるキャラクターは、今回も病的だ。(2010.10.23) 大沢在昌 光文社文庫 1995年10月 840円

無間人形(新宿鮫4)
直木賞受賞作品。アイスキャンディーという手軽な錠剤。それは立派な覚せい剤だ。新宿を中心に若者たちの間に流行し始めていた。鮫島は、売人をつかまえ、卸元とネタ元を追いかけていた。同じアイスキャンディー事件を追いかけていた厚生労働省の麻薬取締官たちと衝突する。鮫島の恋人ロックシンガーの晶は、プロデビューを果たし全国公演を開始した。ラストの公演の後で、かつてのバンド仲間が店長を勤めるライブハウスに立ち寄った。そこで晶を待っていたのは、元やくざの平瀬と地元の名士の香川兄弟だった。彼らは異なる理由から晶の誘拐を思いつき、鮫島を追い詰めようとした。アイスキャンディーの東京での卸し元は角という暴力団幹部だった。彼は、厳しくなったしのぎを逆転するためにアイスキャンディーにのめりこんだ。ネタ元の香川は、地方で警察も暴力団も動かすほどの有力者だった。お金には困っていないはずの香川兄弟が、なぜ覚せい剤の製造と販売に手を出したのか。釈然としない思いを抱いて、鮫島は誘拐された晶を助けるために、敵地に乗り込む。(2010.10.14) 大沢在昌 光文社文庫 2000年5月 724円

屍蘭(新宿鮫3)
シリーズ三作目。胎児の臓器を輸出して、抽出される成分から薬ができる。無資格医師が、妊婦をだまして、中絶させ、胎児の輸出にからむ。その病院の看護士は、かつて須藤あかねという患者を事故に見せかけて殺そうとした。あかねは植物人間になった。そのことで命拾いをした綾香は、あかねの両親の莫大な財産を引き継ぎ、ビューティーサロンを経営した。過失致死で病院を辞めた看護士の島村ふみえは、胎児の輸出で裏の利益をあげていた綾香のサロンが資金を提供する産婦人科病院に勤めた。鮫島が管轄する病院周辺で原因不明の死人が連続した。死人は、みんなその産婦人科病院と関係があった。捜査を続けるうちに、鮫島は殺しの現場に呼び出され、罠にはめられる。殺人の容疑をかけられた鮫島は、上層部から退職を強要される。不審な死人の周辺に島村ふみえがいることまでつかんだ鮫島は、警察に拘束された。鮫島の情報を頼りに、捜査一課でわずかしかいない鮫島の理解者が、島村の犯行を裏付けた。鮫島の容疑はなくなり、綾香逮捕へと山梨に走る。派手なアクションがほとんどない。しかし、内面の孤立と闘う鮫島が、全編に登場する。(2010.10.9) 大沢在昌 光文社文庫 1999年8月 667円

毒猿(新宿鮫2)
台湾ヤクザの葉はプロの殺し屋、毒猿こと劉を雇って対立組織の暗殺を命令した。対立組織の幹部は葉を誘拐し、毒猿の本名と住居を聞き取る。劉が気づいたとき、住居にいた恋人は薬を打たれて、暴行を受け、殺された。劉は組織を壊滅した。自分を裏切った依頼主の葉を追って日本に潜入した。新宿署の単独捜査官の鮫島は、台湾警察の郭刑事と葉と劉を追う。郭刑事は軍隊時代に劉と同僚だった。新宿御苑を舞台に、葉をかくまう暴力団の石和会と劉の戦争が始まる。たったひとりで石和会の兵隊を殲滅した劉は、ついに葉を追い詰めた。自分を守るために刑事を続けるという鮫島と郭。ふたりの間に友情が芽生え、やがて悲劇の結末へと物語は展開する。一作目をしのぐスピード感に驚いた。(2010.10.5) 大沢在昌 光文社文庫 1998年8月 667円

新宿鮫
新宿署で独立した捜査官の鮫島刑事は、警視庁公安課時代の暗闘で秘密を握る。防犯課に配属されたが、周囲は警視庁公安課の厄介者を押しつけられた印象から、だれも近寄らない。そんなとき警察官を殺害する事件が連続した。ロックシンガーの晶は、10才以上も年下の恋人だ。防犯課長の桃井は、さり気なく鮫島を支えた。密造銃作りのプロ、木津は恋人のカズオに密造銃を盗まれた。その密造銃が連続殺害事件で使われていることが判明した。木津はカズオを探す。鮫島は木津のアジトを抑えようとする。カズオは昔の恋人の砂上に密造銃を渡していた。砂上は、自分を馬鹿にした者たちに復讐を企てた。それは警察官であり、やくざであり、ロックシンガーだった。(2010.9.25) 大沢在昌 光文社文庫 1997年8月 590円

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