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中町 信
shin nakamachi

模倣の殺意
新進気鋭の作家、坂井が青酸カリを飲んで自殺した。部屋には内側から鍵がかかる、ドアにはチェーンもかかっていた。作家仲間の津久見は、雑誌編集者に頼まれて「殺人レポート」を書いていた。編集者から、坂井の自殺をやや脚色してレポートにしてほしいと頼まれる。作家を目指していたが、依頼された仕事をしないと収入が得られないので、津久見は仕事を引き受ける。しかし、坂井の周辺を調べるうちに、彼が自殺する動機が見当たらないことに気づく。さらに、坂井は新人賞を受賞した短編の次回作を執筆していて、とても意欲的になっていたという情報を得る。もしかしたら、坂井は自殺したのではなく、何者かに毒を盛られたのではないかと疑念を抱く。坂井担当の編集者だった中田秋子も、坂井の自殺に疑問を抱いていた。意欲的な小説が書けるようになったと喜んでいた坂井をだれよりも知っている秋子。ふたりは交際していた。あるとき、坂井が多くの現金を手元にしていたことがあった。そんな大金が手にあるわけがなかったので、その理由を知ろうとした矢先に坂井は自殺してしまった。坂井の周辺を独自に調べた秋子は、彼が死ぬ以前に北陸を訪ねていたことを突き止め、自らも足を運んで、不思議な3枚の写真を手にした。(2013.12.15) 東京創元社 2004年8月 740円

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