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ほぼ毎日更新の雑感「ウエイ」
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海堂尊
takeru kaido

ブレイズメス1990
1990年。東城大学病院の佐伯病院長は、モンテカルロハートセンターの心臓外科医・天城雪彦を招聘する。その任を頼まれた世良雅志は、若い研修医だ。手術の前にルーレットをする。ルーレットには、患者は全財産の半分を賭けなければいけない。賭けに勝つと、天城は世界でたったひとり、天城しかできない術式のダイレクト・アナストモーシスで患者の心臓手術を行う。直接吻合法は、狭窄を起こした心臓の冠状動脈をほかの動脈をそっくり取り替える術式だ。縫合に失敗するとたちまち心臓は破裂する危険な手術だ。東城大学の心臓外科グループの関係者は、だれひとりとして天城を好意的に迎え入れない。そんななか、天城は東京での学会で、ダイレクト・アナストモーシスの公開手術を行うと発表する。後に病院長になる高階が若い外科医で登場する。天城に反感を抱きながらも、その技量には素直に驚く。手術後、渡米してバチスタ手術を習得したいと名乗りをあげるのは、高階よりもさらに若い桐生恭一だ。おなじみ「チーム・バチスタの栄光」で登場する。 (2010.12.18) 海堂尊 講談社 2010年7月 1600円

マドンナ・ヴェルデ
山咲みどりは、産婦人科の医師、曽根崎理恵の母親だ。理恵は、アメリカで研究生活を続ける夫の伸一郎と離れて暮らしている。ある日、理恵は、みどりに自分と伸一郎のこどもの代理母になってくれと頼み込む。生まれつきの子宮奇形だった理恵は、妊娠によって、出産ができないことを知る。自分のからだでは出産できない。そこで母親のからだを借りることにする。「ジーン・ワルツ」のパラレル・ストーリーだ。先に「ジーン・ワルツ」を読むことをお奨めする。(2010.6.22) 海堂尊 新潮社 2010年3月 1500円

チーム・バチスタの栄光
現役の医師でありながら小説を発表。医療が抱える根本的な問題を、心臓手術を通じてよのなかに問うた。「このミステリーがすごい大賞」受賞作。(2008.11.15) 海堂尊 宝島社 2007年11月 500円(各)

ジェネラル・ルージュの凱旋
映画やドラマになった「チーム・バチスタの栄光」の作者が放つ医療ミステリー。病院への予算配分がどんどん削られていくなかで、医療関係者は必死の思いで費用を蓄積しようと試みる。たとえ、それが法律に触れることであっても……。(2008.11.15) 海堂尊 宝島社 2007年4月 1,680円

ナイチンゲールの沈黙
東城大学医学部附属病院を舞台にした医療ミステリーシリーズ。小児科病棟が舞台になる。最初、作者は「ジェネラルルージュの凱旋」とこの物語をセットで考えていたそうだ。編集者のアドバイスを受けて、別の物語として発表された。しかし、読み込むと、同じ病院内で異なる二つの物語が進行していることがわかる。両方を読むことを推奨します。(2008.11.15) 海堂尊 宝島社 2007年10月 1,680円

螺鈿迷宮
「らでんめいきゅう」。終末医療と異状死の解剖を一手に引き受けてきた地域病院をめぐるミステリー。この物語はその後の「ナイチンゲールの沈黙」や「イノセントゲリラの祝砲」などにも深くつながる重要な役割を果たしている。白鳥の部下である姫宮が孤軍奮闘する。 (2008.11.16) 海堂尊 角川書店 2006年11月 1,680円

イノセント・ゲリラの祝祭
東城大学医学部附属病院を舞台にした医療ミステリーシリーズで、コンビとなった田口医師と白鳥調査官が久しぶりに復活したシリーズ4作目。「厚生労働省をぶっつぶせ」という過激な帯の広告が印象に残る。日本の医療行政が、いかに世界から遅れているかを暴露し、これからの医療のあり方や独立へ向けての要素がちりばめられる。まだまだ新しい世界が広がっていく予感がした。 (2008.11.15) 海堂尊 宝島社 2008年11月 1,575円

医学のたまご
中学生でありながら、大学の医学部を聴講することになった主人公が経験する医学研究の光と影を描く。登場人物の設定は、事前にジーンワルツを読んでいると深くわかる。 (2008.11.16) 海堂尊 理論社 2008年1月 1,365円

極北クレイマー
ただいま読書準備中。 (2009.4.5) 海堂尊 朝日新聞出版 2009年4月 1680円

死因不明社会
日本国内の異常死のほとんどが解剖にまわされず、死因不明のまま放置されている実状を説明した。この本は小説ではなく、社会学的な意味を感じる解説書だ。 (2008.11.16) 海堂尊 講談社 2007年11月 945円

ジーン・ワルツ
人工授精の現場では、体外に取り出した卵子と精子を顕微鏡を使って人工的に受精させる。その倫理的な問題と、受精から胎児の成育と出産に到るプロセスをミステリーを交えて創作した物語。 (2008.11.16) 海堂尊/著 新潮社 2008年3月 1,575円

ひかりの剣
海堂作品に登場するおなじみの人物たちの大学時代を振り返る作品。医学関連のミステリーは登場しない。剣道に汗を流した若者たちの青春物語。 (2008.11.16) 海堂尊/著 文芸春秋 2008年8月 1,680円

ブラックペアン1988
現場医療の王道が外科だった時代。まだ専門的に外科が分化する前の大学病院で、ほんの一握りの職人的な技術をもったひとしか専門医として自立できなかった状況を打破しようとした男の物語。 (2008.11.16) 海堂尊 講談社 2007年9月 1,680円

夢見る黄金地球儀
地域おこしの名の下にばら撒き予算の走りになった自治体への「一億円」の配布。痛烈に行政のあり方を批判しながら、物語はあくまでもコミカルな作品。 (2008.11.16) 海堂尊 東京創元社 2007年10月 1,575円