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ほぼ毎日更新の雑感「ウエイ」
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原田ひ香
hika harada

三千円の使いかた

就職して理想の暮らしを始めた美帆。結婚前は証券会社勤務だった姉の真帆。習い事に熱心で向上心の強い母の智子。一千万円を貯めた祖母の琴子。御厨家の女性たちが人生の節目でピンチを乗り越えるためにお金をどのように使うかを考え、悩み、歩き続けていく物語

(2023.1.7)中公文庫70020218

一橋桐子(76)の

犯罪日記

76歳の一橋桐子は一人暮らしだ。結婚はしたことがない。夫を看取った友人のトモと幸せな二人暮らしを老齢に達してから経験した。しかしトモに病気が見つかり、彼女は死んだ。清掃会社から派遣されるわずかな仕事と年金だけが暮らしを支える収入源。トモとの楽しかった時間が無くなり、この先、生きていく意味が感じられなくなっていた。テレビで刑務所に入れば三食があり、病気になれば病院に行けることを知る。自分も刑務所で過ごしたいと思い、どうすれば入れるかを実践していく。万引き、偽札作り、誘拐、殺人。人一倍、相手のことを思う性格が災いして、どの犯行も完全にやり遂げられない。通っていた俳句の会で知り合った三笠という男性が若い女性に入れ込んだのを知り軽く嫉妬をする。しかし三笠に近づいた女性は詐欺の常習者で三笠は400万を失って呆けてしまう。ビルの清掃で知り合った久遠という若い男性社員、偽札作りで見とがめられたコンビニの雪菜という女子高生、トモを失ってから出会った人たちが少しずつ自分を気にして支えようとしてくれたことに桐子は気づく

(2022.10.5)徳間文庫74020228