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原田ひ香 |
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三千円の使いかた |
(2023.1.7)中公文庫700円2021年8月 |
一橋桐子(76)の 犯罪日記 |
76歳の一橋桐子は一人暮らしだ。結婚はしたことがない。夫を看取った友人のトモと幸せな二人暮らしを老齢に達してから経験した。しかしトモに病気が見つかり、彼女は死んだ。清掃会社から派遣されるわずかな仕事と年金だけが暮らしを支える収入源。トモとの楽しかった時間が無くなり、この先、生きていく意味が感じられなくなっていた。テレビで刑務所に入れば三食があり、病気になれば病院に行けることを知る。自分も刑務所で過ごしたいと思い、どうすれば入れるかを実践していく。万引き、偽札作り、誘拐、殺人。人一倍、相手のことを思う性格が災いして、どの犯行も完全にやり遂げられない。通っていた俳句の会で知り合った三笠という男性が若い女性に入れ込んだのを知り軽く嫉妬をする。しかし三笠に近づいた女性は詐欺の常習者で三笠は400万を失って呆けてしまう。ビルの清掃で知り合った久遠という若い男性社員、偽札作りで見とがめられたコンビニの雪菜という女子高生、トモを失ってから出会った人たちが少しずつ自分を気にして支えようとしてくれたことに桐子は気づく (2022.10.5)徳間文庫740円2022年8月 |