top .. today .. index
過去のウエイ

8039.1/1/2020

毎年恒例の初詣は、鎌倉の鶴岡八幡宮。
自宅を6時に出ると7時前には到着する。
例年、深夜からの参拝客が絶え、昼間の混雑との間の時間帯はひとが少なく初詣には最適だった。
しかし、ことしは例年よりも参拝客が多かった。

不景気な時代に神頼みのひとが増えたのか。
令和最初の初詣ということで、ふだん信仰心などないひとたちも足を向けたのか。
ネット情報などでひとが少ない時間帯を狙った動きが活性化したのか。

去年の破魔矢と札を返した。
ことしの破魔矢とお守りを買った。
食堂、息子、娘、妹には仕事運向上のお守りを。
息子の妻には身体健康のお守りを。
妻には破魔矢を。

横暴で横柄な権力者たちが、世界を牛耳ろうとする意志を、自立した市民たちが説得し、世界をおだやかな社会へ導けますように。

2020年1月1日

8038.11/28/2019

9時、完成したスープと炊き上がったご飯の試食をしながら朝食。
メールで予約がないかどうかのチェックをする。
朝食を終えたら大きな円柱の中華まな板を出して野菜の切裁から始める。

炒飯、エビチリ、豆板醤に使う長葱のみじん切りをたくさん用意する。
出来上がった料理に盛りつける長葱の千切り、生姜の千切り。
サラダ用にレタスやサニーレタスを洗って水切り。
餃子を蒸すときに敷く白菜の外葉を準備。
蒸し料理の注文があった時にいっしょに蒸す野菜を決めてカットする。だいたい大根か茄子を使う。

10時、定食に使う小鉢を考える。あらかじめ準備できるものは調理しておく。完成形を一食分作って写真を撮影し忘れないようにする。

平日の昼間はあまり来客がないので、餃子の仕込みや冷凍している食材の解凍計画を考える。
木耳やクラゲのように水に戻す必要がある食材を水に張る。

10時半、BGMをFMヨコハマからジャズチャンネルに変更し、客席のライトをつける。

こうして開店の11時を迎える。

8037.11/7/2019

開店から3ヶ月目に入った現在の一日の流れ。
将来的にはもっと時間の使い方がうまくなっていればと願う。

5時起床。
パソコンのスイッチを入れて、前日の売り上げや支払いを日別金銭出納帳に記載する。その裏に売上伝票と領収書を貼る。
金銭出納帳に前日の現金の扱いを入力する。
売上実績表に、前日の売り上げ・客単価・予算比を入力する。フードとドリンクの出数を入力する。とくに生ビールの樽が開栓からどれだけ出ていて、何日目になっているかをチェックする。生ビールは生きているので開栓するとどんどん酸化が進んでまずくなる。
予約表をチェックして、在庫との関係を検討する。
業務日誌にその日の天気、温度、湿度、気圧を記入する。業務日誌でその日の流れを確認する。

6時、ヤクルトとヨーグルトを口に入れる。新聞で世の中のことを読む。

6時半、出勤。
掃除機でホールとキッチンを掃除。布巾でカウンターをふく。メニュー、タオル、箸置き、箸をセットする。オーニングを出して蚊取り線香をつける。

7時、店前を掃除し、ブラックボードを出す。トイレを掃除してゴミ箱を空にする。
コック服に着替えて、手洗い。3つのシンクをセットしていく。
湯を沸かしてポットに移し、中国茶を抽出する。
寸胴で5リットルのスープを作る。
米を洗って研ぎ、浸水開始。
下味をつけてある肉、海老の在庫を確認し、足りなさそうなものがあれば冷凍庫から小分けしてある肉やエビを冷蔵庫に移し、ゆっくり解凍する。

8時、油受けに古新聞をセットし、鍋をコンロにかける。油通し用の鍋に、その日の分量のキャノーラ油などを流す。
サラダやお皿の下に敷く野菜を切裁する。
料理ごとの合わせ調味料の不足分を確認し、少ないものは補充する。
米の水を切って、炊飯開始。

FMヨコハマの番組が8時から9時で切り替わる。
この切り替わりを目標に、だいたいいつもここまで終えられるように動く。

8036.10/30/2019

10月の営業日が終わった。
バタバタの9月だったが、2ヶ月目の10月は先が読めるようになってきた。
そして何よりもあっという間に2ヶ月が過ぎたと思えるということは、日々充実していたという証拠かもしれない。

何しろ出勤時間30秒、通勤距離20歩。
これまでの社会人生活で最短の職場だ。

あれをしよう
これをしよう
あれを置いてみよう
これはしまおう

あれこれ考えたことをすぐに実行できる環境にある。

10月の電話勧誘。
もっとも多かったのが新電力と呼ばれる会社からの加入勧誘だった。
「東京電力管内のお客様にお電話しています」
冒頭、ほぼ必ずこのセリフから始まるので、最初は東電からの電話かと思っていた。
しかしよく聞くと
「このたび、東京電力様の〇〇従量料金よりもお得な割引を始めることになりました、〇〇という会社のものです」という。
この最後の○○という会社を、もごもご言うものだから、てっきり東電の部署かと勘違いしそうになった。
また「お得○○」とか「○○サービス」など、およそ会社名と思えない名前のものもあり、これも東電の商品名なのかと間違えそうだった。

最近では「東京電力管内の」と聞いただけで
「電気料金の割引は考えていません」
すぐに応答して電話を切るようにした。
庖丁を持っている時、鍋をふっている時、おかまいなしにかかってくる。

電話と言えば、10月に変更した大きなことに留守番電話を解除したことがある。
予約申し込みや業者さんからの連絡に留守電は必要だった。
しかし、何を言っているのかわからないメッセージが多く、しかも連絡先電話番号を吹き込んでいないのでこちらから連絡のとりようがないものもあった。
実際、ご本人は予約したつもりになっているが、人数もはっきりした時間ももごもごメッセージで聞き取れず、その日に数人でいきなり来店というケースもあった。他にお客さんが少なくて入店できたが、入れなかった可能性もあった。
だから留守電はなしにした。直接のやりとりがもっとも確実だからだ。
また業者さんとはすでに多くの場合、メールでのやりとりなので電話を使うことはあまりない。

マイタケがおいしくなる11月。
里芋も出回り始めた。
中華風にアレンジして、どんな料理にしようか考えてみよう。

8035.10/17/2019

食堂の定休日は水曜日と木曜日。
開店当初はこの二日間に食材の仕入れと料理の仕込みを一気にやっていた。
だから、定休日はお客さんの来ない営業日と同じだった。

餃子の皮を作り、あんを作り、80個包んで冷凍する。
豚肉を料理別のサイズにカットして下味をつけ冷蔵する。
海老の皮をむき、わたを取り、片栗粉と塩で洗い、下味をつけ冷蔵する。
それぞれの野菜を料理別にカットしてパック保管する。
カウンターのレイアウトを調整する。

鎌倉の海へ新鮮な魚介を仕入れに行く。
地元の八百屋へ野菜を仕入れに行く。
袋やペーパーなどの消耗品をスーパーへ買いに行く。

こういうことを定休日にしていたので、結果的に朝から晩まで働く。

これでは体がもたないと考え、通常の営業時間内に少しずつこれらを組み込んだ。
金曜日から始まって火曜日に終わるサイクルなので、最初の3営業日は来客が多い。
反対に月曜と火曜は来客が少ない。
この月曜と火曜を使って、多くの仕込みを時間差をつけて行うようにした。

また火曜はランチタイムとディナータイムの間の休憩時間を使ってグリストラップ清掃をすることにした。
シンク段階で、食べ残し・切裁くずは網で除去、皿に残った油はペーパーで拭き、お客さんが出しすぎた醤油や酢は流さないで容器に確保。これをしたら、浄化槽自体があまり汚れなくなった。強力な油取り紙を入れたので、時間と手間のかかるグリストラップ清掃を休憩時間を使ってできるようになった。一日の片付けの最後に、これをしていた時は臭いと汚れと対峙しながら、くたくたになっていた。

意外だったのが営業時間外にドアをドンドンと叩く年配の方が多かったことだ。
「ちらしをください」
「いつからやってるの?」
「昼から飲めるかな?」
「ちょっと早いけどいいでしょ」

業者の方には納品やマット交換の時間を指定している。
だから営業前の場合もあるし、休憩時間中の場合もある。
しかし、お客さんには営業時間内に足を運んでもらう前提で準備をしているので、こちらのペースが狂ってしまうことがあった。

食堂にはシャッターがないから、いつでも明かりがついて店主が見えれば声をかけやすいと思われている。
それはそれでありがたいこと。
わざわざアプローチしてくれた方の気持ちを大切にしながら、こちらのペースに巻き込めるような時間の使い方を工夫しよう。

8034.10/12/2019

飲食業を水ものと呼ぶ。
それを痛感する秋だ。

前回の台風15号では夜間の営業を休んだ。
今回の台風19号では土曜というもっとも利益のあがる曜日を終日臨時休業にした。

お客さんが来なければ日銭がない。
日銭がなくても経費はかかる。
仕入れもするし、保存もする。光熱費も継続的にかかる。

私のように家賃や人件費がかからない店でさえ痛手なのに、商業地にある家賃や人件費がかかるお店はとても大きな痛手だろう。
万が一損害を被った場合の保険があるので補償はされるだろうが、何もなかった時の売り上げには比べようもない。

開店前の予想を嬉しい意味で覆す数字。
それは客単価だ。

700円から800円の定食が中心なので、客単価もその前後だと予想していた。
しかし、1ヶ月半ぐらい経過して平均するとだいたい2000円弱だった。
客単価とは、お客さんが一回に払う金額のこと。
注文伝票を分析すると、アルコールを注文しないお客さんでも複数の料理を頼んでいることがわかった。

〇〇定食とポテトサラダとか、単品の餃子とエビチリなど。
白いご飯はランチのみなので、ディナータイムはない。炊飯器やそれに伴う調理器具を洗い、拭き、片付け、残りご飯を170gから180gに小分けして保存する一連の作業には時間がかかる。これを一日の営業終了まで引っ張ると店全体の片付けに影響する。
そこでディナータイムは炒飯のように火を通すご飯のみにした。炒飯が600円で海老炒飯が800円。半分ずつぐらい注文が分かれたのも予想以上の出方だった。

飲食店の利益はアルコールで稼ぐと言われる。
アルコールは仕入れて注いで出せばいいので、手間も器具もいらない。なのに仕入れの3倍ぐらいの売価をつけられる。ただし生ビールは利益率が低い。
しかし、アルコールを飲まないお客さんもディナータイムには少なくない。
こういうお客さんが複数の料理を頼む。
ポテトサラダ、肉野菜炒め、海老炒飯大盛、麻婆豆腐をお一人で食べる方もいた。

反対に300円の緑茶割りやレモンサワーをちびちび3杯飲んでも1000円しないので、おつまみ(2品で300円)と合わせても1200円。食事のお客さんよりリーズナブルになった。
深く関わりのあった方々が応援の意味を込めて開店からしばらく予約を入れてくださった。
10月の中旬を迎え、一般の方々からの予約が増え始めた。
これからが、日常運転になる。

8033.10/9/2019

食堂のオープンから一ヶ月以上が過ぎた。
まさに怒涛の日々だった。

右手も左手も火傷や切り傷が絶えず、腰や背中はバリバリに張った。

多くの方々からお祝いのお花や品物をいただいた。
多くの方々が遠方からお越しいただき、つたない料理を召し上がってくださった。

仕入れ、仕込み、調理、盛りつけ、提供、片付け、洗い、乾燥、収納。
一つの注文にこれだけの過程があることを骨の髄まで感じながらの毎日だった。

朝になると天気予報を確認する。
来客の傾向に天候は大きく左右されることを知った。
曜日や時間帯によっても、それは影響されることを知った。

たとえば仕入れた2キロの豚肉を、何グラム単位に分け、それぞれをどの料理別にカッティングしておくかを決める。
焼きそば用、青椒肉絲用、肉野菜炒め用。それぞれに微妙にカッティングを変えていた。しかし、同じように注文があるわけではないので、特定のものがどんどん出て、特定のものがどんどん残る。残りすぎたものは廃棄した。
そこで、焼きそばと肉野菜炒めのカッティングはそろえた。どちらの注文が来ても同じ容器から使えるようになった。
こういうロスを出さない工夫ができるようになるまで、一ヶ月が必要だった。

最初の日替わり定食は2品から始めた。

10月も半ばに近づいた現在、最大9品まで日替わりメニューは増えた。
どれも食材をタッパーに用意しておき、注文を受けたらすぐに油通しできるようにしてある。残り少ないものは「残り1食」とホワイトボードに記入する。それが出たら「売り切れ御免」コーナーに追加する。
売り切れしそうなメニューの食材をいつも補充したら、結局廃棄する「使われない食材」が多くなった。だから、食材が無くなってから、そのメニューの次の食材を仕入れることにした。

皮から手作りの蒸し餃子は日替わりではなく定番メニュー。
定番メニューは、いつも出せるメニューだ。
炒飯や焼きそばもレギュラーにした。
蒸し餃子は9月の出数でトップだった。
皮から作るので、今は一回の仕込みで80個作るのが限界だ。
一人分5個出すので、注文が16回入ったら無くなる。
餃子生地の保存方法を、蕎麦屋のご主人に教わってから作り置きできるようになり、余裕をもった仕込みが可能になった。

大船の中心地から遠く、分かりにくい住宅街の中にある食堂にも拘わらず、お越しいただいたお客様に「また来たい」「また食べたい」と思っていただくことが、毎日の願いだ。

8032.8/31/2019

あと…1日

まだまだ先と思っていた食堂の開店日。
ついに明日に迫りました。

今さらじたばたしても何も始まらないので、開店前日の今日はのんびりと明日の準備をします。

去年、3月、33年間の教員生活に別れを告げました。
子どもたち、保護者の方々、同僚らに支えられた日々でした。

4月からは新宿にある服部栄養専門学校で調理師を目指す日々が始まりました。

未成年の若者に混ざっての学生生活は、肉体的にはしんどくても、精神的にはとても充実した時間でした。

そして今年。
お世話になった方のつながりで、鎌倉の大工さんを紹介していただき、お店作りが始まりました。

当初、予定したメイン料理を削りに削って、9品にしました。
8月になって試食会を実施し、さらに削って、1日2品にしました。

鎌倉といっても、中心地からは程遠く、決して商業地でもありません。
通りすがりの観光客が来店する店でもありません。
地域の方々が、私の友人や知人が、気持ちよく過ごせる時間と空間を提供したいと願っています。

明日から始まる料理人としての生活は、私が65歳を迎える年の8月31日までを期限として続けます。
2028年までの9年間、どうかよろしくお願いいたします。

===2019年8月31日===



特注していたイスが届きました。マイカラーの緑がまぶしいです。 2019年8月29日。

8031.8/29/2019

あと…3日

[開店準備]

試食会が終わり、いくつかの仕入れ食品が残ってしまった。
作り置きした料理も、わずかだが残った。
冷凍で対応できるものを除いて、すべて近所の酒屋に運んで立ち飲み仲間のおつまみにした。

「お、今日は豪勢じゃん。なんだかラッキー」
そりゃそうだ。
売り物にしようと思っているものだもの。

1日からの仕入れを再検討した。
頼みすぎていた肉類は、小分けして少量の注文に変更した。
注文票をよく見たら「スライス対応」とか「カット対応」というのがあり、ブロックを仕入れる必要がないことがわかった。

魚介については、ステンレスのシンクに細かいうろこがこびりつき、それをはがすのに時間がかかることがわかった。
明日の仕入れでは海岸でうろこ引きを済ませてみよう。

ドリンクはあらかじめオープンしても使えるように多く頼んでおいた。
それでも10リットルの生ビール樽は2つ目が残り少しになった。
老酒やサワー系はずいぶん頼まれたが、日本酒はまったく出なかった。

秋はおいしい食べ物が多い。
デザートや野菜炒めのなかに、季節の旬を取り入れてみたい。

何年も通っている大船の中華食堂「来来」のご夫婦には、これまでも多くのアドバイスをいただいた。
28日は
「いよいよ始まります。開店したらへとへとになって、お店に来られなくなるかもしれません」
と挨拶をして、にんにくラーメンを注文した。
ご主人に尋ねる。
「お客さんが帰ってから片づけが終わるまでどれぐらいかかりますか?」
「だいたい1時間ぐらいかなぁ」
「えー、そんなに早いんですか!俺なんか試食会の最初の日は3時間もかかったんです」
その後、片付けについてのアドバイスをいくつかいただいた。
その中に、グリスフィルターとグリストラップの清掃を業者に委託しているというのがあった。
「そんなことできるんですか」
「任せられるところは任せていかないと、体がもたないよ」

帰宅して、ネットで調べた。
早速、無料お試しサービスというのを申し込んだ。

試食会を通じて、指先を三か所怪我した。どれも庖丁ではない。片付けの時に、調理器具を拭いたり、運んだりしているときの切り傷だ。指先の切り傷は、手袋をするので蒸れてしまうなかなか治らない。調理作業にも不具合があった。

明日は海岸と八百屋さんに行っての直買いと、業者の納品を待つ。
そんな合間に近くの農園で畑の師匠と大根用の耕運をする。

===2019年8月29日===



蒸し餃子。皮も手作り。スチームコンベクションが威力を発揮して蒸しあげてくれた。 2019年8月23日。

8030.8/28/2019
あと…4日

[開店準備]

27日は午前7時から保険会社の方と打ち合わせをした。
たまたま近所に住んでいて
たまたま中学校野球部の後輩の方だったので
そんな時間でもシミュレーションを作成してきてくれた。

飲食業はお客さんの服を汚したり、食中毒を出したりすると、損害を被る。
また厨房機器が破損したり、風水害で使用不能になったりすると、死活問題だ。
それらを補償する保険があるのだ。
というのも、最近知ったこと。
これも大船で長年飲食業を営んでいる中学校野球部後輩の方のアドバイス。

いつもひとに助けられている。

最後の試食会がお昼からだったので、保険の打ち合わせを終えて仕込みをしていた。
電話が鳴った。
魚の仕入れをお願いしている信栄丸さんからだった。
「いい小鯵とカンパチが入ったからよぉ、これから持っていく」
おー、仕込みを急ピッチで仕上げて、魚介を受け入れる支度をする。

小鯵2キロ(およそ100尾)とカンパチ2キロ(3尾)を仕入れた。
どちらも海水入りの氷漬けにしてくれたので、活きがいい。
小鯵は時間的に卸せないので冷蔵庫へ。
カンパチは大急ぎで3尾とも三枚にした。中華庖丁を使った三枚卸しも慣れてきた。
1尾はサクにして、試食会で出すお刺身用。
1尾は皮を残して、蒸し魚用。
1尾はキッチンペーパーでくるんで冷蔵。

小鯵は1キロを試食会のお客さんにプレゼント。
残り1キロを三枚にして、酢で締めた。夕飯でつまんだが、日本酒にあって、とてもおいしかった。

最後の試食会に招いたのは、叔父と従弟だった。
叔父は父の10歳年下の弟だ。
生きていれば父は今年傘寿だったので、叔父は古希だ。
高校卒業後、人形店に勤め、45歳で退職。私のように飲食店を始めた。
大崎ニューシティー内に店舗を借りて、ビジネスマンを中心に昼から深夜まで洋食を中心にした「湘南倶楽部」というレストランを経営。
厨房では高校を卒業して、辻調理師専門学校を出た従弟が料理を担当した。
私は彼に相談して、紹介してくれたのが、服部栄養専門学校だった。

湘南倶楽部は6年前に、下北沢に店舗を移した。
そこは叔父の自宅で、敷地内にお店を建設した。
今年は大崎のお店から数えて25周年を迎えるそうだ。
だから、最後の試食会は親戚というよりも、プロの先輩という立場で評価を頂きたかった。

「昨日なんかねぇ、2組、3人しか来なかった」
「8月はぱっとしないねぇ」
「あの機械(スチコン)はなんていうの?
「一人でやるのは大変だから、のんびりやったらいいよ」
「叔母さんも来たがってたから、食いきれないのを包んでよ」
「キッチン、見せて!わぁ、中華って感じ」

「うちは7リットルを回してるけど、ここは10リットルかぁ。どんどん出さないと」
湘南倶楽部の生ビールはキリン。樽の最小単位が7リットルとのこと。食堂はサッポロを使う。最小単位は10リットル。

「最近、ビールを飲む客は少ないよ。ほとんどワインだね」
「ちょっとエビがしょっぱいかな」
「このだいやめって焼酎、うまいね。こりゃ飲みすぎちゃう」

評価者というよりも、お客さんになり切ってはしゃいでいた。

5回の試食会。
それぞれで、これまでのやり方や考えを大きく修正すべき点が見えた。
また、工夫次第で大きく改善できる部分もチャレンジできた。
小さなタッパーや中くらいの保存袋など、細かい不足品もチェックできた。

29日にはイスが届く。

===2019年8月28日===



鎌倉の海を泳いでいたカンパチ。信栄丸から仕入れて、その日のうちにさばいた。 2019年8月27日。