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8009.8/3/2019

あと…29日

[本体工事]

2日は板金屋さんが3人で来られた。
駐車場を作業場にしてステンレスロールから壁のサイズに合わせて切り出しを行い、厨房の壁に固定していった。
壁には水道やガスの穴が開いているので、その部分は位置を確認して切り取っていた。

我が家の駐車場は午後は日差しが強い。
「暑い中、申し訳ありません」
「いえいえ、作業は室内なのでまだ楽な方です。屋根に上がっての作業になると逃げ場はないので、そっちの方が大変です」
職人さんたちはタフだ。

[仕入の動き]

毎日の仕入れのうち、自分で出向いて購入するものがある。
魚介類と豆腐、牛乳と野菜。

2日はその動きを実際にやってみた。
5時半ごろに俣野農園で作業をしたのち、海岸線に出て鎌倉の坂の下に向かう。
午後6時半ごろ、漁を終えた船が浜に戻ってきていた。
信栄丸という漁師さんと契約しているので、これぐらいの時間にとれたての魚介を仕入れる。

坂の下をスルーして逗子の小坪漁港へ向かう。漁は天候に左右されるので、毎日安定して仕入れがあるとは限らない。不足する食材の仕入れも含めて小坪漁港の魚屋で仕入れようと思っていた。
しかし、漁港に着いた午前7時過ぎはまだ開店していなかった。お店の前に午前9時からという表示があった。漁を終えた漁師さんたちが市場を通さない魚介を直接魚屋に持ってくる時間だった。
午前9時に小坪にいたら開店の準備が間に合わない。
ここでの仕入れは考え直そう。

扇ガ谷の豆腐屋へ行く。
午前6時から開店しているので麻婆豆腐や蒸し魚用の豆腐を仕入れられる。
しかしのれんが出ていなかった。
店の壁に「水曜と土曜のみ営業します」とのこと。
これでは安定した仕入れはできない。
これも仕入れを考え直そう。

鶴岡八幡宮を横に見ながら鎌倉街道を大船へ戻る。
地元の八百屋には7時半ごろに着いた。ここは大きな取引をしているので早朝からにぎやかだ。小さな飲食店は自分で頼んだ野菜を取りに来ている。
実際は、この時間で十分だろう。

仕入先はなるべく地元の業者を使いたい。
しかし、気づいてみたら地元の業者はどんどん大きな資本のお店の進出に勝てず、撤退している現実に直面した。

===2019年8月3日===



逗子の小坪漁港でエビを購入したかったがやっていなかったので、地元のスーパーでインド産の冷凍むき海老を購入。エビチリにした。 2019年8月2日。

8008.8/2/2019

あと…30日

[本体工事]

1日は大工さんとペンキ屋さんが来られた。

大工さんは入り口ドア周辺の細かい造作を担当していた。
また道路からお店の入口へは段差があるので、そこをコンクリートでスロープにする。
そのための木枠を設置していた。

[営業許可申請]

設計をお願いしている建築士の方が来られた。
設計図面を保健所の食品衛生監視員の方に見せながら、いよいよゴーサインが出たので申請をするという。
壁にかけてあった調理師免許状を渡した。申請には免許状の原本が必要だった。
合わせて申請手数料。16040円もした。

[トイレの決定]

水道工事の方が来られた。
便器をどうするか、最終決定した。
多くのトイレ工事を担当している方の意見は参考になった。

今はほとんどの飲食店が温水器付きは使っていないという。
実際にお客さんが使用しないので、もったいないからだ。
また清掃も何もついていない方がやりやすいとのこと。

温水器のない後ろにタンクを背負ったものにした。タンクの上部に水が出るタイプのものと何もないものがあった。
「個人的には何もない方がすっきりしていて好きですが、お客さんによっては洗っていない手でドアノブに触ることに抵抗のあると思います」
物理的な問題で手洗い場はトイレの個室内にはない。
「そんな時、ちょっとでも手をいったん洗えるのは助かると思います」
「はいはい、そうします」

便座が温かくできるものにして、そのほかはシンプルなトイレになった。
カラーは真っ白ではなくパステル系の白にした。その方が汚れが目立たないそうだ。

[最初の仕入れ]

食材によって仕入れ先が異なる。
とくに中国茶は特定のお店でしか扱っていないので限られる。
横浜の中華街へ教員時代、長く通っていたので「悟空」という専門店でよく中国茶を買った。
今回、仕入れ先を選ぶときに真っ先に「悟空」にお願いした。
その悟空から、とっても早く注文した商品が代引きで到着した。

プーアル茶。
黒烏龍茶。
凍頂烏龍茶。
ライチ紅茶。

オペレーションしやすいようにどれもティーパックにした。
中国茶は何度もお茶がとれるので、1つのティーパックから何杯かお茶が飲める。
注文の時に納入希望日という欄があったから、8月中旬に設定したのだが、あっという間に届いた。

===2019年8月2日===



魚介類の仕入れ先として考えていた逗子市小坪漁港の魚屋「谷亀水産」に早朝に行った。実際の仕入れ時間を想定して午前7時半ぐらいに到着した。しかし、お店は午前9時からだった。これでは開店に間に合わない。人に頼むか、仕入れ先を変更するか考えよう。 2019年8月2日。

8007.8/1/2019

あと…31日

[本体工事]

8月になった。
昨年の4月に服部栄養専門学校に通い始めた頃は「来年の9月」はずっと先の話だった。今年の4月に調理師免許を手にしたときも「今年の9月」はまだ遠い話だった。

しかし寒くて雨ばかりの梅雨が終わったら、一気に開店の9月が目の前に現れた。

7月末日は大工さんの細かい造作に並行して、壁紙や床材を張る業者さんが来られた。31日はおもに厨房の床を仕上げていた。
衛生面からコンクリート打設が望ましいと教わった。
最終的に水を撒いて掃除ができるからだ。
しかし、永遠に食堂をするわけではない。子どもたちに継がせるつもりもない。
閉店した後に床面積の半分がコンクリートの部屋はつぶしが効かない。

そう判断して耐水、耐熱のフローリングにした。ダスキンさんと相談して有効なモップを使おう。

電気屋さんが来られて、照明器具の打ち合わせをした。
厨房のフード内には円筒形の白色灯。LEDなので長持ちする。
厨房内の天井には直付け傘なしの直管蛍光灯。これもLED。埃がたまって食材に落ちない配慮をした。

カウンター上部には天井埋め込み式の電球色円形LED。お客さんの手元と料理をやわらかく照らし出すように照度を厨房よりも下げた。
ホールの天井には埋め込み式の温白色円形LED。カウンター上部よりも、ややふんわりした光を発する。

入り口ドアの柱には立方体の傘にLED電球がセットされたユニット。電球色でやや暗い住宅地の小道を照らし出す。
反対側の仕入れ口ドアには小さな電球色の円形LED。お店が終了し片づけを終えた後に私が自宅に戻るときに役立つ。

棟梁が来られて最終工程を確認した。
この調子で工事が進むと、8日は電気屋さんが電気接続を完了。新しい動力盤も使用可能になる。
9日に水道屋さんとガス屋さんがそれぞれに接続を完了。お店で水道とガスが使える状態になる。同時にホシザキさんが来られて厨房機器を搬入し、設置。
10日からお盆休みに入る業者さんが多いので、何とかそれまでにほぼ完成状態にするとのことだった。

棟梁と来られた大町(鎌倉の地名)の看板屋さんとお店のロゴと頼む看板の打ち合わせ。
外壁、テントの前垂れ、車につけるマグネット式の看板のサイズとロゴを相談した。
春先に三島の大兄から頂いていた「佐々木食堂」の書を吟味して、候補作品を渡した。

[仕入れ先の訪問]

食材の中心を占める野菜類の仕入れ。
自分の農園で作る野菜には限界があるので、年間を通じて必要な野菜を扱う仕入れ先が必要だ。
近所で昔から八百屋を営むお店があり、そこを訪ねた。同級生が今は社長になって迎えてくれた。
知り合いだったので話はとんとん拍子で進んだ。ただ今は手広く配達をしているので、小さな店の場合は取りに来てもらっているというので、受取に行くことにした。

定食や炒飯で扱うお米の仕入れ。
大船の米屋さんで配達を行っているお店に顔を出した。
とても評判のいいお店で、社長さんの対応もやさしかった。
中華料理で使う米に適したサンプルをいくつか持参してくれるとのことだった。

[専用口座の設置]

早い段階からお店専用の銀行口座を設置しなくちゃと思いながらずるずる。
税理士さんにはっぱをかけられて、やっと動けた。

メインバンクから生活口座へ必要な資金をこれまでは動かしてきた。
メインバンクをそのままお店の専用口座にしようとも思ったが、お店に関わるお金の動きがわかりづらいので、あまり使っていなかった信金の口座を使うことにした。

メインバンクで信金の口座へかなり大きなお金を送金した。
手続きを終えるまでシートで待つ。悪いことをしているわけではないのに、なんだか居心地が悪い。
こちらとしては「どんな使い道ですか?」とか「運転免許証はありますか?」とか聞かれrと思ったが、「お待たせしました」で以上完了。
あっけなく終わる。

夕刻後に、信金が驚いて「大きなお金が入金していますが心当たりはありますか?」と確認の電話が来た。
こういう対応の方が、すとんときた。

===2019年8月1日===



俣野農園の韓国カボチャ。なかなか売っているお店がないから「作ってしまえ」で始めた栽培。人工授粉という想定外の農作業を乗り越えて、収穫期を迎えている。 2019年7月29日。

8006.7/31/2019

あと…32日

[本体工事]

30日は大工さんの仕事大詰めになっていた。

建具屋さんが来て、二階へ続く階段とホールとの境界とトイレのドアの寸法を測っていった。
二階はかつて父の寝室兼書斎だった。今も机とベッドは残してある。伊豆から妹が来た時の宿として使える。
プライベート空間とお客さんが過ごすホールは食品衛生法で明確に区別しなければならない。そこで扉をつけることになった。

水道屋さんとホシザキの方と棟梁が来て、カランの位置、個数、首の長さを確認した。
大きな寸胴鍋はスープをとるのに水を多く使う。重くて蛇口まで運ぶことはできない。蛇口の首を伸ばして鍋に水が入るような長さの調節が必要になる。
コックはひねる形式ではなく、長い柄のものにした。左手に中華鍋、右手にお玉をもっていることが多いので長い柄にしてお玉を使って水の出し入れができるようにした。

水と湯を間違えないようにそれぞれの場所を離した。とくに2つあるシンクは、水用と湯用に分離した。
業務用の給湯器にしたので、いきなり75℃の湯が出る。水と間違えると火傷をしかねない。

有線放送のUSENの方が来て、天井に埋め込むスピーカーの位置を確認した。チューナーとの距離やどこにスピーカー配線をすればいいかを相談した。なるべくお客さんの目に入らないように、どこの壁の裏を通せばいいかを決めた。

[仕入れ先の決定]

30日は一日でたった600歩しか歩かなかった。
その大きな原因がパソコンの前にいて、仕入れ先についての事務作業を続けたことだ。
すべての商品詳細から必要な材料を洗い出した。
仕入れが必要な項目は80品目を越えていた。
自分で調達する物を除いて、業者に発注が必要なものが70品目近くあった。

一日に出る食数を予測して、それに使われる食材の量を算出した。
何日分を一度に仕入れるかを検討して、一回の仕入れに必要な量を検討した。

肉類、魚類、野菜類など、業者によって仕入れ先は分かれる。
それぞれの仕入れ先がそれらの商品を扱っているかどうかがわからないので、まずは見積もりの要求書を作成した。
ファクシミリやメールでそれらを業者ごとに送った。

すべてが終わったのが午後11時だった。

===2019年7月31日===



お店のデザートで出す予定のパウンドケーキ。専門学校時代の友人の手作り。お菓子の道で生きていく第一歩を食堂でサポートできる。とても嬉しい。 2019年7月30日。

8005.7/30/2019

あと…33日

[本体工事]

29日、大工さんは細かい造作を終日やっていた。
厨房内の仕切りやカウンター作りが中心だった。

ダクト屋さんが4人も来て終日大きな工事をした。

仕入れ口上部に吸気用の換気扇が設置された。
ドアの巾よりも広く、外気を一度に多く吸い込むことができる。
内部で発生する熱や臭気を2つのダクトが排出するので、下がる気圧を補う役目がある。
無知な私はこうやって気圧のバランスを保っていることを知らなかった。

反対に排出するダクトに大きなモーターのついた換気扇がかまされ、外壁を建物の2階まで登る円筒形のダクトが設置された。
現場で厳密なサイズにするため、金属をカットする高音が響いていた。

[電気容量]

過日、電気容量の変更を申し込んだj:comから電話があった。
従量Cへ変更するにあたって、電気容量はどのプランにするのかということだった。
ふつうそういう質問は申し込んだときにするものかなとも思った。
「70アンペアにしますか?」
「いえ、それ以上の大きさになります」
「1kvaあたりになります」
「はい。8kvaにしてください」
それがどれだけの容量なのかは私にはわからないが、電気屋さんが申し込むなら8kvaと言っていたのでその通り伝えた。

[生ビールディスペンサー工事]

サッポロビールの方からお盆休みがあるので、ディスペンサー工事をお盆休み前にしたいと連絡があった。
工事を担当する業者さんの都合なのだろう。

そこで工務店の棟梁に工事の進捗予想を聞いた。
「お盆休み前に厨房が完成しているかどうかわからないので、お盆休み明けにしてもらうように連絡をしてください」
業者さんの間に入って連絡を取り合うことが施主には多い。

サッポロビールの方に連絡をした。
「わかりました。では近日中に設置業者から連絡が行くので、いつの設置がいいか伝えてください」

お盆休み明けから試食会を予定している。
あくまでも試食会だからディスペンサーがなければ生ビールを提供しなければいいのだが、お客さんにとってはがっかりだろう。夕方から試食会なので、その前に設置してもらえると助かる。
焦らず、その時を待とう。

[ちらし]

頼んでおいたお店のちらしが500枚届いた。
予想以上の仕上がりで、ネット注文のクオリティを感じた。

早速、近所の酒屋と銭湯に50枚ずつ置かせていただいた。

近日中に、近所を中心にポストインをしよう。

===2019年7月30日===



臭気と熱を店外へ排出するダクトが完成した。 2019年7月29日。

8004.7/29/2019

あと…34日

[ドリンクの仕入れ]

仕入れ先としてお願いしていた花澤商店から見積もりが届いた。

発注できなかったもの。
中華街の源豊行が扱っている10年古酒「古越老酒」。
これは直接、源豊行の通信販売を頼むことにする。

中国茶。
プーアル茶、黒烏龍茶、凍頂烏龍茶。
これらは茶葉を仕入れてお店で淹れようと思っているので、中華街の専門店「悟空」から購入する。

お近くに住む若い主婦たちがガラス越しに見えるカウンターに気づき
「ここでコーヒーが飲めるのかしら」
と話しながら通り過ぎたと妻が教えてくれた。
コーヒーはメニューに入れていない。やや気持ちがぶれる。

サッポロ黒ラベル中瓶500MLを20本。一本につき5円の保証金を加算する。空き瓶を返却することによって返金される。
サッポロ黒ラベル生樽10Lを2樽。1樽につき1000円の保証金を加算する。空き樽を返却することによって返金される。
生樽用ガスボンベを1本。1本につき5000円の保証金を加算する。空きボンベを返却することによって返金される。

鹿児島は濱田酒造の芋焼酎「だいやめ」25度900MLを12本。これはお客さんがキープできる。
鹿児島は濱田酒造の芋焼酎「だいやめ」25度1800MLを2本。これはグラスで飲むお客さんのため。

秋田酒造の高清水酒乃国純米酒1800MLを2本。これはグラスで飲むお客さんのため。
秋田酒造の高清水氷温貯蔵辛口生貯300MLを12本。これは瓶ごと冷酒を楽しむお客さん用。

宝酒造の「純」25度4000MLを1本。これは緑茶ハイを飲む限られたお客さんのため。

ウイルキンソンの炭酸500MLペットボトルを24本。これはレモンサワー、橙サワー、だいやめの炭酸割り、レモン水を希望するお客さんのため。

ポッカレモン100の450MLを1本。これを炭酸で割ってレモン水を作る。庭のレモンが収穫でき始めたら、そちらを使う。

酒屋さんは
「ハイボールは年間と通じて出ますよ」
「お子さんが好きなオレンジジュースはどうしますか」
とアドバイスをしてくださった。

ノンアルコールビールについては検討しようと思うが、それ以外は開店してから考えようと思う。
収納の問題を考えるとあまり手広くはできない。

[デザートの準備]

定食にはデザートをつける。
メインにご飯、汁物、小鉢、お茶に加えてデザートとなる。
それぞれの量は多くないが、試食会の経験から若い息子夫婦や娘たちが
「全部食べるとけっこうおなかがいっぱいになった」
と言っていたので、定食の良さは出せていると思った。

当初はデザートは考えていなかった。
しかし試食会の感想で圧倒的に要望が強かった。
「ちょっとでもいいので、油っこいイメージの中華料理の味をさっぱりできるものがあると嬉しい」

牛乳で溶く杏仁豆腐を何種類か試した。
それだけでは足りないと感じて、専門学校時代にお菓子作りが得意だった友だちにお願いした。

28日、完成したパウンドケーキを持ってわざわざ東京から大船まで来てくれた。

1つのパウンドケーキから何切れとるか。
1人分のデザートのポーションはどれぐらいにするのか。
杏仁豆腐との味のバランス。
試食しながら商品のかたちに持っていこうと思う。

===2019年7月29日===



今朝の収穫。ピーマンが絶好調。 2019年7月29日。

8003.7/28/2019

あと…35日

[本体工事]

27日は土曜だが大工さんが来られて造作をした。
カウンター周辺に壁板をつけて、キッチンとホールが区切られた。

料理を作るエリアがはっきりして、自分の仕事場を意識することができた。
ホール側は物理的にどうしてもイスの後ろがすぐ壁になっていて狭く感じた。
トイレを使うときにお客さんどうしが声をかけあって、通路を作らないとならない。

[小坪漁港]

逗子に小坪漁港がある。
ここは近海の魚があがり、港に面した魚屋が朝からにぎわう。
近隣の飲食店主やプロの魚屋が仕入れに来る。

一般客が買えるのは午前8時以降に決められている。

魚介は地元のものを使う。
鎌倉に坂の下漁港がある。
ここは岸壁をもたない海岸漁港だ。漁船は砂浜にロープでけん引されている。
漁師小屋が立ち並び、収穫した獲物を分類してトラックで市場へ運ぶ。

その漁師さんの一人から私は海岸で直接魚介を仕入れる約束をした。
去年の夏には実際に午前2時の出漁を経験し、鎌倉の波の強さに驚いた。
しかし、漁は天候との関係で仕入れが安定しない。

だから、坂の下で足らない分が出た時は少し離れた小坪まで行く。

27日のお昼に試しに行った。
小坪ではとれない魚は横浜の南部市場で仕入れてくるだけあって、近海ものだけでなく遠洋のものもあった。
息子夫婦が長く試食会に協力してくれたので、お礼の意味も込めて食事会を開いた。そのためのイサキ、シマアジ、本マグロを仕入れた。一般客として買ったので、魚屋さんがうろこも取って水洗いもして半身におろしてくれた。

イサキはマリネとお刺身に。
シマアジと本マグロはお刺身に。
あらで潮汁を作った。
「中華スープよりも、個人的にはこっちの方が好きだ」
息子が言っていた。
鶏ガラのみであっさりのスープをとり、その日の魚のあらを使って味を調整してもいいと思った。

===2019年7月28日===



まだ何も厨房機器が入っていないキッチンは広く感じた。 2019年7月27日。

8002.7/27/2019

あと…36日

[調理方法]

メニュー開発から始まった。
それぞれの料理の材料を洗い出した。
一食分の材料を計算して原価を算出した。
客単価を上回る料理を候補から外した。
定番の料理とドリンクの割合を検討した。
実際に調理をして、家族を中心に食べてもらい評価を受けながらレシピを修正した。

これら一連の作業で4月から7月までの多くの時間が過ぎた。
週末のたびに協力してくれた息子夫婦や、遠方から時々訪ねてきてはシビアな評価をくれた娘たちに感謝している。

そしていよいよ最終段階に入る。
オペレーションの検討だ。
調理の世界でオペレーションと言えば、料理の作り方や食材のそろえ方を表す。
たった一つの料理にしか使わない調味料を用意するよりも、味に大きな違いななければなるべく多くの料理に共通する調味料をそろえていく。
ポーション(分量)も、2gとか3gという違いなら2gに統一する。

たとえば青椒肉絲で使う長葱と生姜の千切りは、蒸し魚でも使える。
しかし、青椒肉絲で使う拍子切りのピーマンはほかの料理では使わない。
だったら、肉野菜炒めのようにピーマンを使う料理は拍子切りでそろえてしまうと準備がしやすい。

オペレーションを検討すると、必要な食材が見えてくる。
一日に何食出るかを想定すれば、仕入れに必要なポーションを算出できる。
ざっくり発注すると、余ったり不足したりしてしまう。

[トマトの収穫]

教員時代からクラス園で野菜を育てるときにとてもお世話になった畑の師匠。
今は三浦でハウスキーパーをしながら、横浜の小雀、三浦、山崎の三か所で農園を持っている。

食堂の野菜作りでは今もアドバイスを頂いている。
その師匠から頼まれた。
「今夜から明日にかけて台風関連の強風でトマトがやられるかもしれないから、時間があったら摘んでおいてほしい」
すでに完熟し、いつでも収穫できるミニトマトとトマトが小雀農園にあるという。
師匠は三浦での仕事があって、どうしても小雀に行けないのだそうだ。

小雀農園に自転車をとばして行く。
国道1号線の原宿という交差点に近い。
大船は柏尾川が流れる低地だが、原宿はかなり高い地点にある。長い上り坂をアシスト機能つき自転車で、それでも汗をかきながらこいだ。

カラス除けに張られたネットを外して、今にも落ちそうなほど熟したミニトマトとトマトを収穫した。ミニトマトと言ってもトマトのサイズが小さいだけで、背丈は私の身長と同じぐらい成長している。
さすがに師匠だけあって、農園はきれいに管理され、整然と野菜が育つ。里芋など2メートルぐらい成長してジャングルのようだった。

収穫したトマト。
ちゃんと酸味があって、これぞトマトという味がした。

===2019年7月27日===



自転車のかごに入れて運んだ。道路の起伏でボコボコはねたが、紫外線から身を守る皮が丈夫で破れることはなかった。 2019年7月25日。

8001.7/26/2019

あと…37日

[本体工事]

カウンター周辺の造作を大工さんが終日取り組んでいた。
お客さんが体重を預け、料理が乗るカウンターには何よりも頑丈さが求められる。

電気屋さんが新しいメーターとブレーカを設置した。
これはスチコンとエアコンがとても電気を使うので、ほかの電源と別の動力盤が必要になったことに伴う工事だ。

電気屋さんが質問に来られた。
施主さんはいつも家にいなくてもいいですよと、棟梁には言われている。しかし、電気屋さん、水道屋さん、ガス屋さんなどは、わりと予告なく質問に来られるので、その場で対応できるようになるべくお昼までは家にいるようにしている。

「新しい動力はこちらで東電に直接連絡します。そのほかの電力が40アンペアでは、照明や冷蔵庫などの電源としてはぎりぎりだと思います」
「私も相談しようと思っていました。容量はどれぐらいにすればいいですか」
「8kvaぐらいあれば大丈夫だと思います」

分からない数字が出てきた。

「お店の電気は東電ではなく、j:comなんです。そこの契約で従量Bというのを使っています。40アンペアの上は60アンペアです。それとは別に使った量に応じた支払いという従量Cという契約もあります」
「東電さん以外はお客さんがまずj:comさんに連絡をして容量の変更を申請してください。電気屋が直接やりとりをしてはいけないことになっているんです」

ネットで調べると、kvaはキロ・ボルト・アンペアという電気量の単位だとわかった。
従量Cプランは1kvaごとに代金が加算されるプランだった。

ロボットボイスのお問合せ電話につなぎ、おなじみの「ただいま混みあっています」をスピーカーフォンにして、他の作業をしながら10分、やっと担当者登場。
事情を伝えると
「それでは工事を担当される電気屋さんの正式名称、担当者様のお名前、連絡がとれる電話番号をお知らせください」
とのこと。工事では電気屋さんは、後上(ごがみ)さんで通用するので、それ以外の情報は知らない。

いったん電話を切って、再び電気屋さんに事情を説明。情報を教えていただき、またj:comへつなぐ。リダイヤル機能を使ったら、電話番号の後に押した1や2まで最初から再現するのではじめはつながらなかった。
ロボットボイスに切り替わり、またまたスピーカーフォンで10分ぐらい待つ。
電話に出た方がさっきとは違ったので、同じことを言われる。

ははは、こっちは準備ができてるぜ

後上さんの情報を伝えた。
「それでは弊社から電気業者様へ連絡をさせていただきます」

[有線放送]

店内で流すBGM。
お店の雰囲気を演出する。
私は有線放送と言えばUSENしか知らなかったので、最初から他社を考えずに連絡をとった。

「電話はNTTですか?」
「いえ、j:comです」
「では電気は東電ですか?」
「いえ、それもj:comです」
「わかりました。そうすると、通信衛星から放送を受信するアンテナの設置が必要になります」

え、有線なのに線はないわけ?

有線放送は、今はフレッツ光回線を使ってサービスをほとんど提供しているので、それ以外の会社はサービスがないそうだ。
また電線を使う場合も東電の電線を使っているので、同様だという。

亡くなった父が利便性と安価を求めてj:comとセット契約(電話・テレビ・電気)したので、お店側の電気系統は一本化されていた。

USENの担当者の方が来られた。
アンテナからチューナーまでの同軸ケーブル工事についてたまたま現場にいた電気屋さんと大工さんと相談していた。
合わせて天井に埋め込むスピーカーも契約した。

提供サービスは890種もあった。
一括契約だと月に6000円。私はそのなかの130種と契約をした。たとえば「サザンオールスターズ」「やさしいクラシック」「フォーク」「季節のJ-popベストコレクション」「和楽器」などなど。ラジオ放送はサービスですべてついていた。

===2019年7月26日===



お店の裏側には、金属製の管と電気線が置かれていた。この電気線が新しい動力盤用の太いケーブル。金属製の管はガスを通す。中華コンロは使用するガスの量が多いので家庭用のものと交換する。 2019年7月25日。

8000.7/25/2019
あと…38日

[本体工事]

24日は大工さんと電気屋さんが終日工事をしていた。

電気屋さんは天井に埋め込むエアコンの設置工事をしていた。
室内機を埋め込むために、いったん張られた天井の石膏ボードをサイズに合わせて切り取り、そこにぴったりエアコンがはめ込まれた。

照明をつける位置に配線が準備された。
照明は天井に埋め込む。
これは専門学校で教わった。
お店によっては天井からおしゃれに吊るしたライトを使う店がある。しかし、あの方式は傘の上や天井から吊るすコード部分に埃が付着して掃除がしにくいそうだ。
掃除をさぼると、室内の風向きによってふわふわと埃が落下し料理に付着してしまう。
もっとも衛生的な方法が天井に埋め込んでしまう方法だった。

[コックコート]

料理人の着る作業服をコックコートという。
中華料理は西洋料理に似たコートを使う。
私はダスキンにコート一式を注文した。

ダスキンは清掃用具だけでなく、業務用のユニフォームやシューズの受注を手掛けている。
近所の立ち飲み酒屋に家飲み用のお酒を買いに来るお客さんがダスキンにお勤めだった。私が置かせていただいているお店の名刺を見て声をかけてくださった。

店名を胸とか腕に刺繍する。
専門店で頼むととても値段が高い。しかし、ダスキンは一か所一色なら無料だった。
また購入後は定期的なクリーニングサービスがついている。
専門学校時代のコックコートは二着だった。数回切ると油や汚れが付着した。そのたびに近所のクリーニング店に持って行った。特殊な服なのでクリーニング代金は高かった。
それを安価で定期的にサービスしてくれるので、ダスキンにお願いした。

そのコックコート一式が届いた。
胸に「佐々木食堂」の名前が朱色で刺繍されたコートが三着。ボタンは中華飾りを意識した組紐。
ズボンはベルトが通せるタイプを三着。
サロン(エプロン)はひざ下までの大きめのものを三枚。
シューズはクロックスが飲食店向けに開発したサンダルを二足。
帽子は頼まなかった。帽子の役目は頭髪が料理に入らないようにすることと、油跳ねなどから身を守る安全性の確保。頭髪が料理に入るとは思えない坊主頭には必要ない。お気に入りの手ぬぐいやバンダナをまいて安全性を確保する。

===2019年7月25日===



カウンターの骨格が完成した。厨房とカウンターの境界に合わせて天井から下がり壁の骨格ができていた。 2019年7月25日。