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過去のウエイ

7968.6/22/2019

ここから…97

=メニューコンセプト=

メニューには商品と値段だけでなく、お店の考えも掲載する。
立ち飲み仲間に見せたら
「センセイっぽいなぁ」
と笑われた。

一つ目ここから.......

健康寿命を伸ばすために

自立生活できる年齢を伸ばすための食材を使います。
骨粗しょう症、認知症、がん、高血圧、糖尿病を予防するメニューです。
食事制限のある方に対応した料理を作ります。
店の内外での喫煙はご遠慮ください。

.......一つ目ここまで

ひとの体は口から入るものだけでできている。
このコンセプトを具現化した。

二つ目ここから.......

食品ロスの削減、持続可能な社会を目指すために

割りばし、楊枝は使いません。
ご飯や麺などの量を選んでいただき、食べ残しのない量を提供します。
ソース、たれ、汁物は少量にして、使い残しなしを目指します。
卓上調味料は設置しないので、必要な時は声をかけてください。
必要な仕入れで使い切りを目指すので、売り切れをご容赦ください。

.......二つ目ここまで

どんな仕事も社会とのかかわりの中で成り立っている。
飲食の問題のなかでとても大きいものが「ごみ問題」だ。
食品を販売しているお店では、賞味期限が近づいた商品を捨てている。
また消費期限が過ぎてしまうほどの商品を仕入れて捨てている。
これらは世界各地で共通する問題ではなく、日本社会特有の大問題だ。

だから、箸は使いまわせる塗り箸にする。楊枝が必要なお客さんには歯ブラシの持参をすすめる。
主食の量を3段階にして、食べきるようにしてもらう。量に応じて値段に差をつける。
完成した食事に使うソースやたれは少量にする。西洋料理のソースは大きな皿に数滴しかない。食事にアクセントをつけるのがソースやたれなので、食後に皿にソースやたれがたくさん残っていると洗剤や水をたくさん使って洗わなければならない。
中華スープや味噌汁にはほとんど塩分は使っていない。しかし、具を食べて汁を残さないと体に悪いと思われることもある。ラーメンのスープは全部飲んではいけないと書いてある本もある。そこで和食のお椀のように、汁の量は飲み切れる程度にする。
お店の多くは卓上に醤油、からし、胡椒などの調味料を置いている。料理人が味見をして味を決めた料理をお客さんが自分の味に変えてしまう。せっかく塩分や糖分を抑えた料理を出しても、食べる前にそれらが加えられたら意味がない。また、卓上調味料は「いつからそこにあって」「いつになったら交換する」のか明確ではない。
仕入れは肉、野菜、魚を中心に行うが、最低限の量にする。数ヶ月の営業経験を積めば、日々の消費量が見えてくるだろう。仕入れた食材を使いきれずに捨ててしまうことほど、無駄なことはない。だから、食材が無くなったら「売り切れ」にする。

6月22日、合羽橋商店街を歩いた。
ランチマットを探した。季節ごとに花の絵を替えている100枚単位の紙のランチマットがあった。絵のセンスもいいし、リーズナブルだったので触手が動いた。
しかし、紙でできているのでこれらは使いまわさないで捨ててしまう。
却下した。

===2019年6月22日===



豚の挽肉を使って炸醤(ぢゃぁじゃん)を作った。肉味噌のこと。麻婆豆腐、チャーハン、中華スープなどに使える。炊き立てのご飯に乗せてもおいしい。 2019年6月20日。

7967.6/21/2019

ここから…96

=ディナーメニュー=

17:00からは夜の部。
20:30をラストオーダーにして21:00で閉店する。
ディナーはお酒と料理を基本として、定食は出さない。

1.豚のオイスターソース炒め(スープ付) 700円
2.麻婆豆腐(スープ付) 600円
3.蒸し魚(スープ付) 600円
4.青椒肉絲(スープ付) 600円
5.鶏の唐揚げ(スープ付) 500円
6.魚の唐揚げ(スープ付) 500円
7.焼き魚 500円
8.生姜焼き(味噌汁付) 500円
これらは半分の量だと半額にする。

おつまみやデザートは、お酒のあてとして食べていただくので量を少なくする。
9.餃子(5個) 500円
10.南蛮漬け 300円
11.玉子焼き(卵2個分) 300円
12.牛筋煮 200円
13.醤油洗い 200円
14.サラダ 100円
15.ポテトサラダ 100円
16.大根皮炒め 100円
17.香の物 100円
18.デザート 100円

飲み物2杯(ノンアルコール・アルコールどちらでも)と3品(添え物・香の物・小鉢)で1000円の「ちょい飲みセット」も用意した。

=ドリンクメニュー=

アルコール
1.サッポロ黒中瓶 600円
2.サッポロ黒生ビール 500円
3.だいやめ(芋焼酎) 400円
4.サワー(レモン・橙) 300円
5.緑茶ハイ 300円
6.高清水冷酒300ml 900円
7.高清水一合 500円
8.古越老酒 500円
キープはだいやめのみ。2400円

ノンアルコール
1.プーアル茶 200円
2.黒烏龍茶 300円
3.凍頂烏龍茶 300円
4.ダージリン 300円
5.ほうじ茶 20円
6.レモン水 100円
7.ウイルキンソン 200円

いわゆるお通しはなし。
季節限定期間メニューも考案していく。
金額はすべて税込み価格。
居酒屋は飲み物で利益を稼ぐと言われている。しかし、料理と同じぐらいの原価率で価格設定をしたので、リピートするお客さんが増えることを期待している。
コーヒーはまだ決めていない。私自身が日常的にほとんどコーヒーを飲まないので、何がおいしいのか、どうすれば抽出できるのかわからないことが理由だ。

===2019年6月21日===



スケルトンになっていた部屋でダクト工事があった。コンロから出る熱と排気を室外に放出する。天井が張られたらもう見えなくなる。 2019年6月20日。

7966.6/20/2019

ここから…95

=健康寿命食=
[大根]

原産地は世界各地にあり、日本の大根は縄文時代から弥生時代に中国から伝来した。
アブラナ科の一年草で古くは「すずしろ」と呼ばれていた。

国内の大根は千葉県、北海道、青森県で3割を占めている。鎌倉の大根は確かに「千葉産」のものが多い。

専門学校の日本料理の調理実習では大根を多く使った。
実習試験課題では大根の桂剥きがあった。その経験を使って、大根は中華サラダのメインにする。桂剥きにした大根を3センチから4センチの幅に切る。それを重ねて千切りにする。お箸でつまんで口に入れやすい大きさがそれぐらいだった。

大根は、生食、炒める、煮る、蒸すこともできる。また大根ステーキのように焼いてもおいしい。
皮は乾燥させたり、火を通したりして使える。葉も炒めて使えるので、捨てる部分が少ない。

大根は葉の下のやや緑色の部分が茎にあたる。その下の白い部分が根だ。
根のほとんどを食用として使う。

根には栄養価はほとんどなく、水分が豊富だ。だからたくさん食べてもカロリーオフでダイエット効果がある。

大根の汁に含まれているでんぷん分解酵素ジアスターゼ(アミラーゼと同じ酵素)は、でんぷんと合わさるとでんぷんを分解し糖に変える。そのため、消化をたすけ、胃酸過多、胃もたれ、胸やけに効果がある。

大根の辛味はラファサチンという成分で、おろすことでグルコラファサチンが酵素と反応して分解され生成される。発がん抑制作用と抗菌作用がある。
またラファサチンと同様におろすことで生成されるイソチオシアネートにも抗がん力や解毒酵素の働きをたすける効果がある。
焼き魚や玉子焼きといっしょに添えられる大根おろしは、全部食べることが望ましい。
さらにたんぱく質分解酵素のプロテアーゼを含む。焼き魚のたんぱく質が大根おろしを食べることによって体内でどんどん分解される。

脂肪分解酵素のリパーゼを含む。鶏唐揚げのみぞれ和えや和風ハンバーグに乗せた大根おろしは肉類の脂肪分解を促進する。

葉には多くの栄養成分がある。ビタミンC、ビタミンE、カリウム、カルシウムを含んでいる。βカロテンも多い。
50歳以上の男女のカルシウム摂取推奨量は、一日あたり男性700r、女性650r。
大根の葉には260rも含まれている。カルシウムの摂取は、骨粗しょう症予防に直結する。
胡瓜の緑色の部分にも多いβカロテンは、細胞をがん化させる活性酸素を抑制し、抗酸化作用が強い。

ただし加熱すると減少してしまう成分が多いので、調理したらすぐに食べることがおすすめ。辛み成分は揮発性があるので、おろした後時間が経過すると成分が減少してしまう。

===2019年6月20日===



大根や人参の皮を保管しておいて、ある程度たまったら、日本酒と醤油、砂糖、塩で味付けをして炒める。油揚げを細切りにしていっしょに炒めるとご飯のお伴としておいしい。 2019年6月18日。

7965.6/19/2019

ここから…94

=ランチメニュー=

お店で提供したい料理と飲み物の原価計算が終わった。
もうエクセルとにらめっこしなくて済む。

あれもこれも提供したいと思って原価計算をしたが、実際にそれらを効率よく提供できるかという物理的な問題を考慮して、ばっさり品数を減らした。

一つの料理にしか使わない食材があるものは、共通食材に変更した。

原価に利益を上乗せして、値段を決めた。それに消費税をつけて売価を決めた。
9月に開店するので、10月に増税されると、売価が上がってしまう。
そこで、8%から10%に消費税がなっても売価を変えないことにした。原価に上乗せする利益を減らした。
おつり準備の関係から、1円単位の売価は避けた。

ランチは定食を中心にする。
1.青椒肉絲定食 800円
2.麻婆豆腐定食 800円
3.豚肉のオイスターソース炒め定食 800円
4.鶏の唐揚げ定食 700円
5.蒸し魚定食 800円
6.魚の唐揚げ定食 700円
7.焼き魚定食 700円
8.生姜焼き定食 700円
売価はすべて税込み。
定食にはメインの他に、ご飯・汁物(1-4は中華スープ、5-8は味噌汁)・小鉢・デザート・中国茶をつける。
ご飯普通盛りは100g。大盛は150gで30円増。小盛は50gで30円割引。
ご飯と中華スープは一杯までおかわりサービスにする。

このほかに
9.蒸し焼きそば 800円(麺150g 大盛は200gで100円増。小盛は100gで100円割引)
10.海老炒飯セット 800円
11.炒飯セット 600円
これらには中華スープをつける。
炒飯はご飯を170g使用。大盛は200gで30円増。小盛は140gで30円割引。

さらに
12.ご飯セット 150円
ご飯普通盛りは100g。大盛は150gで30円増。小盛は50gで30円割引。
味噌汁と添え物をつける。

家賃や人件費、調理器具の返済金など、毎月の固定費がかかる飲食店は、原価率を10%から20%に設定しないと利益が出ない。
佐々木食堂は工事費と購入した調理器具の減価償却費と、調理器具のリース代などの固定費がかかるが原価率は30%から40%に設定している。

===2019年6月19日===



大根一本を桂剥きにして千切りにした。和食でも使うが、中華食堂でも多用する。 2019年6月18日。

7964.6/6/2019

ここから…93

=健康寿命食=
[胡瓜]

胡瓜はヒマラヤが原産地で、中国から日本に伝わった。
中国で「キュウリ」のことを胡瓜と書くので、日本でも同様になった。

胡瓜は淡色なので緑黄色野菜ではなく、淡色野菜に分類される。
国内では宮崎と群馬が生産が多く、関東の胡瓜は群馬がほとんどだろう。

表皮の緑色の部分にはβカロテンを多く含む。免疫力を高め、抗がん作用がある。体内ではビタミンAに変換され髪をつややかにし、視力を維持、粘膜や皮膚を健康にし、呼吸器系を守る。
調理前に皮をむいてしまうのはもったいない。

カリウムをたくさん含んでいるので、体内の塩分を排出する。高血圧に効果がある。利尿作用があり、むくみをふせぎ、体内の水分量を調整する。

体を冷やす働きがあるので、薬膳料理に多く使われる。

私が山崎農園に植えた苗は「夏すずみ」。
ホームセンターで一般的に売られているものだ。
病気に強い耐性があり、長期間の栽培が可能な品種だ。

4月24日に苗を定植した。
初物は34日後の5月27日。それ以来3日ごとぐらいにどんどん収穫している。今朝7本収穫して合計は56本になった。

中華料理には胡瓜を多く使う。
生で味をしみこませて、食べる。
乱切りにして油を通して、食べる。
薄切りにして茹で豚とともに、食べる。
使い方は様々だ。

専門学校の中華料理の実技試験では、大きな中華包丁で胡瓜を縦半分。それを横三等分にして包丁の刃をまな板と平行にして暑さミリ程度に薄切りにした。

今回、農園で試しに苗を育てた。日々の利用には不足しないだけの胡瓜が育つことが分かった。
お店から仕入れないので、原価はかからない。
苗や土の肥料など、別の意味でお金はかかる。しかし、原価計算は仕入れ値から始めるので、0円になる。
現在、好調な夏すずみは残念ながら9月の開店まではもたない。それまでモニタリング・テイストテストや立ち飲み仲間のおつまみとして活躍することだろう。

===2019年6月18日===



6時から別の農園でつるなしインゲン「サクサク王子」を収穫、帰りに山崎農園に寄って「夏すずみ」と「京ひかり」を収穫した。料理人ではなく、農業人の生活をしている。 2019年6月18日。

7963.6/17/2019

ここから…92

=健康寿命食=
[長葱]

どれだけ平均寿命が伸びても、人生の最後をほとんど病院や施設で過ごすのでは医療費がかさみ、介護する家族の心労も大きい。
なるべく健康な時間を人生の最後まで持続できるような生き方をしたい。
自分のことが自分でできる寿命を健康寿命と呼ぶ。

健康寿命は男性が71.19歳、女性が74.21歳(2013年 厚生労働省)。
都道府県別では2016年の値が公表されている。
男性のトップは山梨県で73.21歳、女性のトップは愛知県で76.32歳。
神奈川県は男性が72.30歳、女性が74.63歳。

これに対して平均寿命は男女ともに80歳を大きく超えている。
つまり何らかの支援や介護が必要な高齢者が増加していることになる。
健康寿命と平均寿命を近づけるには食が大きな使命を負う。

専門学校では「食育アドバイザー」という資格を取得した。
3級なので基本的なことを知っているレベルだが、人の口に入れるものの栄養や働きを知っていると調理に幅ができる。

長葱は中華料理ではとてもたくさん使う。
ニンニクや玉葱にも豊富な硫化アリルを多く含み、口に入るとアリシンというビタミンBの吸収に役立つ物質に変化する。
疲労をやわらげ、糖尿病を予防する大事な働きをする。

白い部分には糖質、ビタミンC、葉酸、食物繊維、カルシウムを多く含む。
緑の部分は緑黄色野菜の仲間に分類され、カロテン、カルシウム、ビタミンKを多く含む。

全体として、血管系の病気予防、がん予防、便秘の予防と改善という効能もある。

先日、ジャガイモを収穫した藤沢は俣野農園の畝を使って長葱の苗を200本植えた。
ジャガイモを収穫したので畝はふかふかの土のまま。
それを鍬を使って30センチ掘り込んで溝を作った。
連日の雨で土が水を含んでいて、溝掘りだけで汗が噴き出す。
脱水を恐れて7時には畑に行って作業を開始してよかった。

溝が掘れたら、石灰をまいて土と混合した。
溝の壁に苗を立てかけて、根の部分に土をかける。だいたい6センチぐらい間隔で同じことを繰り返す。最後にかけた土を長靴で強く踏み固める。
苗の根が地面から30センチも下なので、つねに前かがみの姿勢を続けた作業だった。
腿や腰が張ってくる。膝ががくがくしてきた。

だいたい2時間の作業で2本の畝に200本の苗を定植し終えた。
ここから40日間、草取りをするぐらいで放置する。
40日目は7月の下旬になる。追肥をして土を寄せる。
その後は追肥と土寄せを合計4回ほど行い、成長を促す。
収穫期は11月から来年の3月にかけて。

食堂が動き始めて3ヶ月目あたりから食材としてデビューする予定だ。

===2019年6月17日===



前日までの大雨が嘘のように晴れ渡った日曜日。強い風のなか、腰をかがめて長葱を定植した。2019年6月16日。

7962.6/16/2019

ここから…91

=営業許可申請書=

飲食店を管轄する中心的な役所は保健所だ。
保健所への申請と、保健所による調査や営業許可などをこれから開店までにクリアしなければならない。

設計図面を担当する建築士さんが、図面の作成と保健所申請の補佐をしてくださる。
図面を完成させたのちに保健所から修正を受けるよりも、作成しながら保健所に赴き最新の法律情報を取り入れた方が作り直す無駄が無くなるのだろう。

「営業許可申請書を提出するので、佐々木さんが書ける部分の記入をお願いします」

言われて用紙を受け取った。保健所から提出用紙をすでに入手されていた。

いっしょに頂いた資料のなかに、保健所が作成した「新しく営業を始めるための手続きの流れ」という書面があった。
それによると、営業許可申請書の提出は第3段階だった。
建築士さんと大工さんがそれ以前の2つの段階をすでにクリアしてくれた。

第1段階は「事前相談」
・平面図面をもとに基準に適合しているかどうかの状況判断
・食品衛生責任者の設置に伴う資格者の有無
・使用水、製品品目、製造方法などの確認

第2段階は「工事」
すでに解体工事が終わり、ダクト工事が始まろうとしている。

第3段階の「申請」は施設の完成の10日ぐらい前まででいいそうだが、申請に問題があると書き直しがあるので早めの作成を勧められた。

ちなみに第4段階は「施設の完成」、第5段階は「施設調査」、第6段階は「許可」、そして第7段階が「営業開始」。
なお、飲食店の営業許可には手数料がかかり、保健所に現金扱いで16040円を払う。菓子製造業は14040円、喫茶店・魚介類販売・食肉販売・乳類販売は9640円の手数料を払う。

営業許可申請書

申請者の郵便番号と住所と電話番号、氏名、生年月日を記入した。

ここから申請内容が始まる。
営業所所在地の郵便番号と住所と電話番号、ファクシミリ番号を記入した。
現に有する許可番号。まだ許可された飲食店はないのでここは空欄。
営業の種類は飲食店営業で、営業の種目は一般食堂、営業所の名称は屋号「佐々木食堂」、食品衛生責任者は私で資格は調理師と記入した。

申請者の欠格事由の該当。申請者が欠格事由をわざわざ報告したら許可が出ないと思うのに、こういう項目があった。
・食品衛生法違反で刑に処せられてから2年経過していない
ありません
・食品衛生法により営業許可を取り消されてから2年以上経過していない
ありません。食中毒事故の怖さはここにあるのだ。
・法人の場合、役員のなかに上記いずれかの該当者がいること
いません

使用水は水道水、滅菌装置はない。
営業施設の概要に関する項目は建築士の方が代書してくれた。

従事者数は1人、資格は調理師。
客数は1日あたり昼間が3回転で夜が2回転とすると、7席なので35人。
食数は1日あたり昼間が定食のみで21食、夜がおつまみ2品とドリンク2杯で56食、合計で77食。
製造量は1日あたり昼間の21食の定食がご飯100g、みそ汁150g、メインとデザートなどで100g、お茶100gとすると合計で450g×21食で9450g。夜は100gのおつまみ2品と180gのドリンク2杯の合計で560g×14人で7840g。昼間と夜の合計で17290g。
取扱量はない。全部お店でお客さんのために提供するので、他店に卸したり、別の事業所へ販売したりすることはない。

便所は水洗、従事者用と客用がそれぞれ1つずつある。受け器と殺菌剤を用意している。
天井と屋根裏はケイカル板下地でステンレス貼。内壁はケイカル板貼、床は長尺塩ビシート、換気設備は動力換気設備。ねずみ、昆虫等防止設備は出入り口と排水口に設置。 流水式手洗い設備は、従事者用と客用のそれぞれに用意。

計器類はスチームコンベクションの中心温度計。
保存設備は細かく申請するようになっている。
原材料は、冷凍庫と冷蔵庫。
添加物は、戸棚と冷蔵庫。
製品は、冷凍庫と冷蔵庫。
器具・容器包装は、戸棚。

更衣室はあります。
機械・器具類の殺菌は蒸気、熱湯、薬物で行う。

これらのことを記入してこれから保健所に提出することになる。

===2019年6月16日===



2019年6月15日。

7961.6/14/2019

ここから…90

=成約=

6月12日(水)。
大工さん、建築士さん、調理機器メーカーさんが来られた。

大工さんは本体工事の見積もりを持参した。
建築士さんは店舗設計図と作成見積もりを持参した。
調理機器メーカーさんはダクト工事見積もり、厨房機器見積もり、リース機器見積もりを持参した。

これらの見積もりが、佐々木食堂にかかわる費用すべての金額だ。
1月に大工さんと検討を始めてから半年が経過していた。

見積もりといっても、現場は設計図面作成のためにすでに解体されている。
本体工事見積のうち、解体にかかわる部分はすでに施工されてた。
今さら、合い見積もりで他社へというわけにはいかない。
そのあたりの進め方を大工さんも考慮されていて、かなり割引があった。

どの見積もりも想定していた予算内だったので、見積もり書面を精査して受諾した。

2年前の6月12日。
私は藤沢の公立小学校の教員だった。日記には「学年会」という記述がある。この帰り道に家族から電話があり、緊急入院していた父の意識レベルが低下したと知らされ病院へ駆けつけた。

去年の6月12日。
私は調理師専門学校の学生だった。1限と2限は集団調理実習の座学で、栄養価計算をしていた。午後の3限はレストラン論の座学。夕方から下北沢にある叔父の店に行き、アルバイトをして宿泊。翌日はそこから専門学校へ行った。

そして今年の6月12日。
私は料理人になってお店を開業するための契約を結んだ。

劇的な変化が私の人生に訪れた2年間だった。
どれもこれも自分の判断で決めたことだ。
多くの方々と別れ、多くの方々と出会った。

大学を卒業して教員になった。
高校を卒業する前に自分の夢を考えた時、一度だけ受験して合格したら教員を目指そうと決めた。不合格だったら大船にあった松竹撮影所を訪ねて就職試験を受けようと決めていた。
私が大学を卒業した1985年はよのなかがどんどんバブル景気で民間企業への就職が活発だった時期だ。公務員は敬遠され、給料の差も大きかった。子どもの数が激減し、神奈川県教員採用試験の倍率は21倍だった。合格しても採用は確約されていなかった。何しろ、採用人数は「若干名」としか書いてなかった。
それからの33年間は、小学校一筋で教員人生をまっしぐらに突き進んだ。
管理職志向や行政志向がまったくなかったので、ずっと現場で仕事をした。

50歳を過ぎて、教頭や校長がどんどん自分よりも若い方々が着任するようになってもまったく気にしなかった。組織を束ねるという仕事は自分には向いていない。

30年以上、教員をやっていたので、多くの仕事が自分にとってはやりやすかった。
問題点を予測して、目標への具体策が練られるようになっていた。
公務員人生になんの問題も疑問も感じていなかった。

そんな矢先、父が倒れ、亡くなった。
数日間、病院に泊まり込んだ。
薄れゆく意識のなかで父が言った。
「もう学校の仕事は十分じゃないか」

何を思って父が言ったのかはわからない。
しかし、その言葉が心に残った。
病室に泊まり込んでいると、なかなか熟睡できない。目がさえて考える時間がたくさんあった。

確かに60歳で定年を迎えても、すぐに年金はもらえない。
65歳までどうやって生活するかはずっと考えていた。
「前から飲食の仕事をしたいと言っていたじゃないか。どんな仕事もすぐにはできるようにはならないだろう。だったら、早めにその準備をしたらどうだ」

そんな会話の数日後、父は意識が無くなり、そのまま息を引き取った。
私が退職の意向を家族に伝え、管理職に報告したのはそれから3ヶ月後だった。

あれから2年が過ぎて、父が言った「準備」の大きな節目を迎えた。
来週からはダクト工事が始まる。再来週からは本体工事が始まる。
メニューも商品原価もそろそろ仕上げを迎える。

===2019年6月14日===



近所の酒屋に持参したおつまみ。ふり塩して冷やしただけの胡瓜(フリージオキューカンバー)、水茄子のステーキ、ピーマン炒め、サクサク王子。どれも手作りの野菜だ。2019年6月13日。

7960.6/12/2019
ここから…89

=商品原価計算=
[スープ]

料理のほぼすべてのベースの味を決めるスープ。
大量に作って少しずつ使っていく。
これまで味を極めることを優先してきたので、コストは考えてこなかった。
しかし、商品原価計算をする上でスープの値段は避けることができない。

何しろ、料理の合わせ調味料にも使われている。
炒飯の脇にそえる中華スープにも使われている。
味噌汁もこのスープを長生き味噌玉に溶く。

そこでスープの商品原価計算をした。

材料と分量

鶏ガラ 6羽
もみじ 6本
スペアリブ 600g
牛筋 300g
葱の頭 4本
生姜 1個
粒胡椒 50g
水 120000ml
玉葱 150g(1個分)

鶏ガラだけは先に取り残された血だまりや内臓を除去するので、歩留まりが94%になった。
それ以外はスープをとるという性質上、捨てることなくすべて使うので歩留まりは100%だ。

この中でもっとも高価なのは豚のスペアリブ。一本が約200gのものを骨付きで3本で600g。大船のニュークイックで1018円だった。秋からは消費税増税でもっと高くなるだろう。
反対に、この中でもっとも安価なのはなんと水。12リットルも使うのだが、換算するとたったの0.8円。つくづく日本の水は安全で安心、さらに安いと気づく。フランス料理が水よりも安いワインをたくさん使うことがよくわかる。
12リットルの水を5時間煮たら9.8リットルになったので歩留まり率は81.7%。それでも0.98円。1円にも満たない。
この中で玉ねぎは収穫物なので、ストックがあるうちは仕入れ値は0円で助かる。 ジャガイモを収穫した農園。次は長葱を育てるつもりなので、葱の頭は収穫できるようになったら仕入れ値が0円になる。

これらすべての材料の合計金額は2840円。
ここから9.8リットルのスープがとれた。
だいたいスープ一杯は100g使うので、29円が原価になる。

青椒肉絲の豚肉につける下味としては7.5g使うので2.2円。
鶏のから揚げの下味としては3.75g使うので1.1円。
細かい計算だが、一つ一つの食材にかかる原価を積み上げて、商品(メニュー)の原価が決まるので、避けて通ってはいけないと教わった。

スープに使う材料の歩留まり原価を比べると、圧倒的に豚のスペアリブが突出して値段が高いことがわかる。これを豚骨にしたり、化学調味料にしたりすれば、スープの原価はぐっと安くなる。また乾燥豚骨粉末にてしても安くなるだろう。

安さを追求するなら、選択肢として考えるが、健康寿命を伸ばす食事の提供を追求するので店のコンセプトが違ってくる。

また出汁を取り終えたスペアリブと牛筋は、味付けをして小鉢にしたり、みそ汁や炒飯の具にして完全利用をするので、スープの値段を押し上げていたとしても、トータルとしてはほかの商品の値段を下げることに貢献する。

それにしても、ここ数日、エクセルとにらめっこの毎日だ。

===2019年6月12日===



スープをとった豚のスペアリブは醤油だれに漬け込んだ。これを使うと口の中でとろけるほど柔らかくなっているので、ボリュームよりも食べやすくなる。 2019年6月6日。