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7889.2/17/2019

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スチコン!

専門学校では通常の調理実習の他に大量調理実習もあった。
いつもは4人から5人の実習班で課題料理を調理するが、大量調理実習の時はクラス全体で指示通りの大量調理を実行する。

病院や学校での集団調理をイメージしている。
だから、指示通りの料理を同じ数だけ作ることが求められる。
ポテトサラダ1人分50グラムを40皿という指示があったら、45グラムでも55グラムでもいけないのだ。また人参やキュウリなどの具材が必ず一皿に含まれていなければならない。

焼肉弁当の時にはサンチェのカットを失敗した学生がいて、一部のサンチェは拍子切りになっていた。

この大量調理で抜群の能力を発揮したのが、スチームコンベクションという調理機器だ。
あらかじめ大きなパットに小分けした料理材料を並べておけば、同じ温度で同じ時間に目的の調理方法で完成させる夢のような機器だった。

学校のスチコンはやや古いタイプで使用後は手作業で水洗いが必要だった。
調理機器メーカーの方から頂いた最新式のスチコンは、完全に水洗いが自動化されていた。

オーブンとは熱した空気によって食品を蒸し焼きにする調理機器だ。

基本的なことだが、確認しておこう。
グリルは直火によって食品を焼き上げる調理機器なので、気をつけないと焦げ目がついてしまう。またオーブンのように中心部まで完全に火が通るとは限らない。温度調整機能はない。
トースターは、スライスしたパンをトーストすることに特化した調理機器なので、焦げ目をつけることが重要だ。だから、焦げ目が苦手な人はグリルで火加減を調整しながら焼いた方がおいしくできる。

コンベクションとは「対流」という意味。
オーブンの中の空気を熱風で対流させることにより、食品を均一に蒸しあげることができる。亡くなった母は今から50年以上も前に結婚した時に、当時としては高価だっただろうコンベクション(ガス式)を台所に導入して、ケーキやクッキー、グラタンやピザをよく作ってくれた。そのコンベクションオーブンは今の私の家のキッチンでまだ活躍している。

コンベクションオーブンにスチーム(蒸気)機能を追加したのがスチームコンベクションオーブンだ。

熱は空気よりも水分の方が伝わりやすい。
90℃のサウナには入れるが、90℃の湯に入ったら大火傷をするだろう。

スチコンの登場で、コンベクションオーブン内で高温の水蒸気を食品に噴霧し、一気に設定した温度帯の蒸し焼きを完成させることができるようになった。

カタログに載っていたスチコンの機能は「焼く」「煮る」「蒸す」「炊く」「温める」「茹でる」「炒める」「揚げる」の8つ。
なんと加熱調理の8割以上の料理を作ってくれるのだ。
3つのモードがある。
スチームモードは30℃から130℃に設定できる。「蒸す」「温める」「茹でる」を実現する。蒸し器や茹でた後の色止めが不要になる。
ホットエアモードは30℃から300℃に設定できる。水蒸気と組み合わせて「焼く」を実現する。
コンビモードは100℃から300℃に設定できる。熱風と組み合わせて「炊く」「炒める」「揚げる」が実現できる。炊飯器とフライヤーが不要になる。

たとえばぐつぐつと鍋で煮ないので、野菜の面取りをせずに「煮る」ことができ、食品ロスがない。
食品に少量の油をかけて「揚げる」ことができるのでヘルシーな唐揚げができる。
高温の蒸気でボイルするので、野菜の栄養が湯に溶出しない。

これだけ夢のような調理機器なので実習の時は
「導入したいけど、値段が高すぎて無理だろうな」とあきらめていた。

しかし、メーカーの方によると新しい店のほとんどがスチコンを導入するようになり、価格はかなり安価になったという。メーカーの価格一覧表を見たが、確かに専門学校の旧型のスチコンに比べて、最新式のスチコンは値段は5分の一ぐらいの値段になっていた。

さらにサイズもキッチンに応じてタイプが複数用意されている。
扉も右開き、左開きどちらも対応。

経験豊富な料理人を雇ったら一カ月に40万円は払うだろう。
年間に払う給与を考えたら、スチコンを導入したほうがずっと安い。

ただし、私はどの機器も購入はしない。
飲食店はおそらく子どもたちが後継しないので私一代で終わる。
その時に高価な調理機器を購入していると、すでに減価償却も終わり、転売もできない機器を残してしまい処分に費用がかかるのだ。

私一代でこの店は終わるので、機器はリースにしたいのですが。
「もちろんリースにできます。でも、お子さんたちはやらないんですか?」
いやー、もう子どもたちは社会人として独立しているんですよ。
「えー!佐々木さんって、失礼ですけどおいくつ(年齢)ですか?」

長く小学校という狭い社会で生きてきたので、経済社会の荒波にもまれなかった。
額にしわもなく、ひとを疑わず、基本的に善人主義が表に出てしまうので、いつも実年齢よりも若く見られてしまうのだ。

次回の打ち合わせまでに、調理機器メーカーの方が必要な機器を組み込み、並べなおしたレイアウト図面を作成してくださることになった。
それにしても前回の大工さんとの打ち合わせと言い、まだ正式な契約はしていないので、みんな無料でとても助かる。

「ぎりぎりのところでアイデアだけもらって、他の店にしますって言ってみたらどう?」
悪魔のささやきをする知人がいた。

===2019年2月17日===



乾焼鮮蝦仁(コン シュウ シェン ハァ ヤン)。乾焼は水分が無くなるまで煮る作り方のこと。鮮蝦仁は新鮮なエビ。日本では「エビのチリソース煮」。中華料理の名前は素材と作り方の組み合わせが多い。もしも「エビのチリソース煮」にしてしまうと、都合でチリソースが用意できなかった時、偽メニューになってしまう。新鮮なエビを水分が無くなるまで煮る料理というタイトルなので、極端な言い方をすれば海老と水があればできる料理という意味になる。この料理名のつけ方は、お店でも活用する。 2018年10月5日。

7888.2/16/2019

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店舗設計が動き出す

2月15日。
過日、知人の紹介で私の要望を聞いてくださった大工さんが調理機器メーカーの方とともに再来した。

渡しておいた図面をもとに店のレイアウトをフリーハンドで描いたものを見せていただいた。

それをもとに、メーカーの方と必要最低限の器材や設備をはめ込んでいった。

飲食店は開業する前に必ず地元の保健所の許可が必要になる。
保健所は最新の食品衛生法の基準を満たしているかどうかをチェックする。
工事を終えた後で、床のコンクリートをはがして再工事という事例もあると専門学校で教わったので、設計段階は重要になる。

「シンク(洗い場)は3槽にしましょう」
そんなに広くないのに、3つも必要ですか?

法的には2つ以上だったと思う。

「保健所の審査で手洗い用の小さな流しがチェックされます。でも実際にはキッチンの方はシンクで手を洗うのであまり使わないんです。だから、シンクそのものを3槽にして、そのうちの1つを手洗い専用にすれば問題ありません」

なるほど、プロは現実をつかんでいた。
手洗いと食器洗いのシンクが並んでいれば、無駄な動きは少なくなって疲労軽減につながる。

「火床は壁側にしますか?客側にしますか?」
安全性も考えて壁側がいいです。
「では、客側にはコールドテーブルを置いてオペレーションができるようにしましょう」

キッチンの基本構造が見えてくる。

「ただし、面積そのものが広くないので、火床とコールドテーブルの間は500(ミリ、すなわち50センチ)になります」
開店までにおなか周りをすっきりさせます。
「どんなお料理を出しますか?」
中華スタイルで調理を考えています。
「では、コンロは大火力のものですね」
とはいっても、小さな店なので本格店のサイズは必要ないんです。
「それでしたら、最近、一番出ているのがこれです」

いくつものカタログの中からコンロばかり掲載されているものを選び、中華コンロの写真を見せてくれた。
着火がガス栓を左右に開閉する形のもので、手前に大3、奥に小2のものだった。

中華料理の調理は、一度オペレーションを始めたら鍋から皿に料理を盛るまで両手が空くことがない。左手に鍋、右手にお玉、この状態で調理し続けるので、着火や鎮火がダイヤル式のコンロでは物理的にやりにくくなる。
本格的な中華専門店では、足で着火や鎮火ができるようになっているそうだ。

「スープは大型寸胴でとりますか」
いえいえ、小型のもので応用します。
「でしたら、この奥の1つをスープ専用にして種火程度で保温すれば大丈夫です」
電気調理器ではだめですか?
「電気もありますが、ガスに比べてとても熱量が大きく、200ワットは必要です。小さな店で毎日大量の電気をくうよりも、ガスの方が経済的ですよ」

スープは中華料理の生命線なので、つねに加温して様々な料理の下地に使う。炒飯とともにスープそのものを使うこともある。
ランチの定食では味噌を溶いて味噌汁にしようとも思っている。
その日のスープを使い切ってしまうほど繁盛したら、次の段階を考えることにしよう。
「冷蔵庫と冷凍庫はどうしますか?」
どちらもお願いします。
「冷蔵庫は(オープンタイムでも)使いますが、冷凍庫はほとんど使わないので、別の場所に設置してもいいですね。そうするとキッチンを広く使えます」
仕入れ口を店の奥に作るので、その外側に庇をつけて冷凍庫を置けるかもしれません。
「食洗器は使いますか?」
いいえ、手洗いにします。

これはずっと考えていた。
食洗器はとても便利な道具で、人間を一人雇うぐらいの仕事をしてくれる。
しかし、使える食器が限定される。
また、とても多くの水量が必要で、洗剤や研磨剤とともに汚水を大量に出す。
業務後の清掃に手間がかかる。
小さな店なので、食器は満足のいくものをそろえて、手洗いにしようと決めた。

「ほかに必要なものはありますか?」
製氷機をお願いします。
「ビールサーバーは?」
それもお願いします。
「では、コールドテーブルの脇に並べて設置しましょう」

きっと飲み物に氷が必要だと考えたのだろう。
もちろん水やジュースにも氷を使う。
しかし、私が製氷機にこだわるのは、鮮魚の保存のためなのだ。

アジやイワシ、季節の魚は毎朝、鎌倉の海岸で漁師の知人から購入する。
これを保存するのに、氷がもっとも鮮度を保つと教わった。
その日の分をその日に消費するつもりなので、鮮度をもっとも保ってお客さんに提供したいのだ。

「お店はほかには誰かとやるのですか?」
いいえ、私一人ですべてやるつもりです。
「それなら、これがあるとプロの料理人がもう一人いるようなものですよ」

彼が見せてくれたカタログには、専門学校で見慣れた調理機器の写真が写っていた。
それはスチームコンベクションオーブン。
略して「スチコン」。

===2019年2月16日===



中華料理年間で最後の実習で作った真鯛の蒸し焼き。大きな中華包丁だけで真鯛をさばいている。細く切った葱と生姜をのせて、熱々の油をかけると「ジュワー」と音がして、一気に香り立った。 2019年1月30日。

7887.2/12/2019

ここから…17

ABC分析

大船は良い意味でも悪い意味でも飲食店の入れ替えが激しい街だ。
多くの飲食店が廃業していく。
そこにはいくつかのパターンがある。

これは直感的なものなので、経営学的な根拠はない。

それは、どんどん客のニーズに応じてメニューを変更してしまう店だ。
最初は食堂だったのに、いつの間にか主力メニューがラーメンになってしまう。
居酒屋がメインだったのに、地方の銘酒が減り、安酒が並ぶようになってしまう。
お酒を飲ませる店だったのに、軽食をどんどん増やしてサービスがおろそかになってしまう。
お通しのない店だったのに、突然高額なお通しが登場するようになってしまう。

業態が変わったのではないかと思うほど、メニューが変わってしまうのだ。

客が店に期待することは、ある程度は想像の範囲内でなければならない。
初めての店でない限り
「あそこに行けば、これが食べられる」
「こないだうまかったあれは、まだあるだろうか」
「久しぶりに行くけど、出汁は今もひいているかな」

そういう期待を裏切らないように、季節やハレの日に応じたメニュー設定を工夫する。

当然、不潔な店はどんなにうまくても客が離れたり、客層が劣化したりする。

では用意したメニューの相対化はどうすればいいのか。
それがABC分析だ。

個々のメニューを分析する。
総売り上げに対する累積売り上げの割合を求める。

ある月の佐々木食堂(仮名)の10品目の売り上げを売り上げ順に並べる。
生ビール 200000円
焼酎 160000円
炒飯 120000円
刺身定食 100000円
焼き餃子 96000円
煮魚定食 84000円
オムレツ 72000円
日本酒 60000円
玉子焼き 58000円
季節のサラダ 36000円

この品目の総売り上げは986000円になる。

ABC分析は個々のメニューの累積売り上げを算出する。

生ビール 200000円
焼酎 360000円=200000+160000
炒飯 480000円=360000+120000
刺身定食 580000円=480000+100000
焼き餃子 676000円=580000+96000
煮魚定食 760000円=676000+84000
オムレツ 832000円=760000+72000
日本酒 892000円=832000+60000
玉子焼き 950000円=892000+58000
季節のサラダ 986000円=950000+36000

次に総売り上げ986000円に対する個々の累積売り上げの割合を求める。
個々の累積売り上げ÷総売り上げ

生ビール 20.2%=200000円÷986000円
焼酎 36.5%=360000円÷986000円
炒飯 48.6%=480000円÷986000円
刺身定食 58.8%=580000円÷986000円
焼き餃子 68.5%=676000円÷986000円
煮魚定食 77.0%=760000円÷986000円
オムレツ 84.3%=832000円÷986000円
日本酒 99.5%=892000円÷986000円
玉子焼き 96.3%=950000円÷986000円
季節のサラダ 100%=986000円÷986000円

ABC分析ではこの累積売り上げの割合のうち70%以内を有力メニューに位置付ける。
業態によっても、分析会社によっても70%とは限らず80%以内という設定もある。

ここでは仮に70%未満をAグループとする。
ついで70%から95%未満をBグループとする。
そして95%以上をCグループとする。

Aグループ
生ビール 20.2%
焼酎 36.5%
炒飯 48.6%
刺身定食 58.8%
焼き餃子 68.5%

Bグループ
煮魚定食 77.0%
オムレツ 84.3%

Cグループ
日本酒 99.5%
玉子焼き 96.3%
季節のサラダ 100%

一般的にAグループはその店の主力になっているので、食材不足による品切れを出さない配慮をする。うわゆる売れ筋アイテムになる。

Bグループは、準主力商品。今後も伸びが期待できるのかを見極め、仕入れ調整や原価を安くするなどの工夫をする。また季節や客の動向でいつでもCグループへ落ちる可能性があるので、品出しの時間や量を記録しておく。

Cグループは、動きが悪ければメニューからの撤収も検討する。新製品ならば期間限定にする。いわゆる死にメニューなので、ここに力点を置くと、経営はどんどん悪くなる。また、この場合単価の安いサラダが属しているが、これは必然的に個々の売り上げ的には下位に入ってしまうだけなので、必ずしも死にメニューとは限らない。料理のバランスとして定食にサラダとか、オムレツにサラダなどのバランス提供という役割も担っている。

個人的に飲食店に行くと、他の客の注文に耳を傾ける。
多くの人が何を頼むかによって、その店のAグループメニューが見えてくる。
それらは必然的に在庫を多く用意して、いつでも組み立てられる(料理として完成できるように仕込んである)準備がされているメニューだ。
反対に、頼んだのになかなか出てこないメニューは「手間がかかるメニュー」というよりも死にメニューなのかもしれないと思うようにしている。何日も前に凍らせた食材の解凍に時間がかかっていると考えるのが自然だろう。

これら個々のメニューが放つ商品としての価値パワーを、メニューブックに反映していく。

===2019年2月12日===



専門学校で一括購入した庖丁。左から三本が日本料理。出刃包丁、薄切り包丁、柳葉包丁。中央の四本が西洋料理。ペティナイフ、ガラスキ、筋引き、牛刀。一番右が中華包丁。鶏や子羊の解体ではガラスキを使った。カツオ、真鯛、アマダイなどの大型魚の三枚おろしでは出刃を使った。中華包丁では横に切って胡瓜を薄くスライスした。 2018年8月9日。

7886.2/11/2019

ここから…16

周辺調査

昨年、私が専門学校のオーナーコースを受講していた頃、近隣の調査をした。
類似店がないか。
飲食店の割合は。
類似店の値段のつけ方と集客の状況は。
客層の動きと年齢層は。

調べる項目はたくさんあったが、実際、私が住んでいる地域は繁華街から離れた小さな商店街があるのみで、調査するほどのこともなかった。

それが年が明けてから状況が変わってきた。

しばらく閉店していた食堂の後に惣菜屋が入った。
大船で飲食店をしていたオーナーがこちらに移ってきた。飲食ではなく惣菜を扱いたかった夢をかなえた。
持ち帰り専門家と思って、10日の日曜日に行ってみたら、テーブルが3つ、カウンターが6席、小上りが一つあって、イートインが可能だった。
入り口で惣菜を頼み、ついでにアルコールも頼むとテーブルに皿に移し替えた惣菜とアルコールが運ばれる。
すべて調理済み食品なので時間的なロスがない。
そもそも惣菜を売り物にしているので、セットメニューは存在しない。
これはなかなか考えた業態だと思った。

長年地域の八百屋だった店が近く閉店する。
これと同時に定食屋を開業するという。
まだオープンしていないが、すでに大工さんが入っていたので、春までにはオープンすると思う。
先の惣菜店と距離にして30メートルぐらいの距離だ。
こちらは八百屋だった場所を使うので広さはかなりある。
八百屋からの転業なので生鮮品の仕入れは強いかもしれない。

これは大変なことになってきた。
競合するお店が次々とオープン。
夜を中心にしているスナックや居酒屋も、昼からオープンの動きがある。

近隣住民にとっては、曜日を選ばず、飲食できる場所が近くにあることは便利なことだろう。
しかし、そもそも観光客や買い物客がほとんどいないエリアなので、住民と勤労者を奪い合うことになってしまう。近く看護学校ができるので、多くの学生や学校関係者もターゲットになる。

幸い、佐々木食堂(仮名)は新しいお店が次々オープンした後でのんびり開業するので、他店との差別化を考えながらコンセプトを構築できる。

同じ料理を同じ値段で出したら、客は近いところを選ぶ。
佐々木食堂(仮名)は、地域の商店街からもやや離れているので、隠れ家的な存在になってしまう。そこを売りにしながらも、高級志向に走らず、他店にはないものを提供する工夫が必要になってきた。

組織で働いていた時はこういうことをだれかが企画して、大勢で議論して、結局大して前例と変わらない結論に達するという繰り返しが多かった。
これからは、こういうことの一つ一つを自分で考え、形にしていかなければならない。
そういう意味では、競合店の存在は、自分を奮い立たせる動機づけの役割があるのかもしれない。

===2019年2月11日===



服部栄養専門学校では通常の講義や実習以外にオプションとしてマスターコースが設定されている。それぞれの料理に特化したコースや経営に関する専門的な講義を受けることができる。私は中華マスターコースを受講した。いわゆる「中華の達人」が実際に来られて、料理を作り、私たちの実習を直接指導してくださった。6月27日は四川飯店の陳建一さんが来られて、四川麻婆豆腐を教えてくださった。 2018年6月27日。

7885.2/9/2019

ここから…15

経営指標

坪日商を教わった。
これは「つぼにっしょう」と読む。

店の一坪あたりの売り上げのこと。
これはアミューズメント、スナック、クラブを除いて、同一エリアでは業態に関係なくほぼ一定だそうだ。

つまり、飲食店、八百屋、クリーニング店と並んでいる商店街では、坪日商という視点から見れば、盛業しているかどうかがわかるということ。

坪日商が1万円以上ならば、超盛業店。8000円以上ならば盛業店。

佐々木食堂(仮名)は、6坪ある。

1500円×10人(ランチタイム)+2000×10(ディナータイム)=35000円。
坪日商は
35000÷6=5833円になる。

住宅街にあって、しかも交通機関からやや遠い場所で5833円の坪日商があれば、そこそこやっていけるかもしれない。

ちなみにカラオケボックスは、坪日商ではなく部屋日商という指標を使っているそうだ。

売上高の構成要素は、客単価と来客数だ。
一人のお客さんが一回の来店で使うお金が客単価。
ランチタイムの客単価を1500円に設定した。10人を目標にしているので、ランチタイムは15000円の売り上げを予想する。
ディナタイムの客単価は2000円に設定した。こちらも10人を目標にしているので、ディナータイムは20000円の売り上げを予想する。
1日平均35000円の売り上げを予想している。

これ以下にならないように、あるいはこれ以上にするようなあの手、この手も教わった。

売れ筋メニューをつかみ、食材の欠品を防ぐこと。
消費者のし好調査が重要になる。
柔軟に新メニューを導入する。

スモールポーションによるオーダー数アップ。
定食に固定すると品出しが固定してしまう。
小皿で追加できる「もう一皿」を充実させていく。
ミニ餃子、半チャーハン、季節の漬物、唐揚げ2つなどを別メニューとして用意する。
ポーションとは量のこと。少量のメニューを充実させる。

広いニーズ対応可能なメニューの構築。
時間帯によって顧客層が異なるので、顧客層の様々なニーズに応じたメニューを構築する。
ランチタイムは昼食を目的としているお客さんが多いので、主食と汁は安定したおいしいものを用意する。汁は季節に応じて具を変更する。
ディナータイムは酒食を目的とするお客さんや、客同士の時間を大切にすることを目的とするので、小皿料理でお酒を補助するメニューを考える。

ロスリーダーで来客数アップ。
ロスリーダーとは損を覚悟で来客数アップをねらうメニューのこと。
定食で考えられるセットメニュー。単品をそろえるよりも定食にした方がお得になる。
タイムサービスも必要。

思えば、自分が客として行く飲食店の多くは、こういった工夫をしていることに気づく。

===2019年2月9日===



専門学校では、調理実習が4科に分かれていた。日本料理。西洋料理。中華料理。そして製菓製パン。これまでの人生でお菓子やパンはまったく作ってこなかったので、卵白を泡立てたり、グラム単位でミルクを計量したり、ものすごく多い砂糖をどっさり使ったりする実習に驚くことが多かった。写真は、パウンドケーキ。オーブンから出して、膨らんでいた時の喜びを思い出す。 2018年6月1日。

7884.2/3/2019

ここから…14

利益シミュレーション

佐々木食堂(仮名)の固定費を考える。

人件費:0円 働くのは私だけ。損益分岐点が12万円の純売上だったので、それを越える利益を毎月大幅に更新するのであれば、自分への給与という項目で経費計上して節税することができる。
安定的に毎月12万円以上の純売上が出るまでは0円とする。

家賃:自宅なので0円。ただし固定資産税は2018年は12万500円だったので、月割りにして10042円を家賃計上しておく。これは変動費の扱いかもしれないが。

リース料:5万円。必要な調理設備はリースにする。おそらく私一代で終わる店なので、高価な調理設備を購入しても、やがて不要になった時、その処分にまたお金がかかってしまう。だから、保守整備もお願いできるリースにする。

減価償却費:6万2400円。仮に内装費に500万円かかったとする。これを7年かけて減価償却すると年間約72万円ずつ減価していく。月々にならすと約6万円。
初期に什器費用として20万円かかったとする。7年の減価償却で月々にならすと約2400円。合計で6万2400円。

一般管理費:4万5000円。光熱費や販売促進費はまったく予想がつかない。電気代、ガス代、通信費は一般の家庭料金よりも大きくかかるだろう。大手居酒屋の平均費用が光熱費で10万円、販促費で8万円なので、その25%と仮定する。

支払い利息:0円。融資は受けず自己資金で動かすので利息は発生しない。

これらを佐々木食堂(仮名)の一カ月の固定費とする。
16万7442円。

ある月、佐々木食堂(仮名)には1人しか客が来なかった。
客単価1500円。原価は500円なので利益が1000円。
固定費は16万7442円。
この月は
1000-(167442+500)=-166942円の赤字になる。
このペースで1年間やると、200万3304円の赤字になる。
笑っていられなくなる。

そこで一念発起。宣伝を努力して何とか毎日1人の客が来るようになった。
客単価1500円。原価は500円なので利益が1000円。
営業日は20日間。
固定費は変わらない。
この月は
1000×20-(167442+500×20)=-157442の赤字になる。

月に1人しか客が来なかった時と、大して変わらないのだ。

さらに奮起して、毎日昼に10人の客が来て、夜に10人の客が来るようになった。
昼は定食なので客単価は1500円。原価率20%にダウン。利益率を上げて80%に。
1500円の定食のうち、300円が原価で1200円が利益。
夜は居酒屋なので客単価は2000円。お酒を出すので平均原価率は15%に設定。利益率85%にする。
2000円の客単価のうち、300円が原価で1700円が利益。
固定費は変わらない。
この月は
1200×10×20+1700×10×20-(167442+300×10×20+300×10×20)=292558円の黒字になる。

この月の純売上は、
1500×10×20+2000×10×20=70万円。
損益分岐点売上高=固定費÷粗利益利率(=1-変動費÷売上高)なので
167442÷(1-120000÷700000)=200051円が佐々木食堂(仮名)の損益分岐点高になる。

毎日、昼に10人、夜に10人。
座席は6席なので、3回転から4回転を目指すと、
200051÷(1500×10+2000×10)=6.7日。
約7営業日で損益分岐点に達する。残りの13営業日の売り上げはすべて経常利益に計上される。

常連客を10人。
たまのリピーターを7人。
一見客を3人。
20人の内訳を想定して、集客を検討しよう。

===2019年2月3日===



製菓製パンの実習課題はクリームの絞り。生涯まったくこういうものとは無縁の生活をしてきたので、自宅に練習クリームを置いて休みの日には繰り返し練習をした。これは後期最終の実習本試験課題。左がデモで右が私の試作。うーん、足元にも及ばない。 2019年2月1日。

7883.2/2/2019

ここから…13

収支ってなんだ?

私は商業関係の講義やセミナーをまったく受講してこなかったので、専門学校でのオーナーセミナーはとても新鮮だった。

その中でとても興味があったのが、原価計算。
お客さんに提供する料理や飲み物には値段をつける。
その値段には材料費などの価格に、人件費や利益を上乗せしている。
商品の値段に占める利益を除いた原価や経費の出し方が原価計算だ。

純売上からから原価や経費を除いたものが営業利益になる。
原価や経費は、大きく「変動費」と「固定費」に分かれる。

変動費は食材費や飲み物代が充当する。
これは売り上げの増減によって変動する費用。
たくさん料理が出れば、当然たくさん材料が必要なので材料にかかる費用は増える。

固定費は売り上げに関係なく定額的にかかる費用。
人件費、賃料、設備使用料、減価償却費、リース料、租税公課、保険料などが充当する。

アルバイトへの給料や光熱費は変動費に含める場合もある。

営業利益を増やすには、変動費を抑制し、固定費を減らすことがポイントになる。
かんたんに言うと、安い材料を使って人件費などの固定を抑制すると利益が増えることになる。

なかなか手に入らない食材を売りにして提供する飲食店は、おいしくて当然だし、値段が高くて当然になるのだ。

そうやって営業をして一カ月の収支を計算した時に、そのお店が赤字になっているのか、黒字になっているのかの分水嶺が「損益分岐点」だ。

Break Even Point(BEP)とも言う。

売り上げに関係なくかかる固定費分をねん出できる売上額が損益分岐点になる。

前回、一日5万円の収入という設定で佐々木食堂(仮名)の収支計算をしたが「5万円かせぐのは大変」という声をたくさんいただいたので下方修正。

がんばって一日2万円が一カ月の平均売り上げにする。

2万円×日数20日=40万円が純売上。
仕入れを抑制して1日平均5000円とすると
40万円-(5000円×日数20日)=30万円が粗利。
固定費が粗利の30%とすると
30万円×0.7=21万円が営業利益。

損益分岐点売上高=固定費÷粗利益利率なので
9万円÷(1-10万円÷40万円)=12万円が佐々木食堂(仮名)の損益分岐点高になる。

おそらく固定費は上下しないと思うので、一カ月に12万円の純売上があった時点で、収支はプラスに転じるのだ。

当然、損益分岐点売上高よりも実際の売上高が、高ければ高いほど優秀なお店になる。

当月の売り上げ予算を40万円とする。
日々の売り上げ予算は曜日によって異なる。
月初めの月曜日、売り上げ予算を1万5千円とする。週明けは集客が伸びないだろうと予想する。
これに対して、実際の売り上げが1万8千円になった。
この比率をP/L比という。
Profit(利益・利潤)/Loss(紛失・損失)は120%になる。
これを毎日チェックして、一ヶ月分のP/L比を算出する。

もしも月間の合計で100%を超えていれば、P/L比の高い曜日傾向を調べ、翌月への予算計画へ反映させる。
反対に100%以下ならば、マイナス要素を探し出し、すぐに対策を練る。

なお、自宅改装の場合はお店部分の固定資産税はお店の固定費として扱えるそうだ。
また、自分一人で働く場合も自分への給料を設定して人件費として計上すると、収支シミュレーションはわかりやすくなるとのことだった。

===2019年2月2日===



服部栄養専門学校調理師(昼間部)1年B組の教室。私はここで1年間の学科受講をした。調理実習は別の実習室を使う。毎朝、7時50分ごろに入出した。ほぼ毎日、最初に入出したのは私だった。 2019年1月15日。

7882.1/27/2019

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収支ってなんだ?

どれぐらいの投資が必要で、どれぐらいの経費がかかり、損益分岐点はいくらなのか。 目標の売り上げと利益はいくらなのか。
これを検証(収支シミュレーション)することによって投資資金の回収実現性がわかる。
商売になるのかを事前に予測する試みだ。

Food and Labor
食材原価と人件費
このFLが売り上げに対してどれぐらいの割合になるのかを想像しておく。
おおむね55%〜69%になるという。
佐々木食堂(仮名)は私一人で営業するので人件費は発生しない。
FLは20%以内になるだろう。

Food and Drink
食べ物と飲み物
売り上げに占める食べ物と飲み物の割合をFD比という。
昼が定食で夜が居酒屋のつもりなので、FD費はおそらく6:4程度だろう。

純売上高
経費を差し引かないすべての収入。
週休2日にするので一ヶ月の営業日は20日なる。
1日平均5万円の収入があるとして、月の純売上高は100万円。

売上総利益(粗利)
純売上高から原材料費を引いた額。
毎日の仕入れ合計を平均して1万円とする。20日間の営業なので、一カ月の仕入れ合計は20万円。純売上高から差し引くと80万円が売上総利益。

営業利益
売上総利益から人件費・諸経費(光熱費・消耗品費・リース代・通信費・広告宣伝費・交通費・その他)・減価償却費・賃貸料を差し引いたもの。
佐々木食堂(仮名)では人件費・減価償却費・賃貸料が0円だ。
粗利の30%を諸経費として支出すると56万円が営業利益になる。

経常利益
営業利益から営業外損益を差し引いたもの。
営業外損益とは、金融機関から融資を受けていた場合の支払い利息が該当する。全額自己資金で開業するので、これは発生しない。

つまり佐々木食堂(仮名)は1日平均5万円の収入があると、月の経常利益は56万円になる。

さて、1日平均5万円の収入を生む算段を考えなければならない。

===2019年1月27日===



日本料理の実習で厚焼き玉子を作った。銅製の玉子焼き器を使って巻き卵を作った。自宅で練習するために日本橋の木屋に行って、小さめの玉子焼き器を購入した。以来、この玉子焼き器で毎朝玉子焼きを作り続けている。 2018年5月4日。

7881.1/26/2019

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大工さん登場

知人に飲食店の改装や建造を任せられる大工さんや設計関係の業者さんの紹介を頼んであった。
そこは、地元で長く生きている特権を最大限に使う。

長く生きていると人とのつながりが心底重要だと痛感することが多い。
人がたくさん住んでいる都心。しかし、隣近所と話したこともないという集合住宅の住民が少なくないという。集団は大きいのに、つながりは小さい。
人から干渉されずに便利な生活ばかり求めても、人生は充実しないと思うのは年寄りの発想なのかなぁ。

何人かの知人に紹介を頼んだあったトップを切って、今日(1月26日)、鎌倉の大工さんが内装工事屋さんとともに来られた。

「設計図面はありますか」
言われて、あわてて探し出す。
そんな「イロハのイ」みたいな準備もできていなかった。

父が亡くなって相続手続きをしたとき、様々な関係書類をいくつものファイルに分けて保管してあった。その中から「土地・建物関係」というファイルを見つけ、設計図面を発見した。振り返ると、しげしげとこれを眺めたことはなかった。

「どんなレイアウトにしますか」
半分からこっちは、カウンターにして客席です。
トイレは手洗いを増設しないと許可が出ないので手洗いをつけます。
厨房はこっち側で床はコンクリートにします。

「厨房の高さは客席の床面よりも下げますか」
はい、一段下げてください。その下に汚水槽を設置します。

「厨房壁面は防火処理が必要ですね」
えー、隣が母屋で住居なので防音処理もお願いします。

「照明はこれ(現在のもの)を生かしますか」
いえ、客席側は埋め込みの暖色LED、厨房側も埋め込みの白色LEDにしてください。
「埋め込む理由がありますか」
掃除がしやすいことと、傘の部分にほこりや油汚れが付着するからです。
「ほーなるほど」

「レンジは通常のものですか」
中華用のレンジを考えています。一人で全部をするのでレンジでそのまま鍋が洗えるようにしたいんです。

「では火力が強くなりますね」
はい、ガス管の交換(直径の大きなものにする)が必要です。本管は道路で湯沸かし器は建物の裏にあります。

「カウンター上部には棚を作りますか」
キープした酒瓶を並べるので、必要かと考えています。

「バスユニットは撤去ですか」
はい、ここの壁も壊してドアをつけ、仕入れ戸口にします。

「調理器材の業者さんをご存知ですか」
いえ、知りません。
「わかりました。付き合いのあるホシザキの営業マンを次回連れてきます」

大工さんからの専門的な質問に、ほとんどよどみなく応じられた。
これはひとえに服部栄養専門学校に通ったからに他ならない。
今まで教わったことばかりだったし、その中で自分ならこうしたいと答えを用意しておいたものばかりだったからだ。

「わかりました。だいたいの図面を作ってくるので、それを見てください」
よろしくお願いいたします。
「急ぎますか」
いえ、9月に開店したいと思っているので、8月中に完成していれば大丈夫です。
「助かります。今、八幡さま(鶴岡八幡宮)の工事が入っていて、かなり忙しいんです」
こんな小さな改装をお願いしてしまって、恐縮です。

===2019年1月26日===



中華料理実習で「油淋鶏」を作った。鶏を丸々一羽そのまま低温の油で揚げていく。金属製の金具を鶏の脇に引っ掛け、左手で持ちながら右手のお玉に油をすくって頭から何度も何度もかけていく。油が高温だと外側ばかり熱が通って、内側が生になってしまうので全体に均等に油をかけ続けるのが難しかった。最後は一羽ごと油の中に入れて火を通す。網バットにあげて、油を切って、手羽とモモなどの部位別に庖丁を入れる。頭部はなんと縦半分にカットして左右に分けて皿に盛った。 2018年12月7日。

7880.12/31/2018

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厨房プランを考える。

面積は19.44u。坪数ではだいたい6坪。
そのうちの半分を厨房に充てるので3坪。
畳にすれば6畳だ。

必然的にカウンター形式のセミオープンキッチンになる。

バイトを使ってだれにでも調理できるようにするには、電気調理器が便利だがコストが高い。
私一人でオペレーションをするので、ガスが熱源の中心で十分だ。

動線は主にカウンターを挟んだ厨房内を左右に動く。
何度も左右を往復しないように食材出しから組み立てまでを一方通行で完成させたい。

食材は魚介、野菜、肉が中心になる。
魚介は鎌倉は坂の下の漁師さんと契約をして早朝に仕入れに出かける。
漁から戻ってきたところで、旬の魚を仕入れ、その場でさばく。
内臓やえらなど不可食部分は海鳥のえさにする。漁師小屋にまな板と包丁と研ぎ石を置かせていただく。
野菜は趣味で野菜作りをしている畑の師匠から調達する。
地域通貨運動の畑にも2つの大きな畝を借りたので、そこではジャガイモを人にお金を払って育てていただく。
肉は地元の精肉店から仕入れる。

このほかに定食を出すので、米の調達も考えなければならない。
また飲料のストックと業者選びも必要になる。

店まで運んでくれる業者については、配送間隔のチェックも必要になる。毎日小刻みに配送してくれるのか、数日おきなのか、注文ごとになのか。それによって一回の注文量が決まってくる。たまにしか配送してくれない場合は、多くの注文が必要になり、それだけストックスペースを広くとらなければならない。

ゴミ出しの可能時間を確認する。
家庭ごみではないので、飲食専門の廃棄業者と契約する。ギャベジストックスペースという、いったんごみをためておく場所の確保も必要だ。

講義では「物件の選定」「賃貸契約」「居抜き物件」「家賃相場」も教わったが、自宅改装の佐々木食堂(仮名)には、これらはあてはまらないので考えなくてもいい。

===2019年1月19日===



日本料理の実習で天ぷらを揚げた。それぞれの食材の特徴を教わりながら、鍋に張った油を海と呼ぶなかに具材を泳がせた。もちろん天つゆも合わせ出汁をひいて用意した。天ぷらの下に敷く「懐紙」。慶事では右が前にくるように折り、弔事では左が前にくるように折るのだそうだ。写真では左が前に来ているので、法事などの折り方になった。 2018年7月13日。