7879.1/13/2019
ここから…9
厨房設計の基本パターン
飲食店における厨房は、心臓だ。
それぞれのお店のコンセプトにあった厨房があれば、ほぼ料理人はとても仕事がやりやすい。
厨房は大きく分けて3つに分かれる。
・フルオープンキッチン
これはキッチンと客席の間に仕切りを作らず、壁も立てない。
客はキッチン内のすべてを見渡せる。
新しいお店は、このレイアウトをよく採用しているそうだ。
スタッフが適度の緊張感をもってオペレーションにあたることになる。また客は火や食材が見えるのでシズル感が高くなる。
ただし、キッチンとホール間に壁がないので棚の設置ができず、収納スペースがとりにくくなる。
・セミオープンキッチン
厨房の一部セクションをカウンター形式でレイアウトし、壁を立てて後ろにキッチンを設ける。割烹やベーカリーなど大規模店で採用されている。
作業のうち見せたくない部分を隠すことができる。面積が広くとれる。
ただし、作業が分断されるのでスタッフが多く必要になる。
・クローズキッチン
キッチンと客席間に仕切り壁があり、キッチンが全く見えない。古いタイプの飲食店はほとんどこのレイアウトだ。
オペレーション時の音漏れが少ないので、客は落ち着いて食事ができる。
ただし、シズル感がない。料理人からは客の反応が見えない。
佐々木食堂(仮名)は、狭いのでクローズキッチンを採用する。
カウンター形式でテーブルとキッチンの間に仕切りを立て、オペレーションは客の視界からは外す。これは中華的手法で調理するので、どうしても油とびや炎が多くなるので安全面からもテーブルとは一定の境を設けるためだ。
業態別の厨房面積比率はFD比(食事と飲み物の割合)が2:8のバー業態では15%から20%。5:5のカフェ、居酒屋業態では18%から25%。8:2のレストラン業態では25%から55%。
できる限りキッチンを狭くしてホールを広くとりたいが、全体の面積が狭い佐々木食堂(仮名)では最低限のキッチン用品を設置するだけで面積比率は5:5になってしまうだろう。
飲食店の坪単価は、商業用地なので一般住宅よりもはるかに高い。都市部、繁華街では居酒屋業態で坪単価は60万から100万だそうだ。
その意味では土地も建物も借り物ではないので、ここは費用が発生しない。
キッチンに入れる器材の主な値段。
4面冷凍冷蔵庫、90万円。
製氷機(30キロ)、45万円。
ガスオーブン、28万円。
電子レンジ、21万円。
コールドテーブル、36万円。
焼き台、11万円。
シンクとキャビネット、50万円。
炊飯器、3万円。
フライヤー、28万円。
これらを7掛けで購入すると220万円だ。
リースでまかなえるものはリースで契約しようと考えている。
===2019年1月13日===
調理実習を年間を通じて実施してきた。それぞれの部門(日本、西洋、中華、製菓製パン)で徐々に難易度が上がっていく。1月に入って日本料理で風呂吹き大根を作った。その時、大根を菊花に切る方法を教わった。目で見て、実践するという単純な方法だが、年末年始に大根をたくさん桂剥きしていたので、包丁の扱いに少し慣れたかもしれない。
2018年1月11日。
7878.1/12/2019
ここから…8
飲食店の設計と施工は通常の住宅とは異なり、食品衛生法を熟知していないと、完成してから保健所からの営業許可がおりない場合がある。
ひどい場合は、床のコンクリートをはがしてやり直しになるという。
だから、飲食店を専門にやっているコンサルタント会社や施工会社にお店作りを頼もうと思ってきた。
そこで、服部栄養専門学校で半年間お世話になった講師の方が在籍されている会社に年始に連絡をとった。
すぐ講師の方ご本人からお返事をいただいた。
「いよいよ開業に向けてキックオフですね。
おめでとうございます
(中略)
しかしながら、佐々木様の印象通り、弊社は企業様の飲食店案件を扱うのがメインの会社であり
個人事業主様の案件ではおそらく金額の面で折り合いがつかないかと思われます。
(内容にもよりますが数百万にはなるかと思います)
ご依頼にお応えできず、まことに心苦しいのですが、事情をご賢察いただきご容赦のほどお願い申しあげます。
ただ、佐々木様のマスターコースでのコンセプトシートや質問シートでの内容を見させていただきましたが
企画としてその構想が実現可能かつ、目的を達成する事ができるだろうという魅力に溢れているものに
私は感じました
カウンターのみ6席程のお店でしたらまずはご自分が思うままに開業されてみてはいかがでしょうか?
メニューやデザイン、ディスプレイは同じような業態で盛業している店舗を参考にして
最終的にこのお店にどんな方が来店し、どのように楽しんでいらっしゃるのかを想像しながら
開発していけばよろしいかと思います
外部コンサルなどを入れるのは開業後、不調になった時に考えても良いかと思います」
(失礼ながらご本人に無断で掲載しています)
残念ながら断られた。
しかし、個人開業へ向けてちゃんと具体的な方向を示してくださって、ありがたかった。
講義を受けなかったら、飲食店のコンセプトシートの書き方すら私は知らなかったのだから、それだけでも感謝すべきだ。
小さいながらも開店の秋には一報を入れたいと思った。
年始から、気持ちを引き締めた。
立ち飲み仲間で長年タクシー運転手をされたいた畑の師匠に、飲食店専門の設計事務所や大工の紹介を願った。ほかの立ち飲み仲間で長年映画や舞台関係の仕事をしてきた方にも同様の紹介を願った。
ここからは、ひとが財産だ。
まずは信頼できるひとを仲介にして、新しい出会いを求め、そこから夢の実現へ向かっていきたい。
===2019年1月12日===
西洋料理で鶏を丸々一羽解体した。ガラすきという肉専用のナイフで順番に解体した。胸肉ともも肉を最終的には熱したフライパンで焼き(ポワレ)、白ワインソースで食べた。若者や女性は最初は気持ち悪がっていたが、ひざの関節を外してそこから三本の太い腱を引き出し、操り人形のように押し引きをしたら足の指が動いたので、そこからはじゃんけんをして楽しんでしまった。
2018年10月3日。
7877.1/8/2019
ここから…7
・カウンター・テーブルの基本パターン
カウンター・テーブルには3つの基本パターンがある。
1.対面型
2.ワンウェイ型
3.リターン型
対面型はカウンターに席を置かず、スタッフが客と対面してドリンクやフードを提供する。客は別の場所のテーブルにフードを運んで飲食する。
ファーストフード店でよく採用されている。カウンターに席がないので、どこからでも飲食物の出しと下げが可能。一時に大量のオーダーをさばきやすい。
ワンウェイ型はカウンタに席があり、席の両端に出し専用、下げ専用を分ける。出し下げが別なので作業効率がいい。ただし、出し下げのスペースに席が置けない。また、両端の客にとっては出し下げの音をうるさく感じてしまう。食器の洗浄、調理、提供が一方通行でできる。
リターン型は出し下げが一か所で狭い店に適している。席が多くとれ、出し下げ音をうるさく感じるのも一か所ですむ。食器の洗浄、調理、提供が同じ場所に集中するので、作業効率が悪くなる。
佐々木食堂(仮名)は、キッチンとホールを私一人が担当する。
キッチンで作った料理や注文のあった飲み物を、ほぼカウンター越しに渡すことになるだろう。変形対面型になるだろうか。ちゃんと握る寿司屋や、カウンターだけの焼き鳥屋と同じイメージだ。
カウンターの奥行きは700o以上あるとゆったり感が出せる。
店内全体の面積との兼ね合いになるが、客が食事をする空間としてのカウンターは、広くとりたい。
イスの座面。左右の中心と隣りのイスの左右の中心との距離をピッチという。
ここが席をいくつとるかに関係してくる。坪あたりの席数が算出される。
一般的に居酒屋はピッチが550o前後。それ以上ならゆったり感が出せる。
カンターの高さはローカウンターが居酒屋や小料理屋では主流だ。
床面からカウンタートップまで700o。イスの座面とテーブル(カウンター)トップの高低差は270oから300oが望ましい。イスの座面と床面との高低差は420oから430oが一般的だ。
カウンター関係の必要器材には、生ビールディスペンサー、製氷機、リーチインショーケースがある。
生ビールディスペンサー容量の算出式(一日あたり)
(ビールグラス容量ml×70%×満席率席数×ビール受注比率×回転率)÷1000ml
一般的に生中は435mlで生大は700ml。お店では生中を500mlのグラスで出すとしよう。
席数は仮に6席とする。
昼と夜で受注比率が異なるので平均して50%とする。
昼が4時間、夜が4時間営業する。一日、5回転すればいいだろう。
(500×0.7×6×0.5×5)÷1000=5250ml
5?強が一日に出る生ビールの量になる。業務用生ビール樽は10?、15?、25?がある。試算をもとにすると10?を2日に一度交換することになるだろうか。
製氷機で氷を使う量の算出式(一日あたり)
(氷のグラスあたりの使用量×席数×回転率×氷使用アイテム比率×ストック4倍÷ロス比率)÷1000g
グラスに3個から4個入れるとして20gぐらいだろうか。
日本酒やホットコーヒー、生ビールは氷を使わないので使用アイテム比率は70%程度か。業務用で日産製氷能力が小規模なものは20kgタイプがある。
下がってきたグラスに氷が残っているロス比率は半分以下と願いたい。
(20×6×5×0.7×20000×4÷0.3)÷1000=112000g
季節によっても違うだろうが、一日に112kgもの氷を使うことになる。仕入れた魚介類の保存にも使うのでこれぐらいが妥当かもしれない。
リーチインショーケースはグラスを収納する棚のこと。店で使用するグラスを調え、寸法を割り出して棚を設計すれば、無駄な空間ができないだろう。
*===2019年1月8日===*
衛生学の講義でクラス全員が自分の顔の細菌調査をした。鼻と口の周辺に調査用紙をあてて、一週間培養した結果がこれ。黄色ブドウ球菌がたっぷり登場した。どんなに清潔にしていてもひとの顔には黄色ブドウ球菌が日常的に付着していることが証明された。切り傷や膿にはときに増殖する。ピアスのように人工的に開けた穴の周囲には永久的に黄色ブドウ球菌が繁殖しているのだそうだ。
2018年9月27日。
7876.1/7/2019
ここから…6
2018年の夏は学校が休みだったので、出店を目指す地域で盛業している飲食店、とくに自分が開店を目指す業態の飲食店をリサーチした。
リサーチの視点は、専門学校で教えられた。
私の住む大船は鎌倉といっても、北部にあり、横浜市と接している境界エリアだ。JR大船駅はホームが鎌倉市と横浜市に跨っている。柏尾川という大きな河川が昔から氾濫を繰り返してきた。そのために駅周辺は住宅地よりも商業地が発展した。
松竹が長い間、撮影所を構えていたので日本映画が隆盛だった頃は、松竹城下町として栄えた。当時の商店街、仲通り商店街は今も当時の面影を残している。単位面積当たりの飲食店の割合が日本一だ。
現在の大船は松竹が撤退し、大手企業の資生堂も撤退。かつての経済繁栄は下火になった。ドラッグストアとパチンコ店が増加し、飲食店もチェーン店が多くなった。
東海道線、横須賀線、京浜東北線、湘南モノレールと鉄道だけで4線が乗り入れているので、交通の要所としての役割は大きい。
多くの観光客は、大船駅から横須賀線で次の北鎌倉とその次の鎌倉へ向かう。
現存している大きな企業は住友電工と三菱電機、芝浦電機。これに中小の工場がいくつかある。しかし、企業が接待費を経費として認めていた時代は遠くに去り、スナックやバー、割烹店が接待に使われることはほとんどなくなった。
24時間営業のカラオケ、居酒屋が近年増加してきたが、これで利益が上がっているのだろうかと心配になるほど、多くの客が集まってはいない。
私はアジを中心とした料理を出そうと考えているので、アジを出す店を中心にリサーチした。
一般的なのはアジを使ったフライ定食、刺身定食だった。叩いてなめろうにする店もあったが、ご飯のおかずではなく酒の肴だった。
ご飯と味噌汁、香の物をつけて1000円から1500円が主流だった。
大船は年金生活者が昼にランチを食べにくる割合が多く、高齢者が定食とともに生ビールなどのアルコールを頼む光景が珍しくない。すると一食当たり2000円前後になる。お店としてはランチから安定して客単価2000円とれるのでありがたいのだが、それだけに家賃がとても高い。
仲通りに面した店の一階だと月に100万円以上はするそうだ。仲通りに垂直に交わる斜の通りでも一階は50万円前後はするそうだ。
利益よりも店の広告としての価値に特化したチェーン店が増えていくのは仕方がない。
そんな中で、最低でも3年以上営業し続けている店を中心にリサーチした。
生ビールは500円から600円。
中瓶は600円から700円。
アジフライ定食は850円から1200円。
アジ刺身定食は800円から1200円。
アジたたき定食という名前で刺身定食を出している店もあった。
アジのなめろう定食は1400円前後と高かった。
単品のアジ酢、南蛮漬けは400円から700円。
私がリサーチした夏のアジは、卸値が安い。冬場に脂が乗る魚なので夏は値段が安くなる。築地では過去5年で8月は平均で1キロ350円程度だ。しかし2018年8月は近年になくアジが不漁だったので1キロ平均700円まで値が上がっていた。
今年の豊洲初セリでは高値で1620円、安値で1080円をつけている。脂の乗った冬場のアジと夏のアジとでは卸値で5倍ぐらいの開きがある。不漁で高騰した昨年でも2倍の開きがある。
よく鮮魚店のパックで2尾から3尾入って売っている中型のアジはだいたい200グラム程度。昨年8月1キロ700円のアジだったとしたら、1尾140円が卸値になる。今年正月の初セリのアジだったとしたら1尾高値で324円が卸値になる。
卸値で倍以上違うアジだが、飲食店では季節によって値段を上下することはほとんどない。
また、アジは可食部といって食べられる部分が全部ではない。キロ単価で購入しても「捨ててしまう部分」まで買うことになるので、最終的に料理にするときに、そこに上乗せせざるを得ない。
そう考えると、頭までばりばり食べられる開き定食が安くなるのはうなずける。
盛業店の調査で講師から与えられた視点。
・料理のボリューム
・見た目
・サービス力
・店の立地
・価格
・客層(年齢層、人数、男女比)
・来店の動機(接待、食事、疲労回復、飲酒メイン)
そのため、同じ店でも昼だけでなく時間を変えて夜も行くようにとの指示だった。
私が調べたのはアジが中心だったが、他にもイワシ、サザエなど鎌倉の海でとれる魚介類についても調べた。サザエは決して安くないとは思っていたが、イワシがアジに匹敵する値段だったのにも驚いた。
イワシは早く腐る魚なので、流通で鮮度を保持するのは費用がかかるのかもしれない。
鎌倉の朝どれイワシなら、その日のうちに調理できるのでアジと同様にメニューに入れてもいいとわかった。
*===2019年1月7日===*
実際に開店した時に魚介類の提供をお願いしている鎌倉は坂の下漁協「信栄丸」。漁の様子を見学させていただいた。午前2時半ごろに出漁した。この日は前日に仕掛けた蛸のかごを引き上げた。
2018年8月5日。
7875.1/6/2019
ここから…5
1.基本計画期間に20日間
2.基本設計期間に20日間
3.実施設計期間に22日間
これらに時間をかけ、約2ヶ月が過ぎると、いよいよお店の工事が始まる。
昨年の春から新宿や渋谷、恵比寿へ通うようになって、一口に飲食店といっても様々な種類の店が開店していることに驚いた。
その中でも講座でも登場したのだがNEO食堂という業態が興味をひいた。
ちなみに業態とはお客様目線の店の見え方、これに対して業種はお店目線の見え方。
品物が特定されている場合、米屋や酒屋は業種になる。
これに対して、野菜も売るし飲み物も売るスーパーは業態になる。
蕎麦屋は蕎麦を売るので業種だが、居酒屋や刺身もあるし酒もあるので業態だ。
お金がたくさんあって、時間もたっぷりある一部のひとには業種ばかりのお店で十分だろうが、多くのひとは一つの店で多くの品物が選べる業態の方が求められるだろう。
だから、業種を売り物にしている店に行って、そこにふさわしくないものを求める客がいたら、常識を逸していると判断しよう。
具体的には寿司屋という業種で、そこにふさわしくない「ワインはないのか!」と注文をつける客のこと。
講師の言葉
「NEO酒場は居酒屋の原点、大衆酒場の精神を受け継ぎ、個性的な若いオーナーが今の感覚で展開している業態です。そこに昼主体のカフェのようなセンスを取り入れて作ったのがNEO食堂と言われている業態になります。なつかしい大衆食堂のような雰囲気はありつつも、今のトレンドの食材、インテリアを取り入れた特徴のあるお店作り、戦略で盛業している業態です」
私が目指すのはこれだと感じた。
昼や定食、夜は居酒屋。懐かしさを取り入れながらも、若い子連れ家族や看護学生も気軽に入店できるトレンド感も用意しておきたい。
飲食店の一坪あたりの席数には目安がある。
同じ面積で席がたくさんあれば集客数が多いので、客単価(一回の食事で客が払う金額)は下げられる。反対に席が少なければ集客数が少ないので、客単価は上がってしまう。
だいたい坪2席だと客単価は500円から1000円。これはカフェやファーストフード店。
坪1.5席だと客単価は2500円前後。これは大衆居酒屋。
坪1席だと客単価は8000円から10000円前後で、高級レストランや和食店のイメージ。
これを考えるとカウンターしかない狭い寿司屋で、一人5000円近く飲み食いすると、お店にしてみればとてもありがたい客ということになる。
店内環境も設計段階では重要な要素だ。
講座を受けていなければ、私はあくまでも客目線でしか考えられなかった。
知人の多くもそうした客目線のアドバイスをたくさんしてくださる。
しかし、講座ではそこで働くひとの立場からの店内環境という視点を教わり参考になった。
・作業効率を考えたレイアウト
・汚れにくく、掃除のしやすい環境
・備品収納とオペレーション性
・機会損失を少なくするための席の取り方
これらはデザインに優先する事柄で、作業動線を熟考するようにと強調された。
客が求めるのは雰囲気と居心地なので、これを壊してしまう効率性は排除すべきだが、雰囲気と居心地ばかりを優先しないようにとのことだった。
無駄な動きが多いキッチンは、調理に時間がかかり、客を待たせてしまい、熱いものが冷めてしまう。結果として客を満足させない店になる。
またコックの疲労がたまり、不愛想な態度が店の雰囲気を悪くしてしまう。
私の体力と根性で乗り切れない部分。そこは今後、加齢とともに増えていくので、労働環境としての店、仕事場としての店という観点は、確かに重要だと認識した。
*===2019年1月6日===*
服部栄養専門学校の学園祭。私は中華料理の龍虎園で二日間で700杯の高菜ご飯をよそい続けた。一回100g-110gのポーションだった。最初はいちいち軽量したが100杯をこえたあたりから計らなくても、ほぼぴったりよそえるようになった。一日6時間以上、昼飯抜きで同じ場所に居続けたので、足首がむくみ、くるぶしが見えなくなった。
2018年11月10日。
7874.1/5/2019
ここから…4
実施設計
・展開詳細図
店内のすべての方向から見た詳細な図面を作成していく。
一口に棚を作るといっても、棚に使う素材やその厚みはどうするのかなどを具体的に図面に記していく。
それにより、そこに収納される皿やコップの枚数や個数が決まってくる。
いくつかの詳細図面例を見ながら受講した。
そのなかで、カウンター形式の展開詳細図が参考になった。
客がテーブルとして使うカウンター。その裏側から、いすの座面までの距離にはいくつかのパターンがあることを知った。ここが狭くなってしまうと大きな体形の客は窮屈だし、反対に広すぎると小柄な客はカウンターを高く感じてしまう。
カウンターからはキッチンが見えるので、カウンターテーブルの延長上の一部を厨房まで伸ばす。ここを「のみこみ」と呼ぶそうだ。厨房ではのみこみと調理台との間に隙間を作り、ここに客からは見えない調味料や準備した料理を隠しておく。
・照明計画図
明るさの単位はルクスだが、一般的に飲食店は客に落ち着いたムードを演出するために、客席にはあまり白色蛍光灯は使わない。
間接照明の電球や、傘のある電灯を用意する。なかには美術館のように壁に固定した可動式の照明を使う店もある。
厨房は、煙や油、高温の影響があるので、天井に埋め込み式の照明が有効だ。
佐々木食堂(仮名)は南面を大きなガラス窓とエントランスにするので、昼間は太陽光を有効に使いたい。夜は居酒屋にするので、客の疲れをいやすような照明設備にしたい。
・設備設計基本計画図
厨房には、飲食専門の設備が配置される。
食品衛生法によって、必ず設置しなければならないものもあり、厨房面積を有効に考える必要がある。
食材や途中まで作った料理、あるいは完成させた料理を保管する冷蔵庫と冷凍庫は必要不可欠だ。これは店まで業者の方が配達してくれた時に検品してすぐに収納できる位置に設置する。
カトラリーや鍋、フライパンなどを自動的に洗う洗浄機はとても便利だ。
飲み物や魚介類の保存に使う氷を作る製氷機は、様々な種類がある。
コンロは火を使うので安全上、カウンターとは反対側に壁に沿って配置する。
オーブンやフライヤー、ミキサー、サーバーなどもメニューによっては必要になる。
調理設備は、専門の業者が販売しているのだが、とても高価なので、レンタルにしようかと思っている。レンタル料金が発生するが、メンテナンスなどのケアを業者が担当するので故障への対応が安心だ。また、おそらく私一代の店なので高額な調理設備を使わなくなる日が来ることも想定しておかなければならない。
シンクは法律で2つ以上設置しなければならないので、場所をとる。
そこでお店では洗い物は手洗いにして、食洗器は入れない。
こういったことを検討し完成させているのは6月頃だろうか。
6月といえば、父の三回忌を施主として執り行う。
企業や学校などの組織から解放された生き方をしているだろうから、身動きは自由になっていると信じたい。
*===2019年1月5日===*
恵比寿にある食器専門店「ハーベスト」。本来はローヤル物産という飲食店向けの食器やカトラリーを専門に提供する問屋が経営している小売店。講義のなかで、この店を紹介していただき、ゴールデンウイークに足を運んだ。飲食店で扱う食器は消耗品なので、あまり高価なものを使うと割ったり欠けたりしたときの損失が大きい。だからといって、安価で芸術性のないものばかりだと味気がない。だから専門店で目を養うことは必要だと思った。2018年5月3日。
7873.1/4/2019
ここから…3
基本計画が完成したら、基本設計期間に入る。
だいたいゴールデンウイーク明けぐらいになるだろうか。
基本設計
・平面図
プロのデザイナーに頼むことになるだろう。
上から見た平面図を作成し、坪あたりの席数と厨房比率を割り出していく。
厨房で作った料理を客に提供するやり方をフルサービスと呼んで、高級レストランのようにサービスの方がテーブル近くまで来て子羊をカッティングするようなサービスと区別する。
フルサービスでは、ホール部分はテーブルとイスのみでいいので、サービスのスタッフがカッティングする空間を確保する必要がない。
フルサービスでの居酒屋や喫茶店、カウンターのみのバルなどでは坪あたり1〜1.5席が通常だ。
以前は厨房面積が狭く、客席面積が広い飲食店が多かったが、昨今はほぼ半分ずつという飲食店が多くなっている。
これは食品衛生法の改正により、厨房に設置しなければならない器材や設備が多くなり、狭いと収まりきらなくなったという事情もある。また、衛生的にも、労働環境的にも厨房が狭いのは料理人にとって働きにくい職場なので敬遠されてしまうという現実的な理由もある。
佐々木食堂(仮名)は坪面積で10.5。半分を厨房にするとして、客席部分は5.25坪。1坪1席から1.5席にすると、だいたい6席から8席だ。テーブルを設置したら、もっと席数が減ってしまう。これは利益の減少につながるので、カウンターのみが有効だろう。
・展開図
店の側面すべてから見た図面を作成する。
これは「高さ」が見えてくるので、棚の位置や窓のサイズ、調理台の高さなどが明確になる。
またイメージだけだったファザード(入り口側側面)が具体的な図面になる。
多くのひとが使う厨房を想定していないので、調理台の高さや収納棚は、私の身長を基準に設計する。厨房内をコックが左右に動く設計は、あまり望ましくないと言われる。移動が多ければ、それだけ調理に時間がかかり、客を待たせてしまうからだ。また労働的にもハードになり、疲労が蓄積する。
上下の動きで調理の多くが完成する設計が望ましく、左右に動く場合は、どちらか一方の動きで最後に料理が完成するようになっていると、ミシュランレベルだそうだ。
カウンターのみの店に行くと、私は料理人の左右の動きを観察してしまう。
ひんぱんに左右に動くのに、ちっとも料理が完成しない店は意外と多い。これは店の設計に関わったひとの責任なので料理人が不幸に思えてしまう。
・天井伏図と照明配線図
どこに照明器具を配置し、その明るさと電力、どこを電源にするかを決める。
客席に対応した照明があるかどうかを確認し、厨房ではコックの手元に照明があたるかも確認する。
照度は食品衛生法で規定されていて、勝手な明るさにすると営業許可がおりない。
一般的には客席には柔らかい光の電灯が望ましく。厨房は蛍光灯などの白色系の明るい照明が望ましい。
照明はお店の雰囲気を決定づけるので慎重に考えたい。
夜も営業するので、客の気持ちになって明るさを演出したい。
落ち着いた雰囲気が望まれているだろうから、暖色系の柔らかい光が中心になるだろう。
また清掃でもっとも苦労するのが天井なので、照明器具はあまり天井から出っ張った形よりも、埋め込み式の方が清掃しやすい。
天井からコードが垂れていて、傘の内側にほんのり街灯のような明かりが灯る店がある。あれは清掃と衛生という観点からとらえると、コードと傘の外側にたまる埃の清掃をしないと、料理や客に埃が降ってしまう可能性がある。
・デザインパース
図面で示された店をファザードやバー、ダイニング、あるいは外観などとして具体的なデザインに描く。
図面では示せない情報も組み込んでいく。
床面の素材、ファザードのデザイン、看板の位置、カウンターの形状、日よけの有無などを具体的に盛り込んでいく。
デザインパースまでくると、イメージだけだった店がかなり具体的なかたちとなって出現する。
「知人や友人の方が多く、その人たちだけ来ていただき、お店が成り立つのであればよろしいかと思いますが、そのような店はほとんどありませんので、やはり一見のお客様でも気軽に入れる魅力的な店づくりが必要だと思います」
オーナーマスターコースの講師は、毎回、学生から出される質問に丁寧に応じてくださった。これは私からの質問(店づくりの基本とは)への返答。
なるほど、知り合いだからという理由でお金を出してくれるのは、最初の一回限りと考えて、未知の方との出会いを基本に考えないといけないと覚悟した答えだった。
*===2019年1月4日===*
2018年4月17日。中華料理実習の年間予定。一週間の時間割を見て「中華実習」と書かれている枠と、この実習予定を照合して何を作るのかを判断する。使用する包丁が料理によって異なるので、実習予定の把握はとても重要だった。2018年中に、12番の油淋鶏まで終了した。
7872.1/2/2019
ここから…2
飲食店を開業するには、地元の保健所から営業許可証を取得しなければならない。
これを規定してるのは食品衛生法だ。
専門学校の学科では、もっとも登場する法律だ。
毎年、少しずつ改正されるので、最新の情報を学習しておかないと開業してから法律違反で検挙されるケースもある。
この法律で規定している飲食店には、広さの規定はない。
つまり、どんなに狭くても要件を満たせば許可される。
通常の住宅を建設するのとは異なり、キッチンの床下に汚水を処理する装置を設置しなければならないなど、法律が規定している内容は細かい。
だから、住宅専門の大工さんには仕事を頼めない。
よのなかには、飲食店を専門に扱う大工さんがいることを教わった。
また、計画段階から開店までの一連の流れすべてをコーディネートする専門会社の存在も知った。
2018年の春から秋まで隔週土曜日にオプションで選択した服部栄養専門学校の「オーナーマスターコース」で講師をされた方も、そういう会社からの派遣講師だった。
ちなみに、このオーナーマスターコースは学生ばかりではなく、一般の方も受講できたので、中高年の起業を目指す方も参加していた。
退職してすぐに飲食店を開業しようと思っていた私。
これだけのことで、すぐに開業しないで専門学校に通ってよかったと思った。
何も知らなければ地元で知人のつてを頼っていたことだろう。
専門ではない業者が飲食店を作り、いざ開業前の保健所の点検で、すべて作り直しを命じられることがあるとのことだ。
店舗設計の基本は、設計の流れを明確にすることだ。
大きく4つの段階に分かれる。
1.基本計画期間に20日間
2.基本設計期間に20日間
3.実施設計期間に22日間
4.設計監理業務と工事期間におよそ45日間
3ヶ月とちょっとが必要になる。
基本計画
・前提条件を整理し現地調査
立地はどのようなところか。
想定する客層は何か。
地上階なのか、高層なのか。
これに関しては、私は自宅改装なのですでに固定した条件が整っていた。
・ラフ平面ゾーニング
お客さんが過ごす店内でのゾーンについてのおよその考えをまとめる。
静かに食事を楽しむダイニングエリア、ボトルや飲み物を選んで楽しむバーエリアなどの配分を検討する。
これに関しても、そもそもそんな広い面積が確保できないので当初は検討外だった。しかし、小さいながらも改装する自宅には庭があるので、そこにテーブルを置いて春や秋には屋外でのメニューを考えてもいいかと思うようになった。
・店舗イメージコラージュ
立体的に店舗のイメージをイラスト化していく。
とくにファザードと呼ばれる入り口のイメージは重要だ。お客さんが得る最初の情報が店の入り口なので、ファザードをどのように作るのかは検討しなければならない。
ほかに、店舗内のイメージもイラスト化して、全体として調和するように修正していく。
イメージはイラストにしにくければ、実際のお店を写真に撮影して「〇〇のような」感じという表現でもいいそうだ。
佐々木食堂(仮名)は、小さな自動車道路から20メートルぐらい坂道を上った住宅の一角だ。
JR大船駅から湘南モノレールで一つ目の「富士見町」という駅から歩いて5分。周囲にある目印は、鎌倉市の「こもれび温水プール」と「レーベンスガルテン山崎」という公団住宅。どちらも地元のひとにしかわからない目印なので、一般のひとにもわかる宣伝の工夫が必要だ。
江ノ電不動産が開発した住宅地が広がり、今は高齢者ばかりが多く住む。
近くの公団は多くの世帯が入り、子育て世代も多い。
さらに数年後には近くに看護大学ができる予定がある。
鋳物専門の工場と特殊塗料専門の工場があるが、ここで働いているひとたちがランチなどで来店するには、歩いて10分ほどあり抵抗があるかもしれない。
面積は地上階のみの19.44u。
小さな店なのでフロアーをゾーンで仕切ることはできない。
ファザードは坂道の途中から見てわかるような工夫をしようと思う。2階にはかつて父が暮らしたリビングがあるので、2階のベランダに看板を出すことができる。
店内のイメージは入り口から右側が縦長のフロアー、左側がキッチン。客席はカウンターのみで6席から8席。カウンター上部にアルコールキープ用棚を設置する。キッチン側のカウンター上部にはカトラリー収納の棚を設置する。
*===2019年1月2日===*
2018年4月11日。専門学校に入学してすぐに教室の壁に貼られた教科書一覧。どの講義に何の教科書が必要かを示している。これに限らずだが、専門学校では重要な情報が印刷物配布されず、ほとんど掲示物によって知らされた。スマホのようなカメラ付き携帯電話を全員が所持していることが前提になっていた。
7871.1/1/2019
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2018年3月31日をもって、私は神奈川県職員を辞職した。
1985年4月1日に採用されてから、ちょうど33年間勤務した。
なんにせよ、一つ仕事をオリンピックにして8回分以上も連続してやり通したので、後悔や不満はなく、充実の幕引きだった。
そして、2018年4月に服部栄養専門学校に入学した。
すぐに自宅を改装して飲食店を始めたかった。
調理や料理への興味はずっと抱いていた。公務員は兼職ができないので、在職中は飲食のアルバイトはできなかった。大学時代に居酒屋で深夜までアルバイトを4年間続けた経験しかなかった。しかし、家族や友人へ自作の料理を提供したり、授業のなかで子どもたちと皮から餃子を作ったり、食にかかわることは続けていた。
家族に退職と転職を相談したのは2017年の秋だった。
退職はすぐに了承された。
しかし、転職は家族も友人も反対した。
素人でつとまるものではないから、飲食店でしばらくアルバイトをするか、調理師資格がとれる専門学校で、基礎を学んだ方がいいとのことだった。
55歳を過ぎて飲食店で雇ってくれるとは思えなかったので、専門学校の面接を受けた。
外国からの留学生がとてもたくさん会場に来ていて驚いた。
ひとにものを教える立場から、反対の学ぶ立場への大転換。
最初は、緊張と新鮮さで気持ちが張り詰めたが、20歳前後の若者たちやミドル世代との学生生活にどんどん慣れていった。
学校だから、避難訓練があった。運動会も文化祭もあった。遠足(校外研修)もあった。資格取得のために実際の店で働く校外実習もあった。衰えた記憶力を奮い立たせる試験も。
専門学校には、職業訓練校としての使命があって、学生たちに卒業後の就職まで面倒をみる。私のように、再び企業や会社に就職するつもりがない学生は少数だった。
「保護者の期待は、資格だけでなくて、就職もセットだから」
教員の一人が教えてくれた。
同じクラスに、同年代の男性がいたことはとても心強かった。長年、システムエンジニアとして世界各国で生活しながら仕事をしてきた方で、とても頼もしかった。卒業後は瀬戸内の小さな島で、少ない住民相手に小料理屋をやる予定だという。
彼や私のように、オーナーとしての開業を目指す選択コースがあった。半年間、それを受講して、飲食店をオープンするのに必要な基本的な知識や計算方法も教わった。
「いつか、そのうちにオープンしようではいつまでもお店はできません。自分で開業日を決めて、それを周囲に伝えて、逃げ道を無くさないと準備はできません」
講師の方の教えを受けて、2019年9月のオープンを心に決めた。
いよいよ元旦を迎えた。
これまでおぼろげに考えていたお店の姿を、ここから具体的なかたちへ練り上げて行く。
すべてが初体験だが、それを記録代わりに記していけたらと思う。
*===2019年1月1日===*
2018年11月20日。鎌倉市常盤の「ちんや食堂」で8日間の校外実習を行った。
写真はまかないランチ。長谷へ向かう県道脇のお店で、駐車場に入る車を待ちながらランチを食べていた。
7870.12/31/2018
2018年12月
1日、セブンイレブンジャパンは、東京都内のフランチャイズ加盟店に店頭にある灰皿の撤去を要請した。受動喫煙対策として対応を始めた。
3日、無線呼び出しサービス「ポケットベル」を全国で唯一展開していた東京テレメッセージは、2019年9月でサービスを停止すると発表した。約50年で役目を終えることになったそうだが、まだ使っているひとがいたということに驚いた。
同日、2018ユーキャン新語・流行語大賞でトップ10に入賞した尾畠春夫さんは受賞を辞退した。スーパーボランティアとしての受賞だったが「うれしくも悲しくもありません。私は当たり前のことをしているだけです」とのこと。貫く信念に脱帽。
4日、JR東日本は2020年に開業する田町駅と品川駅間の新駅を「高輪ゲートウエイ」にすると発表した。公募された焼く64000件の130番目の同名が選ばれたことに疑問の声が噴出した。
同日、千葉県の老人ホームで同僚職員らに睡眠導入剤を飲ませ交通事故を起こさせて殺害した罪に問われた72歳の被告に対して、千葉地裁は懲役24年の実刑判決を言い渡した。
5日、ハロウィンで軽トラックを横転させた事件で警視庁は実行者を特定し、20歳から27歳の会社員や美容師ら4人の男を暴力行為等処罰違反で逮捕した。
6日、衆議院で改正水道法が可決成立した。これは民間業者の導入を促進する法律で、水道料金の値上げやサービスの低下が懸念されている。
7日、世界保健機関(WHO)は、世界で年間に135万人が交通事故で亡くなっていると発表した。これは24秒に1人が亡くなっていることになる。
8日、参議院で改正入管難民法が可決した。外国人労働者の受け入れ拡大が2019年4月から認められることになった。
9日、国際電気通信連合は世界のインターネット利用者が2018年末までに約39億人になると発表した。地球全人口の51.2%になる。史上初めて過半数になった。
14日、2017年6月東名高速であおり運転で停車させられたワゴン車の夫婦がトラックに追突され亡くなった事故で、あおり運転をした26歳の男に懲役18年が言い渡された。危険運転致死傷罪が適用された。
16日、札幌市で飲食店が入る建物で爆発があった。不動産会社で消臭スプレーを室内で100本以上ガス抜きをして給湯器を点火して引火したことが原因だった。奇跡的に犠牲者はいなかった。
18日、世界経済フォーラムは2018年の男女格差報告書を発表した。男女平等差で日本は149か国中110位だった。
19日、2015年に中学生2人を殺害したとして殺人罪に問われた48歳の男に対して大阪地裁は死刑を言い渡した。弁護側は即日控訴した。
21日、厚生労働省は2018年の人口動態統計の年間推移を発表した。出生数は最小だった前年をさらに下回り92万1000人となった。
22日、新潟県高校野球連盟は2019年春季大会から投手の投球制限(100球まで)の同州を発表した。
日本国内では、65歳以上の人口が増え続け、新しく生まれる子どもの数が減り続けた。この傾向は最近のものではなく、近年連続している傾向だ。
しかし、白寿者は増加し、平均寿命も伸び続けている。
長生きの高齢者が増え、生産性人口が減り続けた社会が間近に迫っている。
やがて遅かれ早かれ、外国人労働者に頼らざるを得ない時代がやってくるのだ。
しかし、自立した生活を送れる健康寿命は平均寿命ほど伸びていない。
これは、何らかの介護や介助、あるいは施設での寝起きが必要な高齢者が増加していることを意味する。それにかかわる家族の精神的肉体的経済的負担がどんどん重くなる。
社会福祉や医療費も必要になるが、日本の税制はまだまだ公共投資に重点が置かれ、福祉・医療・教育は後回しだ。さらに軍事費が不気味に増加し続けているのも気にかかる。
2019年も、このような大きなうねりに変化はないだろう。
痛ましい事件や、悲しい事故、切ない自然災害が少しでも減り、幸いを共有できるひとの輪が広がっていく日々になることを願いたい。