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7859.12/14/2018

2018年1月

元旦は鶴岡八幡宮へ初詣をして帰宅。屠蘇を飲みながら実業団駅伝大会(ニューイヤー駅伝)を観戦した。優勝は旭化成。去年に続いての連覇達成。
箱根駅伝は青山学院大学が史上6校目の4連覇を達成した。

4日、日本相撲協会が貴乃花親方の理事職を解任した。その後、部屋が解散し力士は他の部屋へ移り親方は廃業した。

6日、元プロ野球選手の星野仙一さんが亡くなった。70歳だった。現役時代を知っているので格別の思いがした。

8日は成人の日だった。振袖レンタル業者「はれのひ」がこの日閉店し、契約者に振袖が届かなかった。社長は26日の会見まで雲隠れした。

19日、週刊文春の記事がもとになって、小室哲哉さんが芸能界を引退した。
同日、オウム真理教が起こした一連の事件の刑事裁判がすべて終結した。なんと22年半もかかった。

21日、全日本卓球選手権で10度目の優勝を狙った水谷選手を破り張本選手が14歳で史上最年少優勝をした。

22日、京都大学iPS細胞研究所の助教が研究論文を捏造していたことが発覚した。

23日、群馬県草津白根山が噴火。訓練中だった自衛隊員が被災。部下をかばった上司に噴石が直撃し死亡した。

24日、中国科学院神経科学研究所は世界で初めてクローン猿の誕生を成功させたと発表した。霊長類のクローン誕生はひとにも応用でき、世界に衝撃を与えた。

26日、仮想通貨取引所「コインチェック」が不正アクセスにより、約580億円を流出させた。流出した580億円の回収に関するニュースは、その後聞いていない。

31日、納豆メーカーのタカノフーズやあづま食品が27年ぶりに納豆の卸売価格を値上げすると発表した。

嘘やごまかし、バーチャルワールドの事故が発覚。
大きな自然災害も発生。
「はれのひ」事件で被害を受けたひとたちへの弁償はどこまで進んだのだろう。
まったく仕組みがわからないが仮想通貨で流出した580億円で被害を受けたひとたちのもとに、コインチェックはどれだけ返済したのだろう。

7858.12/12/2018

畑の肉、大豆...2/2

大豆食品の代表例が納豆。大豆食品の代表例が納豆。
私は一週間に二回以上は食べている。

体内で長時間かけて徐々に消化、分解、吸収するのが一般的だ。
タンパク質がペクトンになり、さらにポリペプチドとなりアミノ酸まで分解される。
ところが、納豆は加工によって体外で一気にポリペプチドまで分解してくれる。
体内ではアミノ酸にするだけなので、きわめて短時間で効率よくタンパク質を体内に取り込むことができる。

納豆菌は、腸内の善玉菌を増殖させ、乳酸菌を強く長く続かせる。さらに、腸内の悪玉菌を減らす。整腸作用、消化促進作用、免疫増殖作用がある。

納豆に含まれる酵素がナットーキナーゼ。血栓を溶かす働きがある。
脳梗塞、狭心症、心筋梗塞の予防に役立つ。

血栓の予防効果を最大に生かすには、朝食ではなく夕食にとるといい。

血栓ができると血液が濃くなる。これは就寝後、夜中から明け方にできやすいので、夕食で「口に入れる」ことで就寝中にナットーキナーゼが体内で血栓を溶かしてくれるのだ。
ナットーキナーゼ(酵素)は熱に弱い。長く加熱すると死滅するので味噌汁に入れるよりそのまま食べた方がいい。

ワルファリンという心臓の薬がある。血をかたまりにくくする作用がある。
納豆、青汁、クロレラには血液を固める作用があるビタミンKが含まれていて一緒にとると効果が薄まるので、納豆は禁止食。

降圧剤を服用する方が、グレープフルーツと一緒にとると薬の作用が増強され血圧が下がりすぎるのと同じだ。

納豆ネバネバの糸の正体。
納豆菌はグルタミン酸をもつが、かき混ぜるとこれがポリグルタミン酸になる。
たくさんかき混ぜると、ポリグルタミン酸が絡み合い、糸状に伸びてネバネバが安定する。しかし旨味成分のアミノ酸の量は変わらない。旨味そのものも変化がない。
たくさんかき混ぜたからと言って、おいしくなるとか、栄養成分が増すという科学的な証明はないので、そのまま食べても栄養的にはまったく問題がない。

さらにコリンという高血圧の予防や脳機能の維持に必要な物質を大豆は含む。
これは、神経伝達物質(アセチルコリン)の材料となる物資。アセチルコリンは、血管を拡げて血圧を下げる働きをもつ。また、細胞膜を構成し動脈硬化を防ぐ、レシチンの材料でもある。
コリンが不足すると高血圧や動脈硬化の危険性が増す。
記憶力をはじめとする脳機能の維持にもコリンが必要。また、脳神経細胞の記憶形成を助ける働きもある。
豚や牛のレバー、卵黄、大豆製品、えんどう豆、牛肉、豚肉に含まれ、認知症を防ぐ。

このほかに、大豆サポニンが血液を綺麗にする。
過酸化脂質を排除して油を溶かす。老化、がん化、生活習慣病を予防する。
大豆に含まれるえぐみ、渋味、苦味の主成分であり、煮た時に出る泡に含まれる。
苦味、しゅうけん味といった不快の原因や溶血作用をもつ有害物質であると言われてきたが、現在は評価が見直されている。

灰汁として除去するのはもったいない。

高脂血症を予防し、体内に過酸化脂質ができるのを防ぐ。
高血圧、動脈硬化の改善 血液中のコレステロールや中性脂肪を排除する。
抗酸化作用があり、ガンを予防する。脂肪の代謝を促し肥満を予防。便通効果もある。
大豆加工食品に多く含まれる。
納豆0.09-0.1%、高野豆腐0.35%、豆乳0.05%、豆腐0.05%、味噌0.9%、おから0.02%。
味噌汁は大切な汁物だ。

ただし大豆サポニンには欠点がある。
抗甲状腺作用のあるヨードの取り込みを阻害してしまう。
大豆の多食は、甲状腺腫になりやすいが、日本人はヨードの多い海藻類を多食しているので、大豆を食べる割には甲状腺腫の割合が少ない。

大豆サポニンの働き
植物油(不飽和脂肪酸)は空気と光で過酸化脂質になりやすい。
ここに大豆サポニンを1mlたらすと過酸化脂質を抑え、抗酸化力が大きくなる。

大豆そのものや、加工食品は調理してたくさんメニューに組み入れていこう。
私は一週間に二回以上は食べている。

体内で長時間かけて徐々に消化、分解、吸収するのが一般的だ。
タンパク質がペクトンになり、さらにポリペプチドとなりアミノ酸まで分解される。
ところが、納豆は加工によって体外で一気にポリペプチドまで分解してくれる。
体内ではアミノ酸にするだけなので、きわめて短時間で効率よくタンパク質を体内に取り込むことができる。

納豆菌は、腸内の善玉菌を増殖させ、乳酸菌を強く長く続かせる。さらに、腸内の悪玉菌を減らす。整腸作用、消化促進作用、免疫増殖作用がある。

納豆に含まれる酵素がナットーキナーゼ。血栓を溶かす働きがある。
脳梗塞、狭心症、心筋梗塞の予防に役立つ。

血栓の予防効果を最大に生かすには、朝食ではなく夕食にとるといい。

血栓ができると血液が濃くなる。これは就寝後、夜中から明け方にできやすいので、夕食で「口に入れる」ことで就寝中にナットーキナーゼが体内で血栓を溶かしてくれるのだ。
ナットーキナーゼ(酵素)は熱に弱い。長く加熱すると死滅するので味噌汁に入れるよりそのまま食べた方がいい。

ワルファリンという心臓の薬がある。血をかたまりにくくする作用がある。
納豆、青汁、クロレラには血液を固める作用があるビタミンKが含まれていて一緒にとると効果が薄まるので、納豆は禁止食。

降圧剤を服用する方が、グレープフルーツと一緒にとると薬の作用が増強され血圧が下がりすぎるのと同じだ。

納豆ネバネバの糸の正体。
納豆菌はグルタミン酸をもつが、かき混ぜるとこれがポリグルタミン酸になる。
たくさんかき混ぜると、ポリグルタミン酸が絡み合い、糸状に伸びてネバネバが安定する。しかし旨味成分のアミノ酸の量は変わらない。旨味そのものも変化がない。
たくさんかき混ぜたからと言って、おいしくなるとか、栄養成分が増すという科学的な証明はないので、そのまま食べても栄養的にはまったく問題がない。

さらにコリンという高血圧の予防や脳機能の維持に必要な物質を大豆は含む。
これは、神経伝達物質(アセチルコリン)の材料となる物資。アセチルコリンは、血管を拡げて血圧を下げる働きをもつ。また、細胞膜を構成し動脈硬化を防ぐ、レシチンの材料でもある。
コリンが不足すると高血圧や動脈硬化の危険性が増す。
記憶力をはじめとする脳機能の維持にもコリンが必要。また、脳神経細胞の記憶形成を助ける働きもある。
豚や牛のレバー、卵黄、大豆製品、えんどう豆、牛肉、豚肉に含まれ、認知症を防ぐ。

このほかに、大豆サポニンが血液を綺麗にする。
過酸化脂質を排除して油を溶かす。老化、がん化、生活習慣病を予防する。
大豆に含まれるえぐみ、渋味、苦味の主成分であり、煮た時に出る泡に含まれる。
苦味、しゅうけん味といった不快の原因や溶血作用をもつ有害物質であると言われてきたが、現在は評価が見直されている。

灰汁として除去するのはもったいない。

高脂血症を予防し、体内に過酸化脂質ができるのを防ぐ。
高血圧、動脈硬化の改善 血液中のコレステロールや中性脂肪を排除する。
抗酸化作用があり、ガンを予防する。脂肪の代謝を促し肥満を予防。便通効果もある。
大豆加工食品に多く含まれる
納豆0.09-0.1%、高野豆腐0.35%、豆乳0.05%、豆腐0.05%、味噌0.9%、おから0.02%。
味噌汁は大切な汁物だ。

ただし大豆サポニンには欠点がある。
抗甲状腺作用のあるヨードの取り込みを阻害してしまう。
大豆の多食は、甲状腺腫になりやすいが、日本人はヨードの多い海藻類を多食しているので、大豆を食べる割には甲状腺腫の割合が少ない。

大豆サポニンの働き
植物油(不飽和脂肪酸)は空気と光で過酸化脂質になりやすい。
ここに大豆サポニンを1mlたらすと過酸化脂質を抑え、抗酸化力が大きくなる。

大豆そのものや、加工食品は調理してたくさんメニューに組み入れていこう。

7857.12/11/2018

畑の肉、大豆...1/2

大豆は必須アミノ酸組成が良好で、とくに植物では唯一リジンを多く含んでいる。

命の源と言われる栄養成分であるアミノ酸。
1806年にフランスでアスパラガスから発見されたアスパラギン酸が最初のアミノ酸と言われる。
その後、1935年までにたんぱく質を構成するすべてのアミノ酸が発見された。
アミノ酸はなんと隕石のなかに微量に含まれていたので、地球以外にも生命体がいたと考えられる痕跡となった。
5億年前の三葉虫の化石からもアミノ酸は発見されていて、生命そのものを生み出す物質として研究が進んでいる。

ひとの体は口から入るものだけでできている。
ひとの体は60%が水分で20%がたんぱく質などのアミノ酸でできている。
体重が50キロのひとの体には10キロのたんぱく質が存在し、筋肉や内臓、ヘモグロビンやコラーゲンなど、からだの組織を作り、そのたんぱく質を構成している成分がアミノ酸だ。

たんぱく質に含まれるアミノ酸は20種類あり、そのうち9種類は体内で合成されず、食べ物として摂取する必要がある。これを必須アミノ酸という。
前期の栄養学の試験課題で、9種類のアミノ酸を覚えた記憶がある。

トリプトファン、ロイシン、リジン、イソロイシン、バリン、スレオニン、フェニルアラニン、メチオニン、ヒスチジン。
おー、ちゃんと覚えているものだ。

・疲れが取れない
・寝つきが悪い
・髪がパサパサする
・肌荒れが気になる
・免疫力の低下
・成長の阻害
・ホルモンバランスの異常
・精神面へのダメージ
・筋力の低下
・生理不順
・アレルギー症状
・動脈硬化
・体のむくみ
・集中力低下

これらはアミノ酸不足によって起こることがわかっている。
極端な場合は死に至る。

口からとるしかない必須アミノ酸たちの役目はすごい。

トリプトファン(精神安定、安眠効果、抑うつ症状緩和)
ロイシン(筋肉強化、肝機能向上、タンパク質の合成)
イソロイシン(成長促進、血管拡張、神経機能・肝機能向上)
リシンorリジン(カルシウムの吸収強化、体組織修復、ホルモン・酵素の生成、ブドウ糖代謝促進)
バリン(タンパク質の合成、成長促進、血液中の窒素バランス調整)
フェニルアラニン(精神安定、抗うつ症状改善、食欲抑制、鎮痛効果)
メチオニン(抗うつ症状改善、アレルギー症状軽減、ヒスタミンの血中濃度を下げる)
ヒスチジン(成長促進、ストレス軽減、神経機能のサポート、子どもに合成できない成分)
トレオニン(脂肪肝の予防、新陳代謝の促進、成長促進、肝機能のサポート)

激しい運動をしても、仕事が忙しくても、風邪をひいても、高齢になっても、アミノ酸を含む食べ物が体の調子をもとに戻すことがわかる。

この必須アミノ酸をバランスよくたくさん含んでいるのが大豆だ。

1873年のウィーン万博で出品された大豆にドイツの学者が興味を抱いた。栄養分析をしてリジンを多く含み動物性食品に匹敵していることを発見した。
自分たちで育てようとしたが、まったく育たなかった。大豆には地中に根粒菌という細菌が必要だが、欧州の土壌には根粒菌がないので大豆は育たなかったのだ。

現在世界の大豆主要生産国はアメリカ。
アメリカでは遺伝子組換え作物として栽培し、殺虫や消毒がいらない品種が育てられている。
今の日本では遺伝子組み換え作物の栽培は禁止されているが、これらを原料にした食品は生活の中にあふれている。
大豆の話とは直接関連はないが、遺伝子組み換え作物を使った食品は自然界にないものが原料なので安全性が問題視されている。また最大の危険性は特定の種を単一の企業が独占しているので、利益がすべてそこに集約されてしまうということだ。
清涼飲料水や缶コーヒーをよく飲む方は原材料に「異性化糖」という表示ないかどうかチェックするといい。甘さを出すために砂糖の代用品として使われているが、この原料は90%以上がアメリカ産の遺伝子組み換え作物であるトウモロコシから作られたコーンスターチだ。

大豆は人体にとても有用だとわかったが、生では食べない。
大豆の繊維構造が緻密で消化液が馴染まないからだ。
解決するには加熱して煮豆にするか粉砕してきな粉や味噌にする。加熱して粉砕すると消化良好となる。

また、膵臓から分泌されるトリプシン(膵液タンパク質分解酵素)の活性化を阻害する物質を含む。これをトリプシンインヒビターと呼ぶ。
トリプシンは十二指腸で食物のたんぱく質を分解する働きがあり、膵臓から分泌される。しかし、何らかの原因で膵臓内で活性化して膵臓自体を消化する膵炎を引き起こす。この活性化を阻害するのがトリプシンインヒビター。
以前はあまり良くない物質と考えられていたが、現在ではインスリンを増加させる役割があることがわかってきた。

膵臓は消化液(トリプシン)の貯蔵所であり、インスリンホルモンの分泌場所でもある。
インスリンはランゲルハンス島から分泌される糖質代謝に必要なホルモンで、血糖値の恒常性維持という大きな働きをする。
インスリンが不足すると1型糖尿病や2型糖尿病を発病する。
インスリンが不足すると細胞に取り込めないブドウ糖が血液中にあふれて筋肉や内臓のエネルギーとして使われないので、糖尿病になる。
1型糖尿病は、小児糖尿病とも呼ばれている。インスリン依存型で、自己注射による治療が一般的。糖尿病全体の5%。
2型糖尿病は、食べすぎ、運動不足が原因で、40歳以降に多く、贅沢病とも呼ばれた。糖尿病全体の95%を占めていて、ほとんどが2型と言える。

世界中で日本人の平均寿命がとても高いのは医療科学の発達も理由の一つだが、大豆を含む食生活も大きく関係していると、注目されている。

7856.12/10/2018

卵と牛乳

後期の食品学1で扱った内容を復習しながら記憶に定着させたい。

卵(鶏卵)と牛乳は、ともに完全栄養食品であり、良質なタンパク質に富んでいて、さらに必須アミノ酸のバランスがいい。

ひとの体は口から入るものだけでできている。
おもに、動物からはタンパク質と脂質をとり、植物からは糖質とビタミンとミネラルをとる。
五大栄養素をとるには、動物と植物を組み合わせる必要がある。

卵と牛乳には、凝固条件に違いがある。

卵のたんぱく質アルブミンは、熱と塩と酸で凝固が促進(タンパク質を固める)する。反対に砂糖で凝固が抑制(タンパク質を固まらせない)される。

例えば、炒り卵に塩を入れるとポロポロになり、砂糖を入れるとふんわりする。
アルブミンの凝固には水が不可欠だが、砂糖には保水性があり水を抱え込んでしまうため、アルブミンが凝固しにくくなる。
また、ゆで卵のゆで汁に塩か酢を入れると、卵が割れた時、こぼれた卵白の凝固を進めるので卵白の流出を防ぎ、上手に仕上げることができる。

ゆで卵の卵黄の青黒色を防止する方法

1)沸騰後15分以上ゆでない。完熟卵なら沸騰後13分程度でいい。
2)火を止めたらすぐに水に放つ。そのまま放置すると加熱が続行してしまう。
これで大丈夫。

青黒色の原因は硫化第一鉄。
卵黄の鉄と卵白の硫化水素が加熱によって化学的に結合し硫化第一鉄(青黒色の物質)になる。硫化水素が中心の卵黄部分まで到達するのに15分かかる。だから13分で水に戻せば硫化水素は中心への到達をやめて、反対に外に分散していく。
鉄は硫化水素を好む性質があり、加熱によってどんどん硫化水素を抱き込もうとするので、抱き込んでしまう前に加熱を止めればいいという考え方だ。

同じ例として、カニ缶やエビ缶がある。
カニ、エビの缶詰を開けると缶の内側に薄い白い紙が入っていてカニやエビを覆っている。あの紙は硫酸紙という。
カニ、エビの肉(卵白と同じ)は硫化水素を含む。ブリキ缶の内側(卵黄と同じ)は鉄を含む。二つが結合すると硫化第一鉄を発生させてしまう。直接の接触を防ぐために硫酸紙が挟まれている。
硫酸紙は水にも油にも強い。
ほかにも、内側をエナメルで塗装したエナメル缶を使う方法がある。

卵の凝固温度について。
半熟卵は卵白が凝固し、卵黄が半流動状態の卵。だから、卵白の方が凝固しやすいと考えがちだが、実際は違う。
これは反対の状態の温泉卵が証明している。
温泉卵は卵黄が凝固し、卵白が半流動状態の卵。
65-68度の湯を用意する(67度が適当)。ここに卵を入れて67℃をキープしながら、30分後に引き上げると、温泉卵ができあがる。70℃にしてしまうと卵白も凝固し始めるので注意が必要。

卵白は70-73度で凝固し、卵黄は65-68度で凝固する。わずかな温度差だが、卵黄の方が固まりやすいことがわかる。

牛乳の場合はどうだろうか。

牛乳のタンパク質カゼインは酸でのみ凝固する。塩と熱では凝固しない。ここが卵とは異なる。
有名なのは、カッテージチーズ。牛乳にレモン汁を加えるとカッテージチーズができる。また、乳児が牛乳を飲みすぎて吐いた時、牛乳は胃酸で固まって吐しゃされる。
また牛乳と乳酸菌でヨーグルトができる。

9ヶ月の実習で卵はどの調理でも扱った。
製菓ではケーキの材料になり、メレンゲ作りでは腕がしびれた。
中華ではチャーハンに使い、熱した鍋に投入しご飯と混ぜて勢いよくかきまぜた。
西洋ではオムレツで登場し、毎日、自宅で練習の日々だ。
日本では出汁巻玉子で出汁と合わせて裏ごしするという贅沢な使い方をした。

それぞれに塩や砂糖、酸を使って凝固を促進したり抑制したりした。
卵の特性を理解すると料理の幅が広がると思った。

7855.12/9/2018

脂肪酸について...2/2

多価不飽和脂肪酸よりも多く摂取したほうがいい一価不飽和脂肪酸で有名なのはオレイン酸だ。
オレイン酸を多く含むのはオリーブ油。

地中海型食事と呼ばれるヨーロッパ地中海沿岸の食生活では、オリーブ油を常食している。これに魚介類、野菜類、ナッツを加えて料理にする。
虚血性心疾患(心筋梗塞、狭心症)の死亡率が少ないことがわかっている。さらに、減量効果もある。

オリーブ油は、オリーブの実を絞ったもので、特有の香りと旨味がある。
つまり、地中海料理は健康に有利だということがわかってきた。

オリーブ油は、ヨーロッパでは古来より高級な油で、シーフードサラダやマリネに使われる。
その中でも、とくに体の調子をととのえるのが、エクストラバージンオリーブオイル。
抗酸化力が、とても強い。
抗酸化物質としてのポリフェノールが豊富。動脈硬化、アルツハイマー、認知症の予防効果が報告されている。
酸化に強いのはオリーブの実が、太陽の光を燦燦と浴びて育つとき、紫外線による酸化を抑える成分がポリフェノールだからだ。

オリーブ油をうまく使った料理を考案していきたい。

分子の構造による分類ではなく、炭素に数による分類もある。
脂肪酸の数が少ない(2-8個)ものを短鎖脂肪酸と呼ぶ。有名なのは酪酸(バター、生クリーム、チーズ)。
反対に多い(16-26)ものを長鎖脂肪酸と呼ぶ。有名なのはステアリン酸(牛脂、豚脂)、リノール酸、EPA、DHA。

その中間にあたるもの(10-14)を中鎖脂肪酸と呼び、昨今注目を浴びている。有名なのはラウリン酸(ココナッツオイル)。
消化吸収良好なので、すぐに燃焼する。中性脂肪がたまりにくいので、肥満防止に役立ち、皮下脂肪になりにくい。飽和脂肪酸にもかかわらず、水溶性なのでコーヒーのホワイトナーとしても使われている。

反対に、口には入れてはいけないかもしれないと考えられ始めたものがトランス脂肪酸。

これは人工的に作り出した脂肪酸で、長持ちがして安価、からっとした食感が調理油として広く流通した。
しかし、肥満、アレルギー疾患、認知症のリスクを高めることがわかってきた。
植物油(不飽和脂肪酸)に水素を加えた硬化油。動物性脂である飽和脂肪酸の代用品。

含有量の表示義務があるのは、カナダ、台湾、韓国。アメリカは使用禁止になっている。
WHOは摂取目標値として総エネルギー量の1%未満としている。
ところが、日本では表示義務がない。そもそも平均摂取量が0.44-0.47%なのでWHOの基準を下回っているからという理由だそうだ。
トランス脂肪酸は市販のピザに平均1.11g、ハンバーガーに平均0.72g(一食当たり)。
マーガリンに平均7g。ショートニングに平均13.57g、なんと最大値31.21gも含まれている(ともに100gあたり)。

お店ではトランス脂肪酸を使った調味料や料理は出さないようにしたい。

7854.12/6/2018

脂肪酸について...1/2

専門学校では実習ばかりではなく学科もある。
栄養学、食品学、衛生学が中心となった講義が行われる。
これまで、何となく知っていたことが、科学的に理解できるので、個人的にはとても楽しい。

その中でも私は食品学の講義が好きだ。

年内最後の食品学1(便宜上1,2,3と講義は分かれている)が昨日終わった。
食品学2は前期で終了。食品学3は後期から開始。食品学1は通年。

ひとの体は口から入るものだけでできている。
口から入るもののうち、炭水化物、脂質、たんぱく質は昔から三大栄養素と呼ばれ、これらがないと体は不調に陥ることが分かっていた。

脂質は1gで9kcalの熱量を発生させる効率のいいエネルギー源だ。
ちなみにほかの2つは1gで4kcalの熱量を発生させる。

30歳から69歳の成人に必要な1日の摂取エネルギー量は2000kcal。
そのうち脂質からの摂取は20-25%。つまり400-500kcalが脂質由来のエネルギー。
1gから9kcal発生するので、400-500kcal÷9kcal/gで50gの脂質を摂取する必要が生じる。

脂質はグリセロール(アルコールの一種)に3つの脂肪酸が結合した中性脂肪がほとんどを占める。ひとの口に入る脂質も、ほとんど中性脂肪だ。
中性脂肪は口から入ると1gにつき9kcalのエネルギー源として使われる。
使われない中性脂肪は皮下脂肪として蓄えられる。
中性脂肪は、体温を保持し、臓器を外力から守る大事な役割を果たしている。

中性脂肪を口に入れないと、体温が低下し、臓器が壊れやすくなる。死に至る危険性がある。

中性脂肪を構成する脂肪酸にはいくつかの種類があり、その分類方法も一つではない。
分子構造に着目した分類が炭素の水素の結合方法によるものだ。
脂肪酸は炭素と水素と酸素を含んだカルボキシル基によってできている。
一つの炭素から4つの腕が伸びていて2つの腕が水素と結びつき、残りの2つがとなりの炭素とつながる鎖状の構造をしている。鎖の最後にカルボキシル基がしっぽのようについている。

完全にすべての炭素が2つの水素と2つの炭素と手をつなぐ脂肪酸を飽和脂肪酸と呼ぶ。
これに対して、いくつかの炭素が4つの腕のうち1つだけ水素と結び、1つを隣りの炭素と結び、2つを同時に隣りの炭素と結ぶ構造をもつ脂肪酸を不飽和脂肪酸と呼ぶ。

1日に摂取したほうがいい脂質50gのうち、望ましい内訳は
7:3=不飽和脂肪酸:飽和脂肪酸=35g:15g となる。

不飽和脂肪酸は植物性が多く、飽和脂肪酸は動物性が多いので、簡単に言うと、植物油7:動物脂3の割合が望ましい。

さらに不飽和脂肪酸は炭素が2つの腕を隣りの炭素と同時に結ぶ(二重結合と呼ぶ)数がいくつあるかによって、一つの一価不飽和脂肪酸と二つ以上の多価不飽和脂肪酸に分かれる。

1日に摂取したほうがいい35gの不飽和脂肪酸のうち、望ましい内訳は
多価不飽和脂肪酸15g:一価不飽和脂肪酸20g となる。

一価不飽和脂肪酸が重要だということがわかる。

さらに1日に摂取したほうがいい多価不飽和脂肪酸のうち、望ましい内訳は
n-6系12g:n-3系3g=4:1 となる。

n-6系はオメガ6系ともいう。二重結合が最初の炭素から数えて6番目の炭素にある脂肪酸をn-6系脂肪酸と言い、リノール酸が有名だ。
n-3系はオメガ3系ともいう。二重結合が最初の炭素から数えて3番目の炭素にある脂肪酸をn-3系脂肪酸と言い、α-リノレン酸が有名だ。魚油に含まれるエイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)もこの仲間だ。

リノール酸を含む食品は胡麻油、サフラワー油、大豆油。
α-リノレン酸を含む食品はえごま油、あまに油、くるみ油。

多価不飽和脂肪酸としてはリノール酸を含む食品が重要だということがわかる。
ちなみにえごま油、あまに油、くるみ油は加熱してしまうとα-リノレン酸が壊れてしまうので生での食用が必要だ。

7853.12/2/2018

大船駅11時1分発の湘南新宿ラインで恵比寿へ向かう。
土曜日の昼前。恵比寿はクリスマスの飾りで埋め尽くされていた。
地下鉄日比谷線に乗って一駅の広尾で降りる。

着付けとヘアーメイクをする妻は挙式の2時間前に式場に行くことになっていた。
私は借り物のモーニングを切ればいいので15分前でいいと言われていた。

まずは夕刻からの披露宴に備えて腹ごしらえ。
広尾から南麻布を歩く。垢ぬけた町並みにはおしゃれなレストランが並ぶ。
披露宴は洋食だろうから、それ以外はないものかとメイン通りを外れた小道を歩く。
創業半世紀という古い蕎麦屋を見つけた。
美可和屋。
そばのつけ麺がランチセットになっていた。そばにクロレラを練りこんでいて茶そばのような色をしていた。

食後、着付けをする妻と別れ、ぶらぶら南麻布を歩く。住宅街の中にひっそりとスイス大使館やボスニアヘルツェゴビナ大使館があって驚いた。
木立の奥に立派な公共建築を発見した。
都立中央図書館。見たこともないでかい図書館で、スタッフも蔵書もとても多かった。
裁判事例コーナーで過去の判例集を見ながら、ビールの酔いが回って夢の中へ。
目覚めてから隣接する有栖川公園で新郎の父として挨拶の練習をした。
銀杏の黄色い葉が風で降る。
売れない役者がセリフの練習をしているみたいだった。

15時過ぎに式場に行く。
慣れない借り物のモーニングを切る。シャツの袖についていたバンドの意味がわからず適当に緩めたら、上着を着てわかった。シャツの袖が上着から出てしまうのを防ぐものだった。

人前式という挙式では、新郎新婦よりも私の方が緊張した。

披露宴は約70人の列席を得てにぎやかなパーティーだった。
二人でプランナーと相談しながら流れや準備を進めたという。
妻も私の妹も、サプライズのエスコート役が回ってきて驚きながらも感涙していた。
私は前日に立ち呑み仲間が添削してくれた新郎の父の挨拶をぶつぶつ覚えながら、本番では原稿をあまり見ないで話すことができた。

・主賓の言葉をメモして挨拶に盛り込むこと
・衣装や会場のスタッフへの感謝の気持ちを盛り込むこと

この二つは列席者にもスタッフにも感動を届けることができた。
あらためて仲間の心意気に感謝した。

挙式も披露宴も実際には、商業主義の延長上にある。
そのことはわかっていても、成長した子どもが多くの人前で主人公として立ち居ふるまう姿を鑑賞することは、気持ちのいいものだった。
そういや、この宴会費用の半額は俺が負担したんだと気づいてからは、ワインもビールもどんどんおかわりしまくった。

7852.12/1/2018

昨年の6月、父が亡くなり、葬儀で喪主をした。
今年の3月、33年間勤務した公務員生活を退職した。

そしてきょう、息子の結婚式で新郎の父をやる。
挙式前に新婦側親族と顔を合わせて、新郎側親族の紹介をする。
挙式では何をするのかわからないが、それっぽい場所に座っているのだろう。
披露宴では最後に両家を代表した挨拶をする。飲み放題だが挨拶をすることを覚えておかなければならない。

人生にはいくつかの転機があるという。
大学を卒業して神奈川県職員として公務員生活を始めた1985年4月から、人生にはいくつかの転機があった。
結婚、出産、転居、異動、祖父母の死、父母の死。
そんな転機の中で、昨年から続く一連の変化は「折り返し点」以上に私の日常を変えている。

あと一ヶ月で今年は終わる。
来年の秋には長年の夢だった飲食店を開業する。
そこから始まる新しい人生にも、また転機が訪れるのだろうか。

ロシア政府はウクライナ政府に圧力をかけ、戦争勃発の危機が迫っている。
夜間の急変に対応する自信がないという理由で患者の点滴に致死量を超える薬液を投入した看護士がいる。
自国での生活に耐えきれず安寧の地を求めて徒歩の逃亡を続ける難民が世界にはあふれている。
父母、妻、我が子、知人を鉈で殺して自殺した男がいる。
修学旅行先で泥酔し、女子高生が入る女風呂に侵入し洗い場で放尿した高校の副校長がいる。
大嘗祭への公金出費を疑問視する声を秋篠宮さまがあげている。
埋設された地雷によって、今も多くのひとびとが傷ついている。

私個人の人生など、ちっぽけなものだ。
しかし、社会や世界の情報をもとに、自分が生きている時代を相対的にとらえ、自分なりの考えをもち、少しでも問題の解決へ何らかのかかわりがある生き方がしたい。

7851.11/30/2018

ひとの体は口から入るものだけでできている。

ひとの心は体がなければ存在しない。
だから、ひとの心も口から入るものと無関係とはいえない。

厚生労働省が発表した2018年9月の調査結果によると、昨年成人男性の20%が、成人女性の15%が朝食をまったく食べていないことがわかった。
年齢別には20代がもっとも多いという。

また、朝食を食べているとしても、栄養バランスとは無関係な内容の食事が増えている。
「好きなものを好きなだけ食べる」
20代の成人に広がっている考え方によれば、パスタとご飯、シリアル山盛り、エナジードリンクのみ、ピザとステーキなど、一汁三菜が死後と思える内容になってしまった。

春から新宿へ毎日電車通学するようになって、朝の電車ホームでコンビニで買ったおにぎりやサンドイッチを食べる社会人がとても多いことに驚いた。
これは決して若いひとばかりではない。
スーツにネクタイ、企業では役職ではないかと思えるひとでも、電車待ちの時間にパクパクと食べている。
たまに乗車するグリーン車では、テーブルを出して、コンビニサラダを頬張る年配の方も少なくない。

長時間労働によって、帰宅する時間が遅い。
帰宅してからの時間が唯一のプライベートタイム。それを大切にしていると睡眠時間が短くなる。起床時刻が出勤時刻ぎりぎりになる。朝食の時間などない。
それでも何か食べておきたいと思うひとはコンビニで購入する。何も食べないよりも少しは食べたほうがいいという考え方なのだろう。

小学校に勤務していた時、必ず担任するクラスの子どものなかに朝食習慣のない子どもがいた。
朝から食事を食べる気にならない、というのではない。
親が食事を作らない、作れないのだ。
毎日、コンビニでインスタント食品を買い続けるのではお金がかかってしまう。お菓子を食べさせるのは気が引けるので、給食まで我慢しなさい、となる。

ひとの体は口から入るものだけでできている。
だから、口に食べ物を入れなければ、体が作られない。
朝食を抜いても昼食や夕飯で好きなものをたくさん食べて取り返す。この考えは、ひとの体には通用しない。消化と栄養の摂取には時間がかかり、食べ合わせによって必要な栄養が摂取できないこともある。発酵食品を食べないと、血管や腸管などが詰まってしまう。

ご飯と味噌汁と納豆と玉子焼き。
パンとスープとサラダとチーズ。
用意できないメニューではないだろう。
炭水化物、たんぱく質、脂質、発酵食品の組み合わせで、睡眠から覚醒へと自律神経を自然に切り替えていく。この繰り返しが体の調子をととのえ、細胞のがん化を防ぐ。

体の調子がいいと、心の調子もよくなる。
来秋開店のお店の料理コンセプトを、年末年始に作り上げる。

7850.11/29/2018

11月20日から始まった鎌倉は常盤にある中華、ちんや食堂での校外実習が今日で終わる。

8日間の実習だったが、ご主人や女将さん、料理長にはとてもお世話になった。
毎朝の掃除やテーブルセットは、少しずつ自分がやりやすいように仕事を考えられるようになった。

三連休は混雑した。
それは想定済みだったが、そのほかの平日でも開店の10時半から午後2時まではお客様が絶えることがなくて驚いた。
開店から48年の歴史があるちんや食堂は、国鉄で働いていたご主人が脱サラして始めたお店だ。とても器用な方でお店そのものを自分で造ってしまった。だから当然、大きなテーブルやキッチン回りなども手作り。換気扇など、小型飛行機のプロペラではないかと思うほどの迫力で臭いと煙を排出する。

実際に食堂での仕事を手伝わさせていただいて感じたのは、注文から料理が出るまで、お客様は意外と待っていただけるということだ。
もちろん料理が出るのに時間がかかる店ではないが、ファーストフードに比べれば注文を受けてから料理を作るのでどうしても遅くなる。とくにすべての客席が埋まる状態のときはかなり待っていただく時間があった。
それでも「お待たせしました」と料理を運ぶと、多くの方が笑顔で料理を迎えていた。

歴史のある店なので常連の方がとても多かった。
注文もほとんど同じなので、料理長は入店の時からメニューによって決まっているお皿をセットしていた。

特製たれの漬け込み。
餃子の肉餡の仕込みとキャベツと混ぜての皮包み。
味付けレバーの仕込み。
ブロック肉の切り分けと仕込み。

高齢にも拘わらず、ご主人が「佐々木さん、よく見てなさい」と特別なオペレーションを披露してくれた。

また私の知人も数多く来店してくださった。
ご迷惑をおかけしたと思うが、多少経済的にはプラス効果があったのではないだろうか。