7349.12/25/2015
草紅葉の尾瀬...10
樹林帯に入ると、紅葉したナナカマドが待っていた。
山で見るナナカマドは、木そのものが大きいので迫力がある。
短い尾瀬の夏が終わりを告げる。
燧ケ岳から尾瀬沼へ降りる方法はいくつかあるが、もっとも長い長英新道を下る。
下り続けて2時間。尾瀬沼の草紅葉が迎えてくれた。
空は青く。空気は澄んでいた。
ここまで歩いてきた苦労がもうすぐ小屋のお風呂につかって報われる。
7348.12/23/2015
草紅葉の尾瀬...9
頂上の岩陰でランチタイム。
まずは湯を沸かしてコーヒーブレイク。
高峰でのコーヒーはいつ飲んでもからだにしみていく。
ランチは九州のご当地カップめん。
ふだんは絶対に食べないのに、なぜか山ではうまいと感じてしまう。
13:33。燧ケ岳から下山を始める。
眼下には、燃えつくした沼尻休憩所から、白煙が悲しく上がっていた。再建の苦労を思うと、これからの長い時間を痛感する。
空は少しずつ、雲が広がってきた。
7347.12/20/2015
草紅葉の尾瀬...8
あのもっとも奥の山の鼻からずっとここまで歩いてきたのだ。
尾瀬に来るひとたちは、湿原を歩くだけのひとが多い。
でもこの景色は登山をしないと見ることができない。
北側には会津の山並みが広がる。ここで関東が終わり、ここから東北が始まる。
南側には尾瀬沼が光っていた。
きょうは、尾瀬沼のほとりにある長蔵小屋に宿泊する予定だ。
至仏山が尾瀬ヶ原を見下ろしている。
7346.12/19/2015
草紅葉の尾瀬...7
多くの登山者は、ほかの尾根から頂上に達して、ナダックボ沢を下りルートに使っていたが、わたしは去年に続いての登り利用になった。
もう覚悟を決めて行くしかない。
手をつかないと登れないような斜面が3時間弱も続いていく。
12時28分。
紅葉が始まった燧ケ岳を登りながら、振り返ると、さっきまで沼尻にあった休憩所が真っ赤に燃えていた。
あまりにも火の色が鮮やかだったので、合成映像ではないかと疑ったほどだ。
この火事で休憩所は全焼してしまった。
12時40分。
東北地方最高峰の燧ヶ岳に登頂した。
前回は濃霧だったのでとても気持ちがよかった。
燧ケ岳頂上からの展望。
東方向に、尾瀬ヶ原の全ぼうが見えた。
7345.12/15/2015
草紅葉の尾瀬...6
この写真が後々に貴重な写真になるとは思っていなかった。
沼尻(ぬしり)休憩所に9時50分に到着した。ここは宿泊施設はないが、飲食物を提供している休憩所だ。
トイレもある。
ここで10分間休憩をした。
尾瀬沼が静かに広がっていた。
ここから急な登りが続くナダックボという沢に入る。
その向こうに燧ケ岳が見えた。
尾瀬沼の周囲には草紅葉が始まっていた。
10時に休憩所を出発して、ナダックボに入る。
その2時間後、休憩所は火事で消失してしまう。
沼尻から燧ケ岳への登りは、ナダックボ沢という急な斜面だ。
ここは登るのも下るのも難易度が高い。
しかし、台風や大雨の影響で安全な見晴らし新道が土砂崩れで歩けなくなっていたので、ここを歩くしかなくなっていた。
7344.12/13/2015
草紅葉の尾瀬...5
振り返ると草紅葉に浮かぶ至仏山、眼前にはくっきりと燧ケ岳が迫ってくる。
いつの日にかここにも泊まってみたくなる。
周囲が山に閉ざされた尾瀬特有の地形のために、動植物は固有の進化を遂げた。
見晴らしでトイレ休憩をする。2年前はここから燧ケ岳に入ろうとしたが悪天で断念した。
今回は好天だったのでリベンジできると登山口へ行ってびっくり。
2年前の台風で登山道が地滑りを起こして通行禁止状態が続いていた。
見晴らし新道は地図にも載っている道なので、もっとはっきりと通行できない情報を発信した方がいい。
仕方なく、白砂峠を経て、尾瀬沼へ抜ける道を選んだ。
途中の白砂田代湿原では、空の雲が湿原に映りこんでいた。
尾瀬ヶ原と尾瀬沼の間にある湿原。
小さな湿原だが、わざわざここでランチをとっているハイカーもいた。
7343.12/12/2015
草紅葉の尾瀬...4
尾瀬ヶ原は草紅葉の季節を迎えて、寂寥感が広がる。
マイナス33度になる極寒が近づいてくる前のおびえが空気の中に。
もやが晴れるに従って、至仏山(しふつさん)と燧ケ岳(ひうちがたけ)が見え始めた。
尾瀬に入るひとの多くは、山には登らないで湿原を散策する。
だから、装備を見ると山登りのひとはすぐわかってしまう。
尾瀬ヶ原を山の鼻から歩くと、ちょうど中央付近に竜宮小屋がある。
ここは道が交差している分岐点だ。
7342.12/6/2015
草紅葉の尾瀬...3
一年に葉は1ミリずつ上昇しているという。
どんどん上昇を続けて、上部の水分がなくなり、腐った葉の重なり(泥炭)が露出した湿原を高層湿原と呼ぶそうだ。
尾瀬ヶ原は一部にまだ小さな池が見えるので、中間湿原の状態かもしれない。
中央を貫く木道は、ひとびとが湿原を歩いて自然の状態を壊さないように造られている。
午前6時40分に尾瀬ヶ原の西端、山の鼻という場所を出発して、木道を歩く。
湿原の水分が日光によって温められて、少しずつ水蒸気になり上昇していく。
少しずつ霧が晴れていき、そのむこうに雄大な燧ヶ岳が姿を見せ始めた。
7341.12/4/2015
草紅葉の尾瀬...2
9月20日に鎌倉を出発した。
尾瀬戸倉温泉の民宿「一仙」に泊まる。
鳩待峠行きのバスが出発するバス停のまん前にある民宿だった。
とても行き届いた宿で、温泉も部屋の様子も心地よかった。
夕飯なしの朝食パターン。
夕飯はコンビニで買った白米と惣菜で済ませる。
ここで食べ過ぎると翌日がつらくなる。
朝食の時間には出発しているので、おにぎりをお願いした。
9月21日。
宿の方が起きてご飯を炊いてくれた。
前夜に渡されるのかと思っていたので、心遣いに感謝した。
4時40分のバスに乗って鳩待峠へ向かう。
戸倉と鳩待峠間は、自然保護の観点から季節によって一般者の乗り入れが禁止されている。
夏季のほとんどは乗り入れ禁止で、許可されたバスに乗るしかない。
5時10分に鳩待峠に着き、5時半に歩き始めた。
午前6時15分、至仏山荘のある「山の鼻」に到着した。
多くのハイカーでにぎわっていた。
テントもいままで見た中で最多だった。
ここからは至仏山に登ることができるが、至仏山からここに下りることはできない。
一仙が用意してくれたおにぎり弁当を食べた。
尾瀬ヶ原は標高が1400m。
年間の平均気温が4度。
秋に紅葉して落ちた葉が完全に分解する前に、尾瀬の寒さで凍ってしまう。
そのため、土に返りきれないままの腐った葉が幾重にも重なる。
こういう場所を湿原と呼ぶ。
7340.12/1/2015
草紅葉の尾瀬...1
9月20日。
5連休を利用して、関越自動車道路をひた走り沼田インターから尾瀬を目指した。
途中、なかなか料理が出てこない蕎麦屋に入って、トンカツ定食を頼んだ。
天婦羅そばのそばがばらばらだった。