7179.12/26/2014
憧れの八ヶ岳...10
赤岳鉱泉小屋から、まず赤岩の頭へ登る稜線にとりついた。
登り始めて30分ぐらいで雲が低くなり、周囲の視界が閉ざされていった。
同時に気温も下がっていく。
地面は鉄分の多い土壌で、酸化し、赤く見えている。
7:53。
コースガイドで2時間の登りを1時間で歩く。
赤岩の頭に到達。
視界はほとんどなし。細かい水滴が全身を覆う。
晴れていれば、蓼科山へ向かうルートと赤岳へ向かうルートの分岐点として、景色がいいのだが、何も見えない。
稜線に上がってから、強い風が東側から吹き始めてきた。
7178.12/24/2014
憧れの八ヶ岳...9
テントのひとたちは自分たちのスケジュールで動くことができる。
だから、わたしは起床して小屋の周囲を散策していた時間には、もう朝食を済ませて出発していくひとたちもいた。
小屋の朝食は6時と時間が決まっているので、食べないという選択をしない限りは、その時間に拘束される。
5日の朝食。
山小屋の朝食とは思えないほど立派。
干物や生野菜や果物。
町の民宿の朝ご飯みたいだ。
朝食とトイレを済ませて、出発したのは午前7時だった。
7177.12/23/2014
憧れの八ヶ岳...8
あまりにも悪天の予報ならば、これ以上の予定はキャンセルして、じっと小屋にとどまることも考えていた。
しかし、朝の段階でこの程度の空ならば歩かないという手はないだろうと判断した。
赤岳もそのうちに雲が通り過ぎて、勇姿を見せ始めていた。
西から大きな台風が近づいてきていた。
しかし、まだ長野地方には影響が出ていなかった。
赤岳が朝日に染まり、日の出を感じさせる。
峰の向こう側が東の空なので、峰のこちら側に太陽が光を注ぐにはまだ時間が必要だった。
7176.12/21/2014
憧れの八ヶ岳...7
2014年8月5日。
わたしは八ヶ岳の赤岳鉱泉小屋で朝を迎えた。
4:38。
テントサイトには高校生やカップルなどの若者たちのテントがたくさん張られていた。
なかには家族連れの大きなテントもあった。
西の空には低い雲が広がろうとしていた。
この時点ではまだ空は晴れていた。
4:50。
登ろうとしている東側の斜面から低い雲が赤岳鉱泉小屋方面に下りてきた。
7175.12/20/2014
憧れの八ヶ岳...6
今回の山行では、個室を予約した。
とてもぜいたくな個室で、ベッドがきれいだった。
4人部屋だったが、狭さを感じさせないビップルーム。
持参したロープを使って汗を吸った服を水洗いの後に乾かした。
山小屋はホテルや民宿ではないので、宿泊専用の施設と勘違いすると齟齬を生じる。
あくまでも屋根つきの宿泊場所という気持ちで利用した方がいい。
だから、ベッドがあって、トイレがきれいで、水がふんだんに使えた赤岳鉱泉小屋を、山小屋だと思ってしまうと、ほかの山小屋に泊まれなくなるだろう。
それぐらいぜいたくな造りの山小屋だった。
21時の消灯を前に20時ごろには寝てしまう。
7174.12/16/2014
憧れの八ヶ岳...5
山行では、体力を消耗する。
だから、食事はとても大切だ。
最近は、山用品の店で多くのレトルトが売っていて驚く。
お湯さえ沸かせれば、たいていの料理が食べられるのだ。
しかし、そういう食事は味付けが濃くて、似ている。
自分の味で食事をすることができない。
だから、山小屋を使う宿泊登山では、なるべく持参した食材を使った食事にしている。
炊いたご飯をおじやにして、生卵でとじた。
赤岳鉱泉小屋の中庭には、テラスがあった。
ここでバーベキューでもするのだろうか。
小屋の食堂はとてもきれいで、デラックスだった。
午後6時から部屋ごとにテーブルが決まっていた食事が始まる。
ペットボトルに日本酒を詰めて持参した。
メインディッシュはステーキだった。
7173.12/15/2014
憧れの八ヶ岳...4
チェックインをして、小屋前のベンチでランチの準備をする。
美濃戸口から歩いてきた疲れをとるためにまずはコーヒーブレーク。
ブルーベリー入りのパンといっしょに。
生米を洗わないでそのままゆでれば炊き上げられる米袋を持参した。
米はミルキークイーン。
ゆでるのに使った湯を捨てなければならないという欠点があるので、山頂など何もないところではやりにくい。
生卵を割らずに運べる道具がある。
これを使うと、山中で生卵を使うことができる。
伊勢原の寿雀卵を持参した。
築地で買ったジャコを混ぜる。
炊き上がったミルキークイーンで、なんと卵かけご飯にした。
となりのベンチでインスタント麺を食べているひとがびっくりしていた。
7172.12/13/2014
憧れの八ヶ岳...3
八ヶ岳は北と南で分かれている。
主峰の多くは南八ヶ岳連峰に鎮座する。
2700mから2900m級の峰峰が連なる縦走は、天空をゆくようで魅力的だ。
雨が続くと北沢は水量が増えて、木道にも影響を与えるのだろう。
11時8分。
美濃戸口を出発して3時間28分。
この日の目的地である赤岳鉱泉小屋に到着した。
広いテントサイトがあって、ロッククライミング用のトレーニングボードも見えた。
冬季も営業している小屋なので、とても頑丈な作りになっている。
写真の部分は風呂場。
鉱泉を使っているので、からだの芯まであたためてくれる。
7171.12/7/2014
憧れの八ヶ岳...2
美濃戸から先は本格的は山道になる。
大きく2つの沢筋を登っていく。
北沢と南沢。
その分岐点に美濃戸山荘があった。
分岐点にあるコース表示。
北沢はここから硫黄岳方面につながっている。
南沢は赤岳方面につながっている。
北沢に入って45分。
最初の休憩。ここの車はこれより先の山小屋関係のひとたちのもの。
北沢はゆっくり高度を上げていくので、平らなところを歩いている感覚になる。
尾瀬を思わせるような木道も整備されていた。
7170.12/3/2014
憧れの八ヶ岳...1
わたしが初めて八ヶ岳に入ったのは1983年だった。
茅野駅からバスに揺られて美濃戸口にたどり着き、大きなキスリングザックを背負って南沢に向かったことを記憶している。
以来、1985年に大学を卒業するまで、個人的に数回、同じルートで八ヶ岳に行った。
8月3日の夜に久しぶりの八ヶ岳山行へ向けて準備をした。
美濃戸口には「八ヶ岳山荘」がある。
そこに宿泊することも可能だが、多くの登山者は駐車場で仮眠をする。
あるいはもう少し奥の美濃戸まで車で入るひとたちもいた。
7時40分。曇り。
山行計画書を提出して、いざ入山。30年ぶりにこの場所に帰ってきた。
8時30分。
美濃戸の赤岳山荘。
赤岳山荘周辺には大きな駐車場があり、多くの車が駐車していた。
わたしが駐車した美濃戸口は一日500円だが、こちらは一日1000円だった。
50分歩くことを考えれば500円ぐらい節約しなくては。