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6729.2/27/2012
合法的独裁体制の樹立...13

(色つき文字がわたしの注釈及び意見)

第7章 学校制度の運用
(学校区制度の撤廃)
第43条 府立高等学校の通学区域は府内全域とする。

(学校の統廃合)
第44条  府立高等学校のうち、各年度に定められた入学定員(定時制に係る定員を除く。)を入学者数が下回った場合、府教育委員会は当該学校の校長に対し、学校運営の現状及び問題点を報告させるとともに、改善に向けて指導するものとする。
2  前項の指導にも関わらず、当該学校において3年度連続で入学定員を入学者数が下回るとともに、今後も改善の見込みがないと判断する場合には、府教育委員会は当該学校を他の学校と統廃合しなければならない。
3  府教育委員会は、前項の規定を潜脱する目的で、入学定員を設定してはならない。

3年目に入学定員を入学者数が下回った学校のモチベーションは、ものすごく下がるだろうなぁ。近隣やかつての仲間から、後ろ指をさされるかもしれない。

第8章 学校の運営
(校長による学校運営)
第45条 校長は、学校運営に関する最終的な意思決定を行い、そのすべての責任を負う。

きっと、校長職の給料以外に多くの収入がある企業経営者や個人営業主、資産家など、いつでも離職できる環境のひとに、一生に一度ぐらい自分の学校を経営してもおもしろいかなと思わせたいのだろう。現在のように、長年ヒラ教員をやり、総括教諭になり、教頭(もしくは副校長)になり、やっと退職間近に校長になるピラミッド構造を打破したいのだろう。ということは、教員になろうと思ったひとは、現在のようにひとを出し抜いて管理職試験を受け、合格を目指す必要はなくなる。わたしのように、最初からその気持ちがない場合はいいが、わたしの周囲には「早く指導現場(教室)を離れて、こどもや教職員を上から見下ろしたい」と公言するひとが少なくない。こういうひとたちの恨み節がなにわの海に渦巻くかもしれない。

(部活動)
第46条
校長は、部活動については、教員が授業に最大限注力できるよう、保護者の参加・協力の下、個々の教員に過度に依存することなく実施できる環境の整備に努めなければならない。

(児童生徒に対する懲戒)
第47条 校長、副校長及び教員は、教育上必要があるときは、必要最小限の有形力を行使して、児童生徒に学校教育法第11条に定める懲戒を加えることができる。但し、体罰を加えることはできない。
2 府教育委員会は、前項の運用上の基準を定めなければならない。

必要最小限の有形力って何でしょうか?

第9章 最高規範性
(最高規範性)
第48条 この条例は、府の教育に関する条例のうち最高規範となる条例である。

納得できる部分と賛同できる部分もある。しかし、多くは疑問がわき、なかには反対する部分もあった。こういう条例が制定された自治体には、わたしは住まないし、知り合いや家族が引っ越さないように意見するだろう。

合法的独裁体制の樹立・了

6728.2/26/2012
合法的独裁体制の樹立...13

(色つき文字がわたしの注釈及び意見)

第6章 懲戒・分限処分に関する運用
第1節 懲戒処分の手続き及び効果
第2節 分限処分の手続き及び効果

内実を知っている者として、どうしようもない教員は少なくないので、なるべく早く別の職業を見つけられる職業紹介や資格取得制度などを導入した方が手っ取り早いと思う。

第3節 職務命令違反に対する処分の手続
(職務命令)
(職務命令に対する不服の申立て)

手続きを示しているので眠くなるので省略。

(職務命令違反に対する処分)
第37条 職務命令に違反した教員等は、戒告又は減給とする。

手続きを示しているので眠くなるので省略。

(常習的職務命令違反に対する処分)
第38条 前条第4項で規定される指導研修が終了したのちに、5回目の職務命令違反又は同一の職務命令に対する3回目の違反を行った教員等に対する標準的な分限処分は、免職とする。ただし、第36条に規定する不服の申立てが有効になされている場合は、要件に該当することが確定したのちに免職とする。
2 前項の規定は、府教育委員会が教員等を懲戒処分により免職とすることを妨げない。

結局、維新の会は、職務命令が妥当で、これに違反する常習者は免職させたいのだ。こういう考えで、学級会をやったらどうなるのか。「このクラスがいやなやつは出て行け」となる。

第4節 組織改廃に基づく分限処分の手続
(組織改廃に基づく分限処分)
(学校法人化等による分限免職)

長い文章なので省略するが、内容には問題が多い。

第5節 分限免職・分限休職の効果
第6節 適切な処分を行う責務

おそらく効果はない。

6727.2/25/2012
合法的独裁体制の樹立...11

(色つき文字がわたしの注釈及び意見)

第5章 教員の人事
第1節 任用
(任用)
第18条 教員の任用に当たっては、教育委員会は校長の意向を尊重しなければならない。

これをやったら、校長におべっかを使う者ばかりが希望がかなうようになってしまう。

2と3
どうでもいいので省略。

第2節 人事評価
(人事評価)
第19条 校長は、授業・生活指導・学校運営等への貢献を基準に、教員及び職員の人事評価を行う。人事評価はSを最上位とする5段階評価で行い、概ね次に掲げる分布となるよう評価を行わなければならない。
  (1)  S   5パーセント
  (2)  A   20 パーセント
  (3)  B   60 パーセント
  (4)  C   10 パーセント
  (5)  D   5パーセント
2 教員の評価に当たっては、学校協議会による教員評価の結果も参照しなければならない。
3 府教育委員会は、第1項に定める校長による人事評価の結果を尊重しつつ、学校間の格差にも配慮して、教員及び職員の人事評価を行う。人事評価はSを最上位とする5段階評価で行い、概ね第1項に掲げる分布となるよう評価を行わなければならない。
4 府教育委員会は、前項の人事評価の結果を直近の給与及び任免に適切に反映しなければならない。
5 府教育委員会は、第3項の人事評価を教員及び職員の直近の期末手当及び勤勉手当に適切に反映して、明確な差異が生じるように措置を講じなければならない。

教育予算の削減という大きな理由によって、神奈川ではこの方式はすでにスタートしている。ただし、いつもCとかDの評価ばかりの教員はそのうち離職する。すると、つぎはBのなかから新たな15%を捻出しなければならなくなる。結果として、教員相互が手持ちのネタを教えあわなくなっていく。

第3節 優れた教員の確保・育成
(優れた教員の確保・育成)
第20条 府教育委員会及び校長は、優れた教員の確保・育成を考慮して、適切な人事制度の構築及び運用を行わなければならない。
上記理由から、これは不可能になる。

2 教員の兼職については、教育に支障が生じない範囲で柔軟に認めるよう、教育公務員特例法第17条第1項を弾力的に運用するものとする。

やったぁ。これは大賛成。

6726.2/21/2012
合法的独裁体制の樹立...10

(色つき文字がわたしの注釈及び意見)

第4章 校長及び副校長の人事
(任用)
第14条 府教育委員会は、校長及び副校長を任用するときは、一般職の任期付職員の採用等に関する条例(平成14年大阪府条例第86 号)又は職員の任用に関する規則(昭和29年大阪府人事会規則第1号)に定める選考により任期又は在職期間を定めて行う。ただし、再任を妨げない。
2 府教育委員会は、前項の任用に当たり、年齢、職歴、教員としての在職期間等を問わず、マネジメント能力(組織を通じて運営方針を有効に実施させる能力)の高さを基準として、教員を含む意欲ある多様な人材を積極的に登用しなければならない。
3 府教育委員会は、校長の任用に当たっては、外部有識者による面接を実施し、その結果を尊重しなければならない。
4 府教育委員会は、副校長の任用に当たっては、外部有識者による面接の結果に加えて、校長の意見も尊重しなければならない。
5 前2項に定める外部有識者の採用に際しては、産業界、法曹界、労働界、教育界など広く人材を求めなければならない。

大阪維新の会が考える校長とは、学校現場で、首長の考えを具現化させる忠実な部下であり、維新の会や、この条例が目的とすることから逸脱する考えの持ち主は着任させないという意図がばりばりだ。たしかに現行の方法では、公立学校の管理職は教員としてもマネジメント能力も、ちっとも頼りにならない者が採用されている。その弊害を打破する必要はあろうが、このような方法がよいのかどうかは疑問だ。

(人事評価)
第15条 府教育委員会は、設定された目標に照らして、校長の業績に基づき人事評価を行う。
2 副校長の人事評価は、校長が行うものとする。
3 校長及び副校長の人事評価に当たっては、第11条に定める学校協議会の学校評価の結果も参照しなければならない。

神奈川ではすでにこの方法が始まっていると思ったけど。

(兼職規制の緩和)
第16条 校長及び副校長の兼職については、教育に支障が生じない範囲で柔軟に認めるよう、教育公務員特例法第17条第1項を弾力的に運用するものとする。

一般教職員にも適用してくれ。

(校長及び副校長の給与)
第17 条 校長及び副校長の給与は、一般職の任期付職員の採用等に関する条例による。

たぶん現行よりもかなり安くなるのではないか。

6725.2/20/2012
合法的独裁体制の樹立...9

(色つき文字がわたしの注釈及び意見)

(保護者)
第10条 保護者は、学校の運営に主体的に参画し、より良い教育の実現に貢献するよう努めなければならない。
2 保護者は、教育委員会、学校、校長、副校長、教員及び職員に対し、社会通念上不当な態様で要求等をしてはならない。
3 保護者は、学校教育の前提として、家庭において、児童生徒に対し、生活のために必要な社会常識及び基本的生活習慣を身に付けさせる教育を行わなければならない。

賛成!賛成。もしもこの項目に違反する保護者がいたら、罰則規定はないのかな。

(学校協議会)
第11条 府立高等学校及び府立特別支援学校に、保護者及び教育関係者(当該学校の教員及び職員を除く。)の中から校長が委嘱した委員で構成される学校協議会を設置しなければならない。
2 学校協議会は、校長の求める事項について協議し、学校運営に関し意見交換や提言を行うほか、次に掲げる権限を有する。
  (1)  第5条2項及び第46条に定める部活動等の運営に対する助言
  (2)  第8条第3項に定める校長の評価
  (3)  第8条第4項に定める教科書の推薦に関する協議
  (4)  第15条第3項に定める学校評価
  (5)  第19条第2項に定める教員評価

イギリスのコミュニティースクールを参考にしているのだろうが、じつはイギリスではすでに学校評議会の害悪が社会問題化している。またこっそりとした表現で書かれているが、その学校の教職員は学校協議会のメンバーになれないので、この協議会の位置づけが教職員の総意よりも上位にあるように解釈できる。

第3章 教育行政に対する政治の関与
(教育委員の罷免)
第12条 知事は、第6条第2項に定める目標を、規則により定める。
2 府教育委員会の委員が前項に定める規則に違反して目標を実現する責務を果たさない場合、第6章の規定に基づき懲戒若しくは分限処分又はその手続をすべきであるにも関わらずこれを怠った場合等、その職務上の義務を果たしていないと認められる場合、地方教育行政法第7条第1項に定める罷免事由に該当するものとする。

(議会の関与)
第13条 府教育委員会が、第6条第2項に定める目標に従っていない場合、第6章の規定に基づき懲戒若しくは分限処分又はその手続をすべきであるにも関わらずこれを怠った場合等、その事務の管理及び執行を怠っているおそれがあると認められる場合、議会は府教育委員会に対し、報告を求めることができる。
2 議会において、府教育委員会がその事務の管理及び執行を怠っていると議決した場合、知事は府教育委員会に対して是正を行うよう要請するものとする。

よっぽど、教育行政を牛耳りたいんだろうなぁ。

6724.2/19/2012
合法的独裁体制の樹立...8

(色つき文字がわたしの注釈及び意見)

7と8
問題がないので省略

9 校長及び副校長は、学校運営を行うに当たり、教員及び職員に対して職務命令を発する権限を有し、教員及び職員はこれに従う義務を負う。

教頭ではなく副校長という位置づけで職務命令の権限を付与している。独裁体制の合法化をこういう細部にまで行き渡らせるところが、怖い。

10 副校長は、校長に事故があるときはその職務を代理し、校長が欠けたときはその職務を行う。この場合において、副校長が2人以上あるときは、あらかじめ校長が定めた順序で、その職務を代理する。

そんなにたくさん管理者を増やして給料が払えるのか。

(教員及び職員)
第9条 教員は、自己の崇高な使命を深く自覚するとともに、組織の一員という自覚を持ち、教育委員会の決定、校長の職務命令に従うとともに、校長の運営指針にも服さなければならない。

絶対服従を約束しなければ教員になるなと宣言している。新採用者は、維新の会に賛同する者ばかりになり、異なる意見をもつ若い力は大阪から流出するだろう。きっとそれをねらっているのだ。


当然のことなので省略。

3 職員は、組織の一員として、教育委員会の決定、校長の職務命令に従うとともに、校長の運営方針にも服し、学校運営の一翼を担わなければならない。

学校は教員以外のひとたちによって支えられている。そのひとたちのネットワークは強大な力をもっている。これを校長や教育委員会に服従させようとすると、大きな犠牲を払うことになるだろう。

6723.2/18/2012
合法的独裁体制の樹立...7

(色つき文字がわたしの注釈及び意見)

2 府教育委員会は、常に情報公開に努めるものとし、府内の小中学校における学力調査テストの結果について、市町村別及び学校別の結果をホームページ等で公開するとともに、府独自の学力テストを実施し、市町村別及び学校別の結果をホームページ等で公開しなければならない。

これは大阪だけではなく全国的な傾向なので、一概には言えないが、わたしは学力テストの問題レベルをもっと下げるべきだと思っている。とりあえずひらがな書けるかなぁ、九九は大丈夫かなぁというレベルに下げないと、教員が正解を事前に教えてしまうようなあほな事件が起こる。

(校長及び副校長)
第8条 校長は、前条第1項の提示した指針をもとに、学校の具体的・定量的な目標を設定したうえ、当該目標の実現に向けて、幅広い裁量を持って学校運営を行う。

アメリカのチャータースクールのように、通常の学校が多数あるなかに特別認可が得られる仕組みならば機能するだろうが、すべての学校をこのようにしてしまうと、公教育が校長や校長が支持する政治勢力によって染まってしまう危険性がある

2 校長は、学校運営を行うに当たり、具体的計画を提示して、府教育委員会に当該計画を実行するための予算を要求することができる。

逆に言うと、極端に予算が少ない学校は、校長の計画や運営に問題があるということになる。そんな学校に保護者はこどもを通わせなくなるだろう。


問題がないので省略

4 校長は、第11条に定める学校運営協議会との協議を経て、採択すべき教科書を推薦することができる。
5 府教育委員会は、前項の校長の推薦を尊重して、教科書を採択しなければならない。
6 府教育委員会が、前項の規定にかかわらず、校長の推薦する教科書を採択しないときには、府教育委員会はその理由を付して議会に報告しなければならない。

教職員を教科書採択の現場から引き離すねらいがあるのだろう。実際に教室で教科書を使うのは教職員とこどもなのに。

6722.2/14/2012
合法的独裁体制の樹立...6

(色つき文字がわたしの注釈及び意見)

2  児童生徒の保護者も、部活動をはじめとする学校運営に参加するなど、主体的に積極的な役割を果たすよう努めなければならない。

忙しいひとや、そんなことめんどくさいというひともいるでしょう。


その通りだと思うので省略。

4と5と6
大阪のように政令指定都市と府がほぼ一体の特殊事情と思うので省略。

(知事)
第6条 知事は、府教育委員を任命する権限のみならず、地方教育行政法の定める範囲において、府内の学校における教育環境を整備する一般的権限を有する。
2  知事は、府教育委員会との協議を経て、高等学校教育において府立高等学校及び府立特別支援学校が実現すべき目標を設定する。

地方自治法に抵触するのではないか。また、とんでもない独裁的傾向の強い知事がそれこそ民意を振りかざして当選した場合、合法的であるがゆえ、だれもその独走を止められなくなる。知事の目標設定の正当性を選挙以外で監査する独立機関が必要だ。

(府教育委員会)
第7条 府教育委員会は、前条第2項において知事が設定した目標を実現するため、具体的な教育内容を盛り込んだ指針を作成し、校長に提示する。

うーん、これでは教育委員会は知事の事務局みたいな位置づけになり、知事にはだれも逆らえなくなり、知事は裸の王様になってしまう。教育委員会は不要になり、行政局の中に学校課みたいのがあれば済んでしまうだろう。

6721.2/13/2012
合法的独裁体制の樹立...5

(色つき文字がわたしの注釈及び意見)

(基本理念)
第2条 府における教育行政は、教育基本法第2条に掲げる目標のほか、次の各号に掲げる具体的な教育理念に従ったものでなければならない。
一 個人の自由とともに規範意識を重んじる人材を育てること
二 個人の権利とともに義務を重んじる人材を育てること
三 他人への依存や責任転嫁をせず、互いに競い合い自己の判断と責任で道を切り開く人材を育てること
四  不正を許さず、弱者を助ける勇気と思いやりを持ち、自らが社会から受けた恩恵を社会に還元できる人材を育てること
五 我が国及び郷土の伝統と文化を深く理解し、愛国心及び郷土愛に溢れるとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する人材を育てること
六 グローバル化が進む中、常に世界の動向を注視しつつ、激化する国際競争に迅速的確に対応できる、世界標準で競争力の高い人材を育てること

障がいをもったこどもへの言及がない。排他的な印象を受ける。

(児童生徒の教育を受ける権利)
第3条 府内におけるすべての児童生徒は、等しく教育を受ける権利を有する。
2 府は、自立支援が必要な児童生徒、学習障がい及びこれに類似する学習上の困難を有する児童生徒が等しく教育を受けるために必要な措置を講ずるよう、努めなければならない。

第3条2項は当然のことだと思うが、現状では必要な措置が講じられていないのか。

(定義)
その通りだと思うので省略。

第2章 各教育関係者の役割分担
(基本指針)
第5条  府における教育行政は、教育委員会の独立性という名目のもと、政治が教育行政から過度に遠ざけられることのないよう、選挙を通じて民意を代表する議会及び知事と、府教育委員会及び同委員会の管理下におかれる学校組織(学校の教職員を含む)が、地方教育行政法第25条に基づき、適切に役割分担を果たさなければならない。

ことさらに選挙を強調するあたりがきな臭い。選挙ということは、勝ち組だけが民意で、負け組みは排他という印象を受ける。口惜しかったら選挙に勝てと言っているようだ。だったら、公務員にも選挙活動を認めなさい。

6720.2/12/2012
合法的独裁体制の樹立...4

(色つき文字がわたしの注釈及び意見)

 大阪府における教育の現状は、子どもたちが十分に自己の人格を完成、実現されているとはいい難い状況にある。とりわけ加速する昨今のグローバル社会に十分に対応できる人材育成を実現する教育には、時代の変化への敏感な認識が不可欠である。大阪府の教育は、常に世界の動向を注視しつつ、激化する国際競争に対応できるものでなければならない。教育行政の主体が過去の教育を引きずり、時宜にかなった教育内容を実現しないとなれば、国際競争から取り残されるのは自明である。
 我々は、我が国の未来を担う子どもたちの適切な教育を受ける権利に対して責任を負うことを自覚し、この条例を制定する。

大阪を含む関西圏は、歴史的に在日韓国朝鮮人、中国人、被差別部落など多くの社会的問題を内在している。そのことが少なからず「教育の現状」と結びついているのだとしたら、国際競争を見据えるのではなく、内在する諸問題を優先的に解決していくべきではないか。現役教員の離職率や休職率が全国平均よりもとても高いことが、何を象徴しているのかを想像しよう。

第1章 目的及び基本理念
(目的)
第1条 この条例は、教育基本法(平成18年法律第120号)、学校教育法(昭和22年法律第26号)、地方教育行政の組織及び運営に関する法律(昭和31年法律第162 号。以下「地方教育行政法」という。)その他国の法令が定める教育目標を大阪府(以下「府」という。)において十分に達成するべく、これらの法令を補完することを目的とする。

条例は法律を越えた内容は決められないので、とりあえず宣言したのだろうが、法律そのものの解釈をかえてしまうと条例のあり方もかわってしまう。大阪維新の会は、国会で最大与党になり、道州制を制定し、大阪を独立国として承認。その後に、この条例内容を法律として制定すべきなのだ。