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6079.1/7/2009
偽装2008_/_/冬(2)_/_/

 12月6日。
 中国産のウナギが、「愛知県三河一色産」と偽装表示されていた事件で、神戸地検は、不正競争防止法違反容疑で、販売元の水産物輸入会社・『魚秀』の社長と、水産物卸売会社・『神港魚類』の元ウナギ担当課長ら5人を起訴。
 12月16日。
 農林水産省は、中国産のタケノコの水煮などを、日本産と偽装し販売したとして、農産物加工会社『たけ乃子屋』(愛知県一宮市)に対し、日本農林規格(JAS)法に基づき改善指示。一部のパックに、取引先の従業員の写真を、生産者の写真と偽って張り付ける工作もしていた。
 今度はタケノコ。偽装メンバーは何でもあり。
 製品パックに写真が印刷され、いかにも「わたしたちが丹精を込めて作りました」とアピールしている野菜が増えた。そこに、無関係の人間の写真を掲載していたというから驚く。そんな手間がかかることにお金をかけないで、国産のタケノコを探そうよ。
 12月19日。
 食品会社『廣澤』(埼玉県越谷市)が、中国産のタケノコの水煮を鹿児島県産と偽装して出荷していた疑いで、農林水産省が立入調査を実施していたことが判明した。同省は日本農林規格(JAS)法に基づき、同社に改善指示へ。
 偽装事件に不思議と共通することがある。
 このタケノコ事件のように、まったく別の会社でありながら、一つの会社の偽装が発覚すると、似た食品などを扱っている遠く離れた別の会社の偽装も、なぜか発覚するのだ。
 12月24日。
 食肉加工製造会社・『比内鶏』(秋田県大館市、破産手続中)による比内地鶏製品の偽装事件で、詐欺と不正競争防止法違反に問われた同社の元社長(77歳)に対し、秋田地裁は「被告人の主導の下に偽装製品を拡大させたもので、ブランドの信用を失墜させた責任は重い」として、懲役4年の判決。
 これ、実刑です。

6078.1/6/2009
偽装2008_/_/冬(1)_/_/

 10月6日。
 耐震強度偽装事件で、杜撰な建築確認検査で立て替えを余儀無くされたとして、『グランドステージ千歳烏山』(東京都世田谷区)と『グランドステージ溝の口』(川崎市)の住民38世帯57人が、国・世田谷区・川崎市と、両マンションの建築確認を担当した『イーホームズ』などを相手取り、計約10億4,500万円の損害賠償を求める訴えを東京地裁に起こした。一連の事件で、被害住民が国を訴えたのは初。
 いよいよ偽装の責任追及が始まった。果たして賠償能力があるかどうかはわからないが、被害を受けたひとたちの切実な声が、法廷で記録に残ることが重要であろう。
 10月27日。
 中国人女性が、同居する中国人男性との間に生まれた男児を出産する直前に、日本人男性と偽装結婚し、生まれてきた男児に日本国籍を取得させていたことが、警視庁の調べで明らかに。子供に日本国籍を与えることで、自らも日本で働き続ける目的か。
 偽装に使われた「日本人男性」は、自分が騙されていたことに、いつの段階で気づいたのだろうか。
 10月29日。
 牛肉の産地偽装や料理の使い回しなどが発覚したことが元で廃業した料亭・船場吉兆の前社長と元社長について、大阪地裁は破産手続の開始を決定。前社長らは、同社の債務の個人保証をしているため、自己破産を申し立てていた。
 自己破産をすると、債務が帳消しになる。自らの債務を自らの破産で帳消しにするというのは、偽装事件で被害を受けたひとたちにとって、あまり納得できる解決方法ではないだろう。
 11月13日。
 中国産ウナギが「愛知県三河一色産」と偽装表示され販売されていた事件で、兵庫・徳島両県警の合同捜査本部は、不正競争防止法違反(偽装表示)容疑で、水産物卸売会社・『神港魚類』の40歳の元担当課長から任意で事情聴取。
 11月15日。
 中国産のウナギ蒲焼を、日本国産の「一色産」と偽った産地偽装事件で、兵庫・徳島両県警の合同捜査本部は、水産物卸売業・『神港魚類』の40歳の元担当課長ら数人を不正競争防止法違反(虚偽表示)容疑で逮捕。また、ウナギ販売業・『魚秀』の40歳の社長も逮捕。
 不正競争防止法違反(虚偽表示)という罪は、社会に与えた影響とつりあっているのだろうか。
 12月6日。
 食肉卸会社・『丸明』による飛騨牛等級偽装事件で、岐阜県警は、肉の等級を偽って販売したとして、同社前社長(65歳)ら3人を、不正競争防止法違反容疑で逮捕。同県警は詐欺容疑も視野に捜査。
 そうです。詐欺のほうが、偽装に対する罪を問うとき、ぴったりきますね。

6077.1/3/2009
偽装2008_/_/秋(2)_/_/

 8月4日。
 青森県は、リンゴ加工品製造・販売会社『青森県果工』(青森県弘前市)が、産地や加工法を偽装表示した飲料製品などを販売したとして、日本農林規格(JAS)法違反で業務改善を指示。
 偽装は果実でも行われていた。加工した果実は、産地を示されても、加工前の果実の味は消失している。そこに偽装しようという気持ちがつけ込んだのか。
 8月11日。
 料亭・船場吉兆(破産手続中)の牛肉産地偽装事件で、不正競争防止法違反(産地偽装)で略式起訴された元社長と長男の喜久郎・前取締役について、大阪簡裁はそれぞれ罰金100万円の略式命令。
 罰金で済む犯罪として、事件は収束する。
 8月27日。
 農林水産省は、養殖池や蒲焼加工工場の生産能力を偽った上、愛媛県産と偽装したウナギの蒲焼を販売していたとして、ウナギ加工会社・『サンライズフーズ』(愛媛県伊予市)に対し、日本農林規格(JAS)法に基づき改善命令へ。
 この会社の偽装は、産地だけでない。嘘だらけの偽装だ。
 9月6日。
 ウナギ加工会社・『サンライズフーズ』によるウナギ蒲焼の産地偽装問題で、愛媛県警は、同社事務所(愛媛県伊予市)など数か所を、不正競争防止法違反(虚偽表示)と廃棄物処理法違反(不法投棄)の両容疑で家宅捜索。
 農林水産省は改善命令を出し、警察は捜索をする。役割が違うので共同作業は望めない。しかし、改善命令とは「悪いことはもうやめなさい」というお達しに過ぎない。もう一歩進んで、偽装が可能になった背景や、偽装を繰り返せないシステム作りなどを、行政が積極的に働きかけないと、ほかの事件で忙しい警察は、てんてこまいになるだろう。
 9月11日。
 警視庁は、食品加工会社・『浜伸』(東京都中央区)が、外国産のウナギを鹿児島産と偽装して卸していたとして、同社や三鷹市内の同社の加工工場や卸売先など計26か所を不正競争防止法違の疑いで家宅捜索。
 今度は東京のウナギ。どうも、出回っている国産表示のウナギは、偽装された疑いが強いイメージを受ける。
 9月24日。
 大阪・福岡・熊本の3府県警は、米穀加工販売会社・三笠フーズが、汚染された工業用の事故米を食用米と偽り転売したなどとして、食品衛生法違反(規格外食品の販売)と不正競争防止法違反(原産地偽装)の両容疑で、同社本社などを家宅捜索。詐欺容疑での立件も視野に。
 この事故米事件は、多くの造り酒屋を犠牲にした。事故米入りの酒米を正規の値段で卸した販売会社は、濡れ手に粟の商売をやりぬけたのだ。逆に、事故米入りの酒米で焼酎や日本酒を製造した酒屋は、事件が発覚した後に、出荷した酒を大量に回収して破棄しなければならなかった。その酒屋や酒の名前のイメージが低下した。沖縄の小さな泡盛製造会社のいくつかは倒産を余儀なくされた。

6076.1/2/2009
偽装2008_/_/秋(1)_/_/

 7月3日。
 中国産ウナギが国産と偽装されていた事件で、兵庫・徳島両県警は、ウナギ販売業・『魚秀』(大阪市)の拠点のある同社の徳島営業所(徳島市)や、水産業界最大手・『マルハニチロホールディングス』子会社の『神港魚類』(神戸市)の本社など7都府県の計二十数か所を、不正競争防止法違反(虚偽表示)容疑で一斉に捜索。両県警は、詐欺容疑での立件も視野に。
 そうなのだ。偽装は、表示に嘘を記載したという軽微な悪さではなく、消費者を騙したという詐欺的な罪として罰せられる必要がある。ウナギの産地偽装は、組織的に、計画的に行われたことが発覚する。
 7月8日。
 食肉販売会社『丸明』(岐阜県養老町)による和牛『飛騨牛』の偽装表示問題で、岐阜県警は、不正競争防止法違反(虚偽表示)の疑いで、同社本社や工場、直営店など計10か所を家宅捜索。
 監督官庁の農林水産省の現場担当者は、相次ぐ偽装の発覚に、仕事が増えて苦労が耐えない。
 7月25日。
 水産物輸入販売会社・『魚秀』と水産物卸売販売会社・『神港魚類』による中国産ウナギの産地偽装事件で、神港魚類の社長(65歳)が、農林水産省近畿農政局兵庫農政事務所に業務改善報告書を提出。
 偽装事件にかかわらなければ、そんな報告書を作成する必要はなかったのに。
 7月29日。
 水産物加工卸売会社『エツヒロ』(山口県下関市)が、中国産養殖トラフグを「熊本県産」などと偽装して販売していたことについて、山口県警は、不正競争防止法違反(虚偽表示)容疑で、同社の本社を兼ねている同社社長の自宅や、同県長門市の同社工場など計十数か所を家宅捜索。
 今度は、フグだ。
 7月31日。
 料亭・船場吉兆(廃業)の牛肉産地偽装事件で、大阪区検は、書類送検されていた元社長と、長男の前取締役を、不正競争防止法違反(産地偽装)で大阪簡裁に略式起訴。法人としての同社については、破産手続中であるため不起訴(起訴猶予)に。

6075.1/1/2009
偽装2008_/_/夏(2)_/_/

 6月5日。
 鉄鋼大手・日新製鋼は、同社尼崎製造所に於いて、マンションの配管などに使用される円筒状鋼管を、日本工業規格(JIS)で義務付けられている耐圧試験を行わず、合格したように偽装し出荷していたと発表。
 ついにJISまで偽装されていたとは。合格したように偽装できる仕組みがあることを問題にしなければならない。
 6月23日。
 食肉卸売会社『丸明』(岐阜県養老町)が、ブランド和牛『飛騨牛』を偽装表示していたとされる問題について、農林水産省岐阜農政事務所と岐阜県は、日本農林規格(JAS)法や、牛肉トレーサビリティ法違反の疑いで、本社工場など4か所を立入調査。
 食肉の偽装は鶏肉だけではなかった。国産牛肉は、輸入牛肉に比べて、高くておいしいというイメージがある。そのイメージを悪用した偽装が発覚した。
 6月25日。
 農林水産省は、売れ残った大量の中国産ウナギを、養殖ウナギの日本一の生産地である愛知県一色町産と偽装して販売したとして、水産会社・『魚秀』(大阪市)と、水産最大手・マルハニチロホールディングスの完全子会社の『神港魚類』(神戸市)の2社に対し、日本農林規格(JAS)法に基づき改善を指示。愛知県岡崎市の架空の会社を製造者としたラベルを商品に張ることで隠蔽工作を図っていた。
 売れ残ったウナギということは鮮度が落ちていると思われる。それを国産ウナギと偽装するとは、恐れ入る。食べたひとたちは、違いに気づかなかったのだろうか。
 6月26日。
 料亭・船場吉兆(既に廃業)による牛肉産地偽装事件で、大阪府警は、元社長と長男の前取締役、法人としての同社を、不正競争防止法違反(産地偽装)容疑で書類送検。前社長については、関与の度合が薄いとして立件見送り。
 偽装の罪。その重さをはかるのは難しい。ひとを傷つける犯罪とは違うからだ。また日本社会には昔から「騙すのも悪いが、騙されるのも悪い」という考え方がないとは言いがたい。その考えが、騙すひとたちの罪を軽めにイメージさせてしまう。

6074.12/31/2008
偽装2008_/_/夏(1)_/_/

 4月26日。
 松下電器産業の子会社・松下プラズマディスプレイ(大阪府茨木市)の工場で働いていた33歳の男性が、労働者派遣法に違反する偽装請負の状態で労働させられていたとして、同社を訴えていた訴訟で、大阪高裁は、両者間には雇用契約が成立しているとして、解雇時点に遡り賃金を支払うよう、就労先の会社に命じる判決。
 派遣従業員は、どの業種にも必要不可欠な人材になった。にもかかわらず、そのひとたちの立場はとても不安定で弱い。企業の営業収支に左右される。経営者側にとって、いつでも雇用をカットできる労働者は、重宝がられる。しかし、そういう労働実態は、景気に左右されるので、派遣従業員の日々の生活を考えたとき、社会不安を巻き起こす可能性が生じる。
 4月の時点では、まさかアメリカのサブプライムローンの破綻による世界経済の減退を予測するひとびとは少なかったかもしれない。しかし、年末にはその影響は日本社会に大きく現れた。派遣従業員が大量に雇用契約満了以前に解雇されたのだ。
 5月1日。
 食品加工会社・比内鶏(秋田県大館市、破産手続中)による『比内地鶏』偽装事件で、秋田県警は、同社の元社長ら幹部7人を、詐欺と不正競争防止法違反(虚偽表示)容疑で逮捕。 この社長は「名前は違っても同じ鶏なんだから、問題はない」と開き直ったそうだ。
 5月2日。
 牛肉の産地偽装表示事件を起こした料亭・船場吉兆が、本店で客が食べ残した刺身やアユの塩焼きなどの料理を一旦回収した後、他の別の客に提供していたことが発覚した。
 この料亭には反省という考えがあまりないらしい。ばれなければ問題はないという徹底した営業戦略が浸透していたとしか思えない。
 5月18日。
 大阪府警は、焼き芋の屋台を偽装して小学校の近くで覚醒剤を密売したとして、覚醒剤取締法違反容疑で、大阪市西成区内の暴力団組員(47歳)と売人の男6人を逮捕、屋台と覚醒剤を押収。
 こういうのも偽装というのか。
 5月28日。
 料亭・船場吉兆が、廃業を正式発表。従業員は全員解雇へ。相次ぐ食品表示偽装に加え、客の食べ残しの使い回しが新たに発覚、急速な客離れにより、収益確保の見通しが立たなくなったため。
 仕方がないだろう。経営者の利益優先の考え方によって、仕事を失うことになった従業員たちの今後の生活は、いったいだれが責任をもち、保障するのだろうか。

6073.12/29/2008
偽装2008_/_/春(3)_/_/

 2月21日。
 耐震強度偽装事件で建築基準法違反や議院証言法違反などの罪に問われた姉歯秀次・元一級建築士について、最高裁は、上告を棄却する決定。これにより、懲役5年の実刑・罰金180万円とした一・二審の判決が確定。
 昨今の偽装事件の発端ともいうべき、マンションの耐震強度偽装事件は、なんと最高裁まで争われていた。
 食品やコピー用紙と違い、この偽装はスケールが大きかった。
 すでに建築済みのマンションを、ふたたび壊すという、とんでもない無駄が全国で実際に行われた。新築を購入したひとが、代金以上の支払いをして、マンションを壊さなければならなかった。
 いまでも、なぜ購入したひとが、ツケを払うのか、わたしには理解できない。ゼネコンにやさしい政府与党の方針か。
 3月3日。
 大阪市中央卸売市場で卸売事業を手掛ける『うおいち』は、フグと養殖ブリの産地を偽装して販売していたと発表。このうち、フグについては、昨年8月から12月にかけ、中国産のシロサバフグ1,983ケースを、山口県産として仲卸業者5社に販売していた。
 その後も頻発する産地偽装。2008年の最初の発覚は、フグと養殖ブリだった。
 これは、あくどい。偽装というよりも詐欺だろう。
 嘘ではなく、ごまかしです。
 安いフグを高く見せかけて市場で卸されたら、仲卸も小売も商売あがったりだ。
 3月4日。
 国が牛海綿状脳症(BSE)対策で実施した国産牛肉買い上げ事業を巡る偽装牛肉事件で、詐欺と補助金適正化法違反、証拠隠滅教唆の罪に問われた大手食肉卸・ハンナン元会長の浅田満に対し、大阪高裁は、懲役7年とした2005年5月の大阪地裁の一審判決を支持、浅田の控訴を棄却。
 補助金とは税金だ。ついに、偽装事件は税金を騙し取ろうと考える犯罪者を登場させた。
 3月19日。
 北海道苫小牧市の食肉製造加工会社・ミートホープによる食肉偽装事件で、豚・鶏肉などを不正に混入した牛挽肉を製造・販売したとして、詐欺と不正競争防止法違反(虚偽表示)の罪に問われた同社元社長に対し、札幌地裁は、「消費者に何ら顧慮することなく、安価な原材料で多額の売り上げを得ようとした動機は極めて利欲的かつ自己中心的。食の安全への信頼を根幹から揺るがした」として、懲役4年の判決。
 3月25日。
 耐震強度偽装事件で、マンションが強度不足と知りながら販売して代金を騙し取ったとして、詐欺罪に問われた開発会社・ヒューザーの小嶋進社長に対し、東京地裁は「マンション購入という一生に一度の大きな買い物をする被害者らの立場や心情に思いを致すことの無い、エンドユーザー軽視の悪質な犯行」として、懲役3年・執行猶予5年の判決。
 これからマンションを購入しようというひとたちは、しばらく住んで、満足してから、代金を支払う方式に変えたほうがいいかもしれない。

6072.12/28/2008
偽装2008_/_/春(2)_/_/

 1月22日。
 惣菜や牛肉などの表示偽装が相次ぎ民事再生手続中の高級料亭・船場吉兆が、22日に大阪市中央区の本店の営業を再開。昨年11月18日の営業自粛から約2ヵ月ぶり。
 嘘で失った信用は、2ヶ月の営業自粛で回復される。
 1月28日。
 全国各地で食品偽装が発覚する切っ掛けとなったミートホープの偽装牛ミンチ事件を巡り、不正競争防止法違反(虚偽表示)と詐欺の罪に問われた同社の69歳の社長に対する初公判が札幌地裁で始まり、社長は起訴事実を全面的に認めた。
 北海道に住んでいた友人が言う。
「ミートホープはとても大きい会社だ。だから、仕事のない北海道では、そこで働くひとも多い。だけど、なぜか、地元のスーパーにはミートホープの食品は並ばないんだよね。そんなに高級品なのかなぁ」
 いえいえ、豚を牛と偽っていることを地元のひとは知っているから、買わないだけだったのでしょう。
 1月30日。
 消費期限の偽装問題で食品衛生法に基づく営業禁止処分を受けていた和菓子の老舗・赤福について、三重県伊勢保健所は、再発防止に向けた改善策が取られたとして、同社の本社工場の営業禁止処分を解除。
 あんこが好きなわたしは、あまたの偽装事件のなかで、赤福の裏切りはとてもショックだった。
 売れ残りでも、腐っていないのなら、再出荷してもいいです。
 その代わり、売れ残りだということがわかるように、名前を「赤福の青」とか「赤福の黒」と変化させて、値段を安くしてほしかった。これまで名古屋に行くたびに食べた。新幹線で名古屋を通過するたびに、車内販売で買って食べた。あのなかに、売れ残った製品がきっとあったんだろうなぁ。
「なんて上品なあんこだろう」
感動していたわたしが、情けない。
 2月6日。
 消費期限などの偽装問題で営業禁止処分を受けた老舗和菓子メーカー・赤福は、三重県伊勢市内の本店など直営3店舗で、約4ヵ月ぶりに『赤福餅』の販売を再開。本店では開店時には約300人の行列ができた。
 高級料亭は2ヶ月で信用を回復。赤福は4ヶ月で信用を回復したと判断したのだ。
 でも、わたしはもう買いません。「赤福の赤500円」「赤福の青400円」「赤福の黒300円」と正直に分類してくれる日まで。

6071.12/27/2008
偽装2008_/_/春(1)_/_/

 新聞やニュースが、これまでに食品や生活必需品の偽物販売をこんなに報じた一年は、なかったのではないかと思う。
 2008年は、もうすぐおとなの嘘を暴露して、幕を閉じようとしている。
 いつから、経済活動のなかに、偽物を本物と偽って商売する「かたち」ができてしまったのだろうか。消費者は、ラベルの表示を信じて買う。嘘を表示されてしまったら、見抜くことができない。
 2008年の初頭は、前年からの発覚した偽装事件が、年越しで動きを見せた。
 1月12日。
 一連の食品偽装表示問題で休業中の料亭・船場吉兆が、民事再生法適用の申請を検討していることが明らかになった。
 1月16日。
 高級料亭・船場吉兆の食品表示偽装問題で、同社は16日午前、民事再生法の適用を申請。また、同社は、女将で取締役のYが、社長に就任し、その他の創業家の湯木家の役員が全員辞任する新体制を発表。これって不正を暴くためのものだったのか、逆に独裁体制を敷いて、不正を隠蔽するためだったのか。
 ただし、飲食業の世界で客が残した食材の使い回しは、暗黙の了解だったのではないかと推測できる。まったく手をつけていないものを、そのまま捨ててしまうのを考えたら、何らかの再利用をしたいという気持ちはわからないでもない。
 ごまかしをしないで、安価な再利用メニューを作り、そちらを注文した客に堂々と提供すればよかったのに。
 ハンバーグや肉料理の皿のすみっこに、ちょこんと乗っているパセリ。あれを食べたことがありますか。90%以上のひとが残すという。どうせ食べないのだから、飾りとしての役目しかない。だったら、合羽橋商店街に行って、精巧なイミテーションを買ってくればいいのに。ちなみに、わたしは、パセリが好きなので、使いまわしとわかっていても、あれを食べてしまいます。
 1月17日。
 再生紙の年賀はがきで古紙の割合を偽っていた大手製紙会社・日本製紙が、コピー用紙についても、同様の偽装を行っていたことが判明した。
 1月18日。
 製紙業界による再生紙への古紙配合比率偽装問題で、王子製紙・大王製紙・三菱製紙・北越製紙の製紙大手4社が、相次いで社内調査結果を公表。年賀はがき以外でも慢性的な偽装が業界に蔓延していた実態が明らかに。
 環境教育の一環として、学校ではリサイクルをこどもたちに指導している。
 古紙を使った年賀葉書は、環境に配慮された優等生だったのに、ここでも嘘が発覚した。
 わたしの友人に製紙業のひとがいる。古紙をどろどろに溶かすと、ふつうは灰色になって、とても再利用できる素材にはならないらしい。
「それをどうやって、真っ白にして、新品と似たようにするわけ?」
素人のわたしは、無邪気に質問した。
「それは、企業秘密だから、教えられない」
友人は、応じた。
 残念ながら、教えられない理由は、製造方法に秘密があるのではなく、製造そのものに嘘があったからだった。その友人は、営業なので工場のことは知らないかもしれない。それとも、営業活動を通じて、どこの会社でも同じことをしていると気づいていたのかもしれない。

6070.12/25/2008
創り出す会の足音...No.108
2005年度 新しい学びの創造へ

2005.09.13 by H.H
バザー当日〜いくら稼げたかな?〜
 7月24日、湘南憧学校の子ども達はバザーに出店しました。
 朝から荷物をみんなで運んで、いざお店の準備!
 抽選で決まったお店の場所は、なんと入り口近くの角というとても恵まれた場所でした。
 事前に練習したように、それぞれ品物を並べていきます。
 10時半、バザーが始まりました。予想以上にたくさんの人で会場は賑わっています。
湘南憧学校の売り場は、事前の子ども達の話し合いにより、30分ごとに担当者がかわります。お客さんの呼びこみ、お金の計算など全て子どもたちが行いました。スタッフは、近くで様子を眺めたり、自分のお買物をしたりとバザーを満喫!
「いらっしゃいませ!」
「プラレールありますよ!」
「これ、おまけします!」
と声を出し、何とも商売上手なSくん。
 ちらばった品物をきれいにすぐ整頓するAさん。
 チラシを一生懸命渡そうとするTくん、Mさん。
 値段表を調べて読み上げるAくん。
 それぞれが、それぞれの力を発揮していて感心しました。
 12時半までの時間があっという間にすぎ、品物も半分ほど売れたでしょうか。
 最後にみんなで稼いだお金を計算してみると、なんと7060円もありました。
 このお金は、みんなで外出する計画が出た時に使う予定です。
 声を出したSくんは、疲れた表情をしていましたが、9月に学校が始まった時、またバザーをしたいと一番に言い出した本人となりました。
 またバザーをすることは、他の子ども達も賛成だったので、チャレンジしてみたいと思います。お金を手に入れることは大変ですが、大切な学びになるでしょう。