top .. today .. index
過去のウエイ

6029.10/24/2008
くろふね-1

 佐々木譲さんの歴史小説「くろふね」を読んだ。
 実在の人物を主人公にした話だ。
 時代は江戸時代末期。場所は神奈川県の三浦半島。浦賀奉行所の与力見習いだった中島三郎助が主人公だ。
 アメリカの商船が通商を求めて来航したときに、真っ先に黒船に乗り込み、直接の交渉を担当した役人だ。本の帯には「最後の武士:中島三郎助」と記されていた。
 わたしたちは、江戸時代から明治時代に移行する時期の知識として、どちらかというと幕府を倒した薩摩や長州の側に立った歴史を学んできた。そのため京都の新撰組が治安維持の名目で多くの危険分子を殺害した事実を、まるで悪行のように教わった。会津の白虎隊が殲滅した事実を、時代が生まれ変わるために必要不可欠だった事件として教わった。
 しかし、中島の目と耳が得る情報こそが、当時の社会や政治の中心的な情報だったことを著者は思い出させてくれた。
 徳川幕府は長い年月、外国との通商や往来を禁止していた。唯一、長崎の出島だけを接点とし、相手国もオランダのみに限定していた。もしも、そのほかの地域に外国船がやってきたら、すべてを長崎に向かうように指示を出していたのだ。また、日本の猟師が難破して、外国船に救出されても、そのひとたちを受け入れることを拒んでいた。ひとの往来を禁止していたので、たとえ自らの意思で出国したわけではなくても、外国に行った日本の猟師は決まりを破ったことになったのだ。
 造船技術や航海技術の発達で、19世紀後半は日本近海に外国船が鯨を捕獲するために訪れた。漁の途中で、日本の漁船が遭難し、猟師たちを救助する機会が増えた。なにしろ、徳川幕府は大型船の建造も禁止していたので、猟師たちは拭けば飛ぶような小さな船でしか漁ができなかったのだ。
 幕府の役人として決まりを遵守する中島は、同時に人道的な見地から邦人を送り届けてくれたアメリカ人に感謝の気持ちを抱く。しかし、決まりを前提にして臨機応変な対応をしない上役や幕府中枢の指示に抗うことはできない。二つの対立する考えの狭間で、これからの日本のあり方を見つめなおすようになる。
 このまま鎖国政策を続ければ、確実に日本はアヘン戦争で負けた清(当時の中国の王朝)のように外国に占領される日が来るだろう。黒船に乗り込み、実物を目にした中島だからこそ、諸外国の技術の進歩の目覚しさを肌で感じている。何度も江戸表に上申書を送り、諸外国の技術、とくに海防技術を学ばなければ、やがて軍船が到来したとき、上陸や占領を防ぐ手立てがないことを訴えた。
 蛤御門の変、安政の大獄、桜田門外の変など、戊辰戦争前夜の歴史的事実を、幕府の地方官吏の目線でとらえる。情報がいまのように瞬時に伝わらない時代に、時間差のある不確かな情報から、必要なことを読み取り、先手を模索する生き方は、いまの社会で生きるときにも役立つことが多い。

6028.10/23/2008
男児殺害事件(2)

 警察の事情聴取に対して母親は、こどもを殺した後で自らも死のうと思ったと供述している。それほどまでに思い詰めた動機があったとしたら、それは他人のわたしには詳しい背景は想像しようもない。
 しかし、この供述を知って、さらに疑問がふくらんだ。
 男の子の行方がわからなくなったことを、真っ先に公園にいたひとに知らせたのは、この母親なのだ。本当は自分が携帯電話をかけていたひもで男の子の首をしめて、トイレの陰に隠していた。にもかかわらず、最初の行動では、被害者の家族を装ったのだ。
 こどもを殺した後で自らも死ぬ。心中の覚悟があったひとの行動とは思いがたい。
 この母親が抱え込んでいた不安や悩み、苦しみや悲しみは、それを理解するひとたちが近くにいたかどうかという社会的な側面と関係してくる。
 このケースとは無縁の一般的な例を想像する。
 家族や親戚など身内の多くは、発達障害への理解が得にくい。専門的な仕事についていたり、いつも関心を持っていたりすれば別だが、そういうケースはとても少ない。母親だけが「あなたのしつけが悪いから」と身に覚えのない言われ方をして傷つく。
 同年代の友人や近所のひとたちのなかに、おとなどうしではつきあいができるひとがいたとする。しかし、いっしょの場面にこどもを同行すると、こどもの奇異に見える行動が目立ち、相手との関係を悪くしてしまう心配をする。そのため、やがて疎遠になっていく。
 学校や児童相談所、教育相談センターなどは、発達障害への理解は得やすい。とくに今回のように特別支援学級(これは法律上の言い方)に在籍している場合は、そこの教員はこどもへの接し方を専門的に日々研究しているひとたちだろう。しかし、こどもへの接し方を知っていることと、親の願いを受け止めることは違う。親の考えと、学校や児童相談所、教育相談センターのひとたちとの考えが異なるケースは珍しくない。そのため、これら専門機関を親は信用しなくなっていく。

6027.10/22/2008
男児殺害事件(1)

 福岡で小学生一年生の男の子が母親に殺された。母親は持病があり、こどもには軽度発達障害があった。母親は、持病とこどもの障害に悩み、将来を悲観したと動機を述べている。
 わたしは事件の発生時から、もしかしたら母親かもしれないと疑った。
 軽度発達障害をもつこどもを残して、ひとりトイレに行った隙にこどもの行方がわからなくなったというのが信じられなかった。報道によれば男の子はGPS機能つきの携帯電話を首から下げていたという。つまり、それは多動的な傾向が見られるという証拠だ。たえずおとなの管理のもとに置かないと、ひとりでふらっとどこかに出かけてしまうので、行方がわからなくなったときにGPSで探すのだ。
 それは、遊園地やデパートでこどもが迷子になるという状況とは違う。
 迷子の場合は、親もこどももともに互いが離れ離れになったことを意識している。親がサービスセンターに駆け込んで、こどもを探すことを依頼するかもしれない。ひとりで泣き叫ぶこどもを施設の警備員が発見して、事情を聞いて、親を呼び出すかもしれない。
 しかし、多動的な傾向のこどもは自らが親やおとなとはぐれてしまうことをあまり意識していない。そのときに興味のあったものを追いかけたり、置かれた状況から脱出したりして、ほかのところに移動してしまうので、追いかけるのはいつも親やいっしょにいたおとなの方なのだ。
 わたしは特別指導学級のこどもたちと学校を離れた活動(おもに遠足)をしたとき、わたし自身がトイレに行きたくなったとき、必ずこどもを連れてトイレに行く。できれば多目的トイレにいっしょに入り、こどもを視野に置きながら用を足す。異性の場合は、問題になるので、学校を離れた活動に男女がいれば、引率する教員は男女か女性のみにする配慮をしている。女の子といっしょに男性教員がトイレに入るのは、問題になるが、男の子といっしょに女性教員がトイレにはいるのは、あまり問題にはならない。
 すべての発達障害をもつこどもが、おとなの目の届かないところでひとりにしておけないわけではない。しかし、GPS機能つきの携帯電話を用意する必要があるこどもの場合は、それなりの理由があると考えるのが妥当だろう。
 だから、母親がひとりでトイレに行った隙にこどもの行方がわからなくなったというのが信じられなかったのだ。

6026.10/20/2008
創り出す会の足音...No.79
2004年4月1日 湘南憧学校開校

H 提案理由
・現状の規制の問題点、規制の特例を適用しなければ事業の実施ができないとする根拠(必要性)を明確にすること。
・これまでに事業の実施を断念した事例があるなど、提案に至った経緯を明確にすること。
¢ 公立学校の教職員には、今の学校が抱える問題を何とかしたいと思いながら、また様々な改革のアイデアを持ちながら、現実のさまざまなしがらみの中で、なかなかそれを実現できずにいる者たちがいる。そうした教職員に、新しい教育の在り方を模索できる場、のびのびと自身の情熱やアイデアをぶつけることのできる場を提供することは、そうした教職員にとっても、また子ども達にとっても非常に大きな意義があると考える。
I 根拠法令等
・規制の根拠、又は改正すべきであると考える法令等の名称及び該当条項等を記入すること。
・該当法令等の法律、政令、省令、通達、告示の別が分かるようにすること。
¢ 市町村立学校職員給与負担法 第1条:市(特別区を含む。)町村立の小学校、中学校、中等教育学校の前期課程、盲学校、聾学校及び養護学校の校長(中等教育学校の前期課程にあっては、当該課程の属する中等教育学校の校長とする。)、教頭、教諭、養護教諭、助教諭、養護助教諭、寄宿舎指導員、講師(常勤の者及び地方公務員法 (昭和二十五年法律第二百六十一号)第二十八条の五第一項 に規定する短時間勤務の職を占める者に限る。)、学校栄養職員(学校給食法 (昭和二十九年法律第百六十号)第五条の三 に規定する職員をいい、同法第五条の二 に規定する施設の当該職員を含む。以下同じ。)及び事務職員(地方自治法 (昭和二十二年法律第六十七号)第百七十二条第一項 に規定する吏員に相当する者及びこれに準ずる者として公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律 (昭和三十三年法律第百十六号)第二条第三項 の政令で定める者をいう。以下同じ。)の給料、扶養手当、調整手当、住居手当、初任給調整手当、通勤手当、単身赴任手当、特殊勤務手当、特地勤務手当(これに準ずる手当を含む。)、へき地手当(これに準ずる手当を含む。)、時間外勤務手当(学校栄養職員及び事務職員に係るものとする。)、宿日直手当、管理職員特別勤務手当、管理職手当、期末手当、勤勉手当、義務教育等教員特別手当、寒冷地手当、特定任期付職員業績手当、退職手当、退職年金及び退職一時金並びに旅費(以下「給料その他の給与」という。)並びに定時制通信教育手当(中等教育学校の校長に係るものとする。)並びに講師(同法第十七条第二項 に規定する非常勤の講師に限る。)の報酬及び職務を行うために要する費用の弁償(次条において「報酬等」という。)は、都道府県の負担とする。
¢ 義務教育費国庫負担法 第2条:国は、毎年度、各都道府県ごとに、公立の小学校、中学校、中等教育学校の前期課程並びに盲学校及び聾学校の小学部及び中学部(学校給食法 (昭和二十九年法律第百六十号)第五条の二 に規定する施設を含むものとし、以下「義務教育諸学校」という。)に要する経費のうち、次に掲げるものについて、その実支出額の二分の一を負担する。ただし、特別の事情があるときは、各都道府県ごとの国庫負担額の最高限度を政令で定めることができる。

6025.10/16/2008
創り出す会の足音...No.78
2004年4月1日 湘南憧学校開校

I 根拠法令等
・規制の根拠、又は改正すべきであると考える法令等の名称及び該当条項等を記入すること。
・該当法令等の法律、政令、省令、通達、告示の別が分かるようにすること。
¢ 地方独立行政法人法 第21条:地方独立行政法人は、次に掲げる業務のうち定款で定めるものを行う。(この中に小・中・高等学校の設置は含まれていない)
K代替措置の内容
・特例の適用にあたって代替措置を講ずる場合、その代替措置の内容、責任主体等を記入すること。
¢ 地方独立行政法人が設置できる小・中・高等学校を、「特別な目的やニーズに応える、もしくは地域の公立学校の諸問題の解決や改善に資するための研究開発を目的にした実験学校」に限定し、地方独立行政法人の設置主体である地方自治体が、民間から理事長(校長)として起用しようとする人間の新しい学校創りのアイデアを審査し、こうした目的に照らして適切かどうかを判断する。
L その他(特記事項)
・具体的な事業の実施内容、提案理由を補強する資料(新聞記事、研究会報告書等)がある場合は、添付資料として提出すること。その際、本欄において、添付資料の項目を列挙すること。
・他の規制の特例事項と一体的に実施されることにより効果を発揮する場合など、他の規制の特例を用いた事業等との関係を記入すること。
¢ 次項および次々項の提案と一緒に実施される必要がある
D 規制の特例事項(事項名)
提案する規制の特例事項の内容を端的に示す事項名とすること( 最大3 0 字程度)
地方独立行政法人立学校への県費負担教職員の一部配置
F 規制の特例事項の内容
・規制の特例事項の提案内容を記入すること。
・規制を撤廃する提案であるのか、数量等を緩和する提案であるのか、明確にすること。(数量等の緩和については、どこまで緩和する必要があるのかを明確にすること)
" 地方独立行政法人立の小中高等学校への県費負担教職員の一部配置を可能にする
G 具体的事業の実施内容
・規制の特例を用いて実施しようとする具体的事業の内容をその効果を含め、記入すること。
¢ 地方独立行政法人立の小中高等学校を設置し、希望する県費負担教職員が、民間起用の校長と一緒に新しい実験学校をつくっていく。
この実験学校は、特別な目的やニーズに応える、もしくは地域の公立学校の諸問題の解決や改善に資するための研究開発を目的にするのであるから、その教職員としては、その地域の公立学校に勤務している教職員こそが適任であると考える。
「特別な能力を備えた人間」ではなく、「普通の公立の先生」がやることで、そうした改革が「誰にもでき得るもの」だということに繋がり、そうした意識が(一般の)公立学校を活性化していく原動力となる。

6024.10/15/2008
創り出す会の足音...No.77
2004年4月1日 湘南憧学校開校

8 提案概要
・ホームページへの掲載を前提に、上記の内容を簡潔にまとめたものを記入すること。
・字数制限(250字以内)) を厳守すること。
¢ 公立学校の改革や学校教育における多様な選択肢を求める声が強くあがりつつある湘南に、特別な目的やニーズに応える、もしくは地域の公立学校の諸問題の解決や改善に資するための研究開発を目的で、独自の教育内容と運営形態に基づいた小・中・高等学校を、民間から起用した新しい学校創りのアイデアを持った人間を理事長(校長)とした地方独立行政法人立で実験的に設置し、その校長のリーダーシップの元でやる気と情熱に溢れた公立学校の教員を中心とした教職員が教育にあたる。そんな学校を創りたい。

【様式2−2】
D 規制の特例事項(事項名)
提案する規制の特例事項の内容を端的に示す事項名とすること( 最大3 0 字程度)
独立行政法人立小・中・高等学校の設置
F 規制の特例事項の内容
・規制の特例事項の提案内容を記入すること。
・規制を撤廃する提案であるのか、数量等を緩和する提案であるのか、明確にすること。(数量等の緩和については、どこまで緩和する必要があるのかを明確にすること)
" 地方独立行政法人が小・中・高等学校の設置および管理(運営)を行えるようにする
G 具体的事業の実施内容
・規制の特例を用いて実施しようとする具体的事業の内容をその効果を含め、記入すること。
¢ 特別な目的やニーズに応える、もしくは地域の公立学校の諸問題の解決や改善に資するための研究開発を目的にした小・中・高等 実験学校を、民間から起用した新しい学校創りのアイデアを持った人間を理事長(校長)とした地方独立行政法人立で設置する。
こうした実験学校を作って実践的に研究開発を行うことにより、ゆくゆくは公立学校の改善や活性化、さらには地域の活性化にもつながり得る。
H 提案理由
・現状の規制の問題点、規制の特例を適用しなければ事業の実施ができないとする根拠(必要性)を明確にすること。
・これまでに事業の実施を断念した事例があるなど、提案に至った経緯を明確にすること。
¢ 従来、こうした"特別な"学校は「研究開発学校制度」においてのみ認められてきた。しかしこの制度は、次の2つの点で問題が残る。
1. 教育内容(カリキュラム)の点では大幅な自由度はあるものの、学校運営の形態にさほど自由度がない(従来とあまり変わらない)。
2. 従来ある学校が名乗りを上げて「研究開発学校」になるため、そこに通う子ども達は好むと好まざるに関わらず、そこで行われる"研究"に組み込まれる、また逆にその学校以外の子ども達は望んでも参加することができない。"研究開発"のための学校を新たに作り、希望する教職員や児童生徒を集めて行うのが本来あるべきやり方だと考える。
なお、こうした学校が特別なニーズに応え、かつ地域の公立学校の諸問題の解決や改善に資するためのものであるという点、および希望する児童生徒が誰でも通える学校である必要があるという点の2つから、これを公立学校に準じた形で設置することの根拠もしくは必要性とする。

6023.10/14/2008
創り出す会の足音...No.76
2004年4月1日 湘南憧学校開校

7-2 特区構想の内容(計画の具体性、特例事業との必要性)
以下の点に留意して、具体的な規制の特例事項の必要性、具体的な実施スケジュール等をどのように計画している提案であるのか、具体的に記入すること。
・提案されている全ての規制の特例事項が特区構想にとって必要不可欠な事項であること。
・個別の事業について、実施主体又は実施スケジュールが明確であることなど、具体的な計画であること。
・提案されている特区構想の実現により、どのような経済的社会的効果を想定しているのか、可能な限り定量的に示すこと。
・別様として記入する必要がある場合は、本欄に概要を記し、かつ、別様がある旨を明記すること。
¢ 構想している実施スケジュールは以下のとおりである。
@ 特区提案認定後〜2004年4月:神奈川県や県内のいくつかの市区町村と協議し、「湘南に新しい公立学校を創り出す会」が提案する新しいタイプの学校作りを認めて、特区申請してくれる自治体を見つける。
A 2004年4月〜6月頃:その自治体が特区申請を出して認定される。
B 2004年7月頃〜2005年3月:地方独立行政法人および地方独立行政法人立「湘南小学校(仮称)」を設置。理事長(兼校長)および理事には会から人選された者がなる。
C 同:自治体と一緒に、開校の準備を行う。校長(地方独立行政法人の理事長)の権限で、会のメンバーの内で現職の公立小学校教員を開校時の教職員としてこの学校に異動させる。
D2005年4月:「湘南小学校(仮称)」開校。
¢ 想定される経済的社会的効果としては、独立行政法人の学校運営による学校予算の軽減、県費負担教職員の一部給与削減、多様な人材を教職員として任用することによる雇用創出、行政が実施している不登校対策事業費の軽減、子どもの興味と直結する地域の産業や伝統との積極的かつ持続的な交流と協力、新しい地域イメージを発信することによる期待感の広がり、などが挙げられる。

6022.10/12/2008
創り出す会の足音...No.75
2004年4月1日 湘南憧学校開校

 当時の内閣府は構造改革特区の第三次提案を受け付けていた。
 創る会でも、この提案に応募している。

独立行政法人立 小・中・高等 実験学校特区 構想(十時プラン)

【様式1−2】
5 特区構想の名称
・特区構想の名称を記入すること。
¢ 独立行政法人立 小・中・高等 実験学校特区

6 特区構想の範囲(区域)
・特区構想として想定している区域を記入すること。
・なお、想定している範囲が明確に分かる資料(地図上に範囲をプロットしたもの等)を添付資料として提出すること。
¢ 神奈川県の湘南地域(未定)

7-1 特区構想の内容(地域特性、意義、目標)
以下の点に留意して、特区構想として全体をどのように計画している提案であるのか、具体的に記入すること。
・特区構想の区域と想定している地域の特性を明確にすること。
・想定している地域で特区を導入する意義、目標を明確にすること。
・特区構想として想定している実施スケジュール、実施体制を明確にすること。
¢ 湘南地域は歴史的に古くからの観光や交通の要所であった一方、昨今は東京近郊で働く人たちのベッドタウンとして急激な人口の増加傾向にある。旧住民と新住民の混ざり合う環境に、失業率の増加、人員合理化など経済の負の要素が強く反映し、公立学校においても都市部の学校同様、不登校を初めとするさまざまな問題が表面化している。そうした中で、公立学校の改革や学校教育における多様な選択肢を求める声が、住民から強くあがりつつある。
そうしたところにおいて、地域住民の要望に応える形で、従来の公立学校の改革・改善に資するための研究開発の目的で、独自の教育内容と運営形態に基づいた小・中・高等学校を、民間から起用した新しい学校創りのアイデアを持った人間を理事長(校長)とした地方独立行政法人立の学校として実験的かつ先駆的に設置し、その校長のリーダーシップの元でやる気と情熱に溢れた公立学校の教員を中心とした教職員が教育にあたるというのは、おおいに歓迎され、期待されることであろう。

6021.10/11/2008
創り出す会の足音...No.74
2004年4月1日 湘南憧学校開校


 2003年5月23日の第70回定例会で、平日の通年開校としての湘南小学校(当時はまだ湘南憧学校という名前はなかった)についての議論を開始した。
 参加者の意見より。
・NPO法人学校がすでに認められているのは対象者について条件をつけている。
・文部省担当の新聞記者によればNPO法人や公設民営は現在の政権とともにやがて消えてしまうものだという声がある。
・特区には財源措置がない。神奈川と藤沢には財源がない。
・首長がどう考えるかで金の使い方が決まる部分がある。
・藤沢市長選挙は来年になる。
・地方によっては自治体が不登校センターを作っているところもある。

・隠れたチャータースクールの魅力は、運営予算が従来の公立学校予算よりも安くあがる。
・運営について従来のものよりもかなり削ることができますとうたってしまう。


・対象とする子どもを明確にしたほうがいいのでは。
・適応指導学級に通っている子どもたちを湘南小学校が引き受けますという方向でできないか。
・民間企業に教職員を派遣している制度で学校ができないか。
・NPO法人がやっている学校に教職員を出向させていくという考え方。

・教育特区の申請で県の職員という枠組みを外してもらう方向にしたらどうか。
・NPO法人……不登校と財政的問題は自分たちで解決、すでに実績のあるところという枠組みがある。湘南が実績があるといえるかどうか。
・独立行政法人法のもとに新しい高校を作り、その附属組織として湘南小学校を開校できないか。

・法律ができるといいが、可能性があるのであればそういうことを考えるのもいい。

・選択・無償、公立と同等のものという条件の満たし方を考えないといけないのではないか。
・藤野町で廃校が増えてしまったので外部からの誘致に力を入れている。
・公設民営学校のひとつとして教育特区申請をし、独立行政法人として湘南小学校の開校をめざす。
・国庫負担制度は今後全体的に廃止される可能性がある。

・論点のおおもととして平日デイタイム開校を目指すのかどうかということの確認をしてはどうか。お金の調達方法として、公的資金、授業料、事業のいずれかが考えられる。スポンサーの判断基準は実績になると思う。実績を見極めてもらうために、平日デイタイム開校を開始してしまうという賭けができるかどうか。

・教育において自治体の枠組みをこえた事業を立ち上げませんか。
・教育事務所管内を対象範囲と考えた連携事業の立ち上げ。

・県立小学校・県立中学校の検討を始めている自治体も考えている。
・コミュニティカレッジの附属小学校にできないか。

・企業からのスポンサーをつのる。
・将来的な人材発掘をうったえて資金を集める。
・すでにリタイアした人たちを雇用して安い賃金で対応することはできないか。
・専業主婦で意欲のある方のなかから発掘してはどうだろうか。
・企業からのスポンサー資金は必要になると思うが持続的な学校運営を考えるときその時々の経済状況に影響されやすいかもしれない。

6020.10/9/2008
創り出す会の足音...No.73
2002年5月4日 国際文化会館にてカッター女史と

 エリザベス、マイロ、わたしで記念写真を撮りました。
「もしも、日本にチャータースクールは無理だったら、シティアカデミー小学校を作りにミネソタに行くね」
「それはいいアイデア。いっしょの飛行機に乗っていかない?」
「(2枚目の写真に参入してきた若い3人の男性)このお猿さんたちも、積荷にしていいならね」
 マイロは大受けで、笑っていました。

 本日、共に語らい、共に考える中から、ここ日本において、市民が自ずから創る学校、新しい公立学校を創り出すことを私たちの希望として確認しました。
 それぞれが、それぞれの場において動き出すことを宣誓します。
「わたしたちの学校に、あまり表情が豊かでない生徒がいました。その子どもが『自分の気持ちをお面に表してみましょう』というアートの課題に取り組んだときの作品です。見た目には表情がないように見えたのですが、このお面は笑っているんです。わたしたちは、ホッと胸をなでおろし、とても嬉しくなりました」
 マイロからのプレゼントにて。」(終わり)

 2002年は、テストスクール湘南小学校を毎週土曜日に開校した。
 あわせて、2003年も湘南小学校を開校した。
 この2年間の経験で、わたしたちは、週末だけの開校から、本格的なフリースクールの開校へと舵を切っていく。
 その間、チャータースクールに関する学習会を開き、いまの教育情勢についてのシンポジウムも実施した。より多くのひとたちに公教育の改革が必要なことを訴えた。
 テストスクールは、週末の学校が休みの日に開校した。そこに通うこどもたちの多くは、月曜から金曜まで地元の学校に通う。週末だけ湘南小学校に参加した。本人が望んで湘南小学校を楽しんでくれていたと信じているが、こどもの貴重な休みの日を使っていることは大きな罪悪感となった。湘南小学校にこどもを通わせる保護者に、もしも平日の学校を開校したら現在通っている学校から転校する気持ちがあるかどうかを質問した。多くは、転校までして通わせはしないというものだった。その理由の大きなものが、フリースクールは法律で認可された学校ではないというものだった。