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第171回定例会 2012.6.23(土) 藤沢市市民活動推進センター 参加者:4人

経過と予定

5月26日(土)第170回定例会 9:30から市民活動推進センターで
6月23日(土)第171回定例会 9:30から市民活動推進センターで
7月21日(土)第172回定例会 9:30から市民活動推進センターで
9月29日(土)第173回定例会 9:30から市民活動推進センターで
10月20日(土)第174回定例会 9:30から市民活動推進センターで
11月17日(土)第175回定例会 9:30から市民活動推進センターで
12月15日(土)第176回定例会 9:30から市民活動推進センターで

2012年度の会報

発行月と担当者は次の通りです。

6月:山崎・増田 9月:小坂・兵藤 12月:十時・佐々木 3月:池田

2012年度の会員手続きが始まっています。
6月の会報からは新年度の手続きをした方に会報を送ります。
会員更新の手続きは、従来どおり、年間3000円の会費納入のみです。

湘南より、教育提言を

_/_/ボランティア2年目_/_/

―電車に乗って出かけると―
刺激であふれている。今年の5月のことだった。

「各停 町田行だ」と車両の行き先表示をパッと読んだ時、いつ読めるようになったのかと驚いた。見慣れた駅名を漢字で読みローマ字でも読んでいることがわかった。男の子は電車に乗ると、座席に座るのではなく窓側に顔を向けて正座をする。目に入るものが次々と頭と言葉に反応して、それを声を出してしゃべり同行者の反応をうかがう。反応の善し悪しによってそれがまた新たな知識となって積み重なり、書き換えられていくのだろう。

そして流れ去る風景を決して飽きることなく見続けて、駅に着くと○○駅と声をあげて看板を読んで確かめる。たまたま道路を走っている車と並走すると、「こっちの方が速いぞ」とあたかも自分が電車になったような気分になり興奮する。電車の一部分を見るだけでその電車の形式番号を言い当てる。

女の子はというと、座席に座り男の子とおしゃべりをしたいのだが、相手は外に夢中だからちょっと今は言えなさそう。仕方なく乗客の子どもの様子、吊り広告にある年齢に応じた写真?に見入る。時々車窓に目をやりに飛び去っていく風景を眺めてもの思いにふけている。

電車を利用するには、多くの行程がある。まずは改札口を通るための通行手形を手に入れなければならない。改札口の横の窓口に駅員が座っていることはほとんどなくなり、ここで切符を買うことは遠い昔の話となった。

そこで、目を横に移すとそこに通行手形の自動券売機が設置されている。液晶画面とキーボードに情報が満載で、このたくさんの情報の中から自分が必要としている情報を探し出すことがまた大変だ。日常的に利用している駅ならば、簡単に操作ができるが、使い慣れていない駅に行ったら多くの人が困惑している。大人も子どもも同じで、よく考えてボタンを押したり、画面にタッチしないと自分の行く宛を見失ってしまうことにもなりかねない。

お金を入れる。10円硬貨、50円硬貨、100円硬貨などいくつかの組み合わせを試している。子ども一人のマークを押す。すると、子ども運賃画面となるのでその中から目的に合った一つのボタンを押す。切符が出てくる、場合によってはお釣りも出てくる。この手順をトラブルなくやり遂げて初めて切符を手にする事ができ、自動改札口に足を進めることとなる。

ところが、自動券売機がこちらの思うように反応しないことがあると同じ事を繰り返したり、機械を変えなければならない羽目になる。このトラブルに如何に対応するかがとても大事だ。

自動改札機に切符を通して、指先から切符を吸い取られるような気分を味わい、「もしかして切符が出てこないのではないか」と心配してやっとホームに入る。切符を失くさないように仕舞うこともとても大切なことだ。電車が駅に停車すると、ホームにいる人々や壁に貼ってあるポスターを目にして、好きなタレントや興味あるものを見つけた時には大騒ぎである。そして目的駅のホームに降り立つと、壁のポスターが目に飛び込んできたり、ラックに置いてあるチラシ広告を手にしたりする。関心のある写真などが写っていると、そのチラシが必要でなくても自分のものにしたがるのは大人と同じである。

そして自動改札口で切符を吸い取られると、今度は切符が出てこないことに「なぜきっぷは出てこないの」とまたしても考えを巡らす。

そしてまた、電車に乗りたくなる。どこかから「パスモを使えば簡単で楽だよ」と聞こえて来た。いろいろあるから乗りたくなるのさー。               

―児童養護施設には―
「衣食住は事足りているが、人手が欲しい。」
長年にわたって施設で働いている方とボランティア活動について話している時に伺ったことである。

それは法律によってさまざまな予算が組まれていて、施設で暮らす子どもの衣食住を満足させているようである。子どもの服装や持ち物を見るとわかることだが、小奇麗なものを身につけていて不自然な所は一つもない。住んでいる寮も落ち着いた様子で隅々まで人の手が入っていることがわかる。子ども部屋に入ると、机があり本棚があり一般家庭と同じようにたくさんのものが置いてあった。お小遣いも年齢による額の違いはあるが貰っている。

かつては、施設というだけで、差別的な目で見られ様々なマイナスイメージが付きまとい、それを隠そうとしたり人の目にできるだけ触れないような配慮をしていることもあった。その一方では、ボランティアという言葉がなかったずっと前から、物心両面で様々な援助を考え実践していた人も数多くいたことだろう。

昨年のタイガーマスクを名乗ったランドセルの贈り物ニュースは、児童施設等に対する世の中の関心を集める大きなきっかけの一つになった。しかし、「可愛そう」という言葉に代表される価値観で児童施設に目を向けて、古い同情的な心情を我々に思い出させるものにもなった。それが一つの現象となって世間を駆け巡ったが、すべての人がそのような行為に対して諸手を挙げて歓迎したわけではなかった。

この施設では、50人近くの子どもが六つの寮にわかれて生活し、18人の寮担当の職員が24時間365日交代で世話をしている。子どもの年齢は2歳から18歳まで。そして「家庭に代わって養育し社会の一員として生活できるように援助」(養護施設の事業の目的より)しているのである。

2年程前、私は小学生の学習ボランティアをやらせてほしいとお願いにうかがった。週に1回1時間半程度の学習をお手伝いしたいと希望を述べた。それを受けて担当の職員が子どもを選ぶこと、ボランティアとの相性など考慮して現在の二人の子どもとの組み合わせが決められたように思う。そして、子ども二人を相手の学習ボランティア活動が始まった。

昨年の春には、知人から声を掛けられて畑に通い始めた。その回数は14回を数える。土や野菜との触れ合いはもとより、電車の乗り方切符の買い方お金の使い方など、机上ではできないフィールドワークを子どもは様々な楽しみ方をしている。「歩いて帰りたい」との子どもの提案を受けて、畑から藤沢駅まで歩いたこともあった。途中では、疲れて足も重くなり苦痛に顔を歪めていたが、駅に着くと満足そうな表情に変わり得意なおしゃべりが復活していた。

そして、週に1回の学習ボランティアが幸いにも今日まで続けることができ、明日からもいつまで続けられるかわからないがやれそうである。

サッカー、お絵かき、歌やゲーム、ピアノ、算数、中学生の学習などボランティア活動には何人かの大人が携わっているようである。それでも施設としては、もっと必要としているようである。

「この施設で暮らしている間に、将来の生活の糧になるようなことを身につけられたらいいな、と思うことがあります。」経験豊かな寮の職員が話していることを思い出した。

「ボランティアをやりたい、こんなことができそう」と申し出ることを施設では待っているようである。子どもを育てる大人の手助けがあってこそより充実した「家庭に代わって養育し社会の一員として生活できるように援助」ができるのであろう。
(6月は会報発送月でした。会報から一部を抜粋しました)

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